Shade3Dに新しく搭載された、2種類のボーンと人体ボーンを一括生成するヒューマノイドボーン機能 |
従来の「ボーン」の仕様は、多種多様なツールとの互換性を重視した自由度の高いものとなっていました。しかし、メタバース、ゲームなどでの利用の際には動作をシンプルにする目的からボーンに厳しい制限を持たせることが多く、FBX、glTFを介した他ツールへのエクスポート前提で作成する場合に多くの点に注意する必要が出てきました。
Shade3D Ver.24で搭載された「スタンダードボーン」と「正規化ボーン」は主に変換行列に制限をかけ、FBX、glTFなど他ツールへのエクスポート前提で作成した場合の互換性を高めています。
また、従来は生成に知識と手間を要した複雑な構造を持つ人体ボーンを一括で生成する機能として「ヒューマノイドボーン」が搭載されました。身長や頭身などを指定して作成することができます。
「スタンダードボーン」は変換行列で扱う要素を「移動」と「回転」のみに制限しています。人型のキャラクターなど、通常のボーン構造での用途に使用します。VRM1.0など、メタバースのアバターでの利用が考えられます。
「正規化ボーン」は変換行列で扱う要素を「移動」のみに限定しています。ゲームなどのキャラクター作成などに用い、より制限の大きいツールとの互換性が高くなります。
● ボーンの軸表示
それぞれのボーンにはXYZ軸の方向が軸ごとの色で表示されます。
・X:赤、Y:緑、Z:青(初期設定時)
● スタンダードボーンと正規化ボーンの軸表示
スタンダードボーンは、変換行列に「移動」と「回転」要素を持ち、軸の方向ごとに座標軸の表示が異なります。
正規化ボーンは変換行列が「移動」要素のみとなり、ジョイントの回転がリセットされている状態では 座標軸の表示は同一方向となります。
● 子ボーンの移動と親ボーンの軸方向
スタンダードボーンは子の移動と親ボーンの軸方向が連動します。
正規化ボーンは子ボーンの移動による影響を親ボーンは受けません
● ボーンの方向表示
ボーンを配置するときに、ボーンの向きによって意図しない方向に曲がったりするのを避けるために、ボーンの向きが重要となります。「スタンダードボーン」では親子の接続を「親ボーンに接続」オプションによってオン、オフすることができ、オフでは破線、オンでは実線でボーンが表示されます。
「正規化ボーン」ではこのオプションをもたないため、常に実線で表示されます。
・左からスタンダードボーン(親ボーンに接続:オフ)、中:スタンダードボーン(親ボーンに接続:オン)、右:正規化ボーン
ボーンによって形状を変形させるには形状をパーツ別にそれぞれのボーンに内包する手法と、スキンによって形状とボーンを紐付けする手法があります。
ボーンに内包する手法はメカニカルな動作の表現に適しています。
・左:パーツをボーンに内包、右:変形後
スキンを使用する手法は人体など有機的な変形の表現に適しています。スキンでは形状にウエイト(移動する割合)を設定することで有機的な変形を行えます。
ボーンに内包する手法はメカニカルな動作の表現に適しています。
・左:スキン設定した形状(色:ウエイト)、右:変形後
身長と頭身を指定するだけで、複雑な人体の構造を持つボーンを生成します。ボーンのタイプはスタンダード、正規化から選択でき、オプションで顎や両目、両手指など細部のボーンを追加することができます。
・左: 身長:170cm/プロポーション:7.0、中:身長:150cm/プロポーション:5.0、右:身長:120cm/プロポーション:3.0
・胴オプション 左:胸部(下)、中:胸部(上)、首(付け根)
・頭オプション 左:両目、右:顎
・足、腕オプション 左:つま先(足)、中:肩(腕)、右:指(腕)
スタンダードボーンは正規化ボーンへの変換が可能です。1つのボーン構造の中にはスタンダードボーンと正規化ボーンは混在できないため、ボーン構造のルートを選択しているときのみ変換が可能です。変換すると、変換行列から「回転」の要素が削除されます。
正規化ボーンからスタンダードボーンへの変換は行えませんので、用途が確定していない場合はスタンダードボーンで作成しておくと後からの変更に対応しやすくなります。
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