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■アーチカルバートの特長
アーチカルバートは、上部がアーチ状となっているため、上部の荷重は軸方向圧縮力として伝達され、上部および側壁に生じる曲げモーメントはボックス形状と比べ大幅に低減され、安定した形状となります。
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■モーメント図比較 |
■機能概要
項目 |
内容 |
形式 |
1連で標準形/インバート形 |
基礎形式 |
直接基礎(地盤反力度/バネ基礎) |
死荷重 |
鉛直土圧、水平土圧、路面荷重、水圧、揚圧力、内水圧、任意死荷重 ※最大5ケース |
荷重 |
活定型1活荷重、定型2活荷重(側圧)、任意活荷重、分布荷重(土被り≧制限土被り)※最大7ケース |
断面方向 |
曲げ応力度、最小鉄筋量、最大鉄筋量、せん断応力度、安定計算 |
縦方向 |
曲げ応力度 |
■荷重作用位置
アーチ部に作用する荷重の載荷は、下図のように鉛直荷重はアーチ天端、水平荷重はカルバート最外縁面に作用するものとしてモデル化しています。
■荷重作用位置
■計算機能
1連アーチカルバートの断面方向(1ブロック)、縦方向(最大5ブロック)の計算を行います。
- 基礎形式は直接基礎とし、地盤反力度と分布バネから選択可能です。
- 外水位と内水位を最大5ケースまで考慮することができます。
- 盛土は単一層、複数層に対応しています。
- 活荷重はT荷重(単軸、2軸)およびTT-430荷重の自動載荷(定型活荷重)の他、荷重強度、作用位置、設置幅、分布角度を任意に設定できる任意活荷重を用意しています。
- 任意死荷重により、内空荷重などを自由に設定できます。
- 断面力の計算は、微小変形理論に基づく変位法を用いて計算をします。計算を行うためのデータは全てプログラム内部で自動的に生成されます。
- 基礎形式が地盤反力度の場合に、すべての荷重を載荷したときの地盤反力度を求め、これが許容値以内にあるかを照査することができます。
- 断面方向について「下水道施設の耐震対策指針と解説 2014年版 (社)日本下水道協会」, 「下水道施設耐震計算例−管路施設編−前編 2015年版 (社)日本下水道協会」を参考としたレベル1地震時、レベル2地震時の耐震設計が可能です。
■計算内容(断面方向)
断面力算出
微小変形理論(力のつり合いを考える上では変形の影響は無視でき、力は変形前の形状に対して釣り合っていると考える。)に基づいた変位法による平面骨組みの構造解析により断面力を算出します。
■FRAME モデル(断面方向)
照査位置
曲げおよびせん断の照査は、下図の位置で行います。
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■曲げ照査位置 |
■せん断照査位置 |
曲げ応力度
曲げモーメントと軸力が同時に作用する鉄筋コンクリート断面として応力度を算出し、これが許容応力度以下であることを照査します。
最小鉄筋量
「道路橋示方書・同解説 IV 下部構造編(H14.3) (社) 日本道路協会」に準じて、下記(1),(3),(4)あるいは(2),(3),(4)を満足していることを照査します。
(1) Mu ≧ Mc、
(2) 1.7M ≦ Mc
(3) As ≧ 5(cm2/m)
(4) As' ≧ 0.008A1'
最大鉄筋量
「道路土工カルバート工指針( 平成21年度版) (社)日本道路協会」に準じ、鉄筋の降伏よりもコンクリートの破壊が先行するようなぜい性的破壊を生じないよう、引張側使用鉄筋量が釣合鉄筋量以下であることを照査します。
せん断応力度
コンクリートのせん断応力度は平均せん断応力度として算出し、許容せん断応力度以下であることを照査します。コンクリートのみでせん断力を負担する場合の許容せん断応力度は、(1)〜(3)の補正係数を考慮して算出します。
(1)部材断面の有効高に関する補正係数Ce
(2)軸方向引張鉄筋比に関する補正係数Cpt
(3)軸方向圧縮力による補正係数CN
安定計算
基礎形式が地盤反力度の場合、すべての荷重を載荷したときの地盤反力度を求め、許容値以内にあるかを照査します。
■計算内容(縦方向)
断面力算出
カルバート本体を部材直角方向(鉛直方向)に分布バネを有する一本棒状の部材とし、ブロック左端を鉛直ローラー支点、ブロック継目(目地)はピン結合としてフレームモデル化し、骨組み解析により断面力を算出します。
■FRAMEモデル(縦方向)
曲げ応力度
曲げモーメントが作用する(軸力=0)鉄筋コンクリート断面として応力度を算出し、これが許容応力度以下であることを照査します。 |