「建築デザインを図面からのみでは分からないお客さんに形として見せるため、CGを自分で表現したかった」という佐藤さん。CGソフトの中でも特に「(描かれた)静止画がすごくきれい」だからと、独立早々にShadeを採用。建築デザイン業務の合間を縫い、Shade習得のため関連書籍を参考に海外の優れたサンプルや自ら撮影した室内写真を正確に再現すべく、連日数時間かけて練習。実際にCG制作を始めてみると、Shade操作の覚えやすさに加え、使い込むほどにそのリアルな表現力を実感したといいます。
自らのスキル向上と合わせ、建築CGパースの制作依頼が年々増加。そこで2004年、Shadeを核にハードも含め本格的なCGパースの受注体制を整えるとともに、Webサイトを設置。そこに自身の力量をアピールできるよう100%の力を注ぎ込んで制作してきたPR用の各種CG作品を展示。これを契機に同サイトを通じ、次第に全国の様々な企業からCG制作の依頼が入るようになり、その対象分野も建築パースからインテリア、各種製品およびそのパッケージ、ゲームソフトの背景など多岐に渡ってきました。
佐藤さんが建築CGパースの制作を手掛け始めた頃、同業者は美術系の出身者が主流で、絵のタッチも手描きの延長のような傾向が多かったと振り返ります。それに対し、建築出身の氏は、光源から来る照明の効果をはじめ、建築デザインを図面に則って正確な表現に努めるなど、建築家の視点に立つアプローチを重視。その半面、用途に応じてはリアリティを抑制し、敢えて鮮やかに表現したり、絵画風なテイストを加えたりといったアレンジにも柔軟に対応。その上で「自然な感じ」の表現への一貫した思いにも触れます。
当初、CGパースは外観がメインだった中で、同氏はShadeを使うと内観を優れてきれいに仕上げられることに着目。次第に後者の比重が増してきました。元々内観CGパースを扱う業者は多くなかったのに加え、Shade導入以来、多様なマテリアルや光源、色合いなどの設定を作り溜めてきており、それらのノウハウを流用することで作業の効率化を実現。その仕上がり品質やコストパフォーマンスの良さ、ニーズに適した対応が可能なことなどから高い顧客リピート率を誇ります。
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