■機能と特長
- 設計流量の算出に対応
- 水通しの設計に対応
- 袖部の設計、袖部の左右異形状に対応
- 越流部及び非越流部の安定計算に対応
- 前庭保護工(水叩き、副堰堤)の設計に対応
- 計画捕捉量の概算
- 計画捕捉流木量及び計画捕捉土砂量の計算
- ローダム及びハイダム(15m以上)に対応
- 計算書作成及び計算結果のファイル出力(Word、テキスト、HTML)が可能
- 堰堤タイプとしては、不透過型、透過型、部分透過型に対応
- カットオフ、段切り(節約断面)
- 止水壁
- 任意荷重
- 検討ケースは、堰堤高と堰堤タイプに応じて、平常時、土石流時、洪水時を使い分けて計算を行う事が可能
- 正面図、側面図、平面図、3Dにより形状イメージを確認する事が可能
■計算機能
水通しの設計
「設計流量の算出」、「設計水深の算出」、「余裕高の算出」、「水通し高さの算出」をすることで、水通し断面を設計します。「設計水深」は、「土砂含有を考慮した流量」と「土石流のピーク流量」の各「設計流量」に対応する水深を算出し、各水深と「最大礫径」の中で最大のものとします。
本体・基礎・袖の設計
「安定計算(越流部)」、「構造計算(非越流部)」を繰返すことで、経済的な形状寸法を決定できます。「安定計算(越流部)」では、本体(基礎)の断面を設定し、「平常時」(堰堤高15m以上のみ)、「土石流時」、「洪水時」における規定の設計外力に対して、規定の安定条件を満たすことを確認します。「土石流時」の設計外力には「土石流流体力」があります。「構造計算(非越流部)」では、袖部の破壊に対する規定を確認するもので、「礫の衝撃力」と「流木の衝撃力」の大きい方に「土石流流体力」を加えた設計外力に対して、袖部の断面が規定の条件を満たすことを確認します。
「土石流流体力」は、土石流流下断面を設定して、「土石流流量」に対応する水深と流速を用いて算出します。
■カットオフ、段切り(節約断面)
カットオフと段切り(節約断面)については、堰堤形状だけみると同一のものと勘違いしそうですが、施工箇所や施工目的、設置幅、安定計算は以下のような相違があります。
項目 |
カットオフ |
段切り(節約断面) |
施工箇所 |
比較的良好な岩盤基礎、および良好な砂礫基礎地盤とする |
渓床勾配が一様に急勾配で良質な基礎岩盤とする |
施工目的 |
基礎地盤のパイピング,および堤体下流の洗掘に対して堰堤本体の安定を図る |
堤体コンクリート,および掘削土量を減じる |
設置幅 |
堤敷長の20% 程度 |
堤敷長の50% 以上 |
安定計算 |
滑動・基礎反力
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転倒・滑動・基礎反力
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■袖部の左右異形状
砂防堰堤の様々な設置箇所を想定すると、左右の袖部が同一となる形状は稀なケースかもしれませんが、袖部の形状を左右で別々に設定し、計算を一括した計算に対応しています。
▲袖部の対応形状
■止水壁
堰堤高が15m以上のハイダムの場合、不透過型や部分透過型を検討する際の安定計算では揚圧力を考慮しますが、止水壁を設ける場合にはその揚圧力の算定方法が異なり、その計算方法に対応しています。
基礎地盤の種類 |
上流端 |
下流端 |
岩盤 |
h2・Wo+μΔh Wo |
h2・Wo |
砂礫盤 |
h1・Wo |
h2・Wo |
任意の点(x)における揚圧力は次式で求める。
Ux=[ h2+ μ×Δh(1- x/L )] Wo |
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▲止水壁がある場合の揚圧力 |
■任意荷重
砂防堰堤の右下を基準にして、砂防堰堤に作用する様々な荷重を別途追加して安定照査を検討する事ができます。
▲任意荷重の設定画面
■図面作成
水叩き部や側壁護岸を含む、堰堤の図面生成および外型枠の数量算出が可能です。
また、CIM推進の一環として、IFC(Industry Foundation Classes)モデルの出力にも対応しています。
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▲図面生成例 |
▲3DモデルIFC変換ツールとの連動 |
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