プログラムの機能と特長
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■港湾基準にみる性能照査の流れ
港湾基準に示されている重力式係船岸の性能照査順序の内、レベル2地震動に関する偶発状態を除いたフローチャートを示します。レベル1地震動の作用による壁体の滑動、転倒、基礎地盤の支持力破壊の照査は、震度法を用いることができるとされており、本製品にて、検討することができます。しかしながら、震度法では、変形量を直接照査しているわけではなく、適用限界があるとして、例えば、固い支持地盤上にケーソンを直接据え付ける場合等には、2次元有限要素解析等の動的解析による変位量の検討を行うことができると記載されています。この2次元有限要素の動的解析は、当社「地盤の動的有効応力解析(UWLC)」で行うことができます。
▲重力式係船岸の性能照査フローチャート
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●当社「地盤の動的有効応力解析UWLC」を用いた動的解析による変形量の検討例
1995年に発生した兵庫県南部沖地震におけるポートアイランドの岸壁の変形量を検討した解析モデル図並びに解析結果である変形図(http://www.forum8.co.jp/product/uc1/jiban/
avi/UWLC-henkei.avi)は次の通りです。
▲動的解析モデル図
▲動的解析結果(変形図)
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■対象構造形式
対象構造形式は、ケーソン式、セルラーブロック式、ブロック積式の重力式係船岸です。
各形式における断面規模は次の通りです。
構造形式 |
段数 |
法線方向室数 |
直角方向室数 |
ケーソン式 |
1 |
10 |
10 |
セルラーブロック式 |
5 |
10 |
1 |
ブロック積式 |
5 |
1 |
1 |
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左図は、3室×3室のケーソンの平面図ですが、最大10室×10室までの検討ができます。
セルラーブロック式は法線直角方向は1室ですが、法線方向には最大10室設けることができます。
積上げ段数は、セルラーブロック、ブロック積式ともに最大5段までとしております。 |
ケーソン平面形状図 |
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■本製品の計算機能
●検討ケース
永続状態と変動状態(L1地震動)の2ケースです。重力式係船岸では、牽引力の作用は永続状態(常時)扱いになります。
変動状態(地震時)の検討では、動水圧を考慮することができます。
基準類 |
常時 |
地震時 |
港湾基準 |
永続状態(牽引力含む) |
変動状態(L1地震動)(動水圧検討可) |
漁港基準 |
常時(牽引力含む) |
地震時(動水圧検討可) |
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●設計計算
壁体の滑動、転倒、基礎地盤の支持力の照査を行うことができます。セルラーブロックにおける転倒の照査では、中詰めの抜け出しを考慮した検討を行うことができます。港湾基準では、基礎地盤の支持力に対する検討、並びに、永続状態の地盤のすべり破壊に対する検討は、円弧すべり照査が必要ですが、こちらは、次期改訂時での対応とさせて頂きたいと考えています。本プログラムでは、港湾基準の場合でも漁港基準の考え方である「壁体底面における地盤支持力の検討」「基礎捨石底面における地盤支持力の検討」を行うことができます。なお、上部工の滑動、転倒の照査はサポートしておりません。
照査項目 |
計算方法 |
港湾 |
漁港 |
滑動 |
- |
○ |
○ |
転倒 |
中詰土圧を無視(セルラーブロック) |
○ |
○ |
中詰土圧を考慮(セルラーブロック) |
○ |
○ |
基礎地盤の支持力 |
壁体底面における地盤支持力の検討 |
○ |
○ |
基礎捨石底面における地盤支持力の検討 |
○ |
○ |
偏心傾斜荷重に対する検討(円弧すべり) |
× |
- |
円弧すべり照査 |
永続状態の地盤のすべり破壊に対する検討 |
× |
- |
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■本製品の特長
- 初期入力画面を用意し、最小限のデータで新規データを容易に作成することができます。
- 2D並びに3D表示にて、入力を行いながら、検討形状の確認を行うことができます。
- 上載荷重の載荷範囲として、上部工を含む、上部工パラペッド部を除く、上部工を除くの3パターンから選択することができます。
- 捨石マウンド形状は、マウンドなし、上段のみ、下段のみ、上下段の4タイプをサポートしています。
- 裏込材は2段形状まで扱えます(計算には関係ありません)。
- 港湾基準における部分係数に対応しています。部分係数は画面上で確認並びに変更することが可能です。
- 詳細確認では、壁体重量及びそのモーメントを算定する際に行った体積計算がそれぞれどの箇所に当たるのかを3Dにより確認することができます。
下図は、ケーソンの中詰土を示したものです。本画面では、[Excel出力]ボタンをクリックすると、Microsoft Excelが起動し、[条件及び区分]にて選択されている名称をシート名としたシートに、現在確認している3D図の画像と体積表がそのシートに貼り付けられます。本機能は、計算書の補足資料などにお役立てください。
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▲詳細確認画面 |
▲Excel出力 |
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