ピルビスワーク実践講座
連載 第9回
動けるからだを造るピルビスワーク
「ピルビスワークで骨のアンチエイジング」
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立花みどり
老化のスピードをゆるやかにするために「骨を強くする」ピルビスストレッチを生活習慣にすると、脳や神経の働きが活発になり、気持ちまで若返ります。
高齢化社会では健康で長生きするために、「足腰が強くなる!」や、「いつまでも歩ける体作り!」のためのサプリのCMが多い事に気づきます。
そこには、加齢による膝腰の痛みで歩けなくなる事が引き金になって起こる重篤な疾患や、生活様式の低下に対する人々の不安が象徴されています。
骨は体を支え、心臓や脳などの重要な内臓を守り、血液や骨を造る大切な働きを担っています。
骨は20歳頃まで成長を続け、その後は長さも太さも変わらず、古くなった骨は溶かされ、新しい骨が再生されるという骨代謝が一生繰り返される仕組みを持っています。
古くなった骨は「破骨細胞」により溶かされて「骨吸収」が起こり、同時に「骨芽細胞」により新たな骨細胞を作り出される「骨代謝」も骨の重要な働きです。
骨代謝の骨吸収と骨形成のバランスが崩れると、骨の異常が生じ、「骨吸収」が「骨形成」を上回ると骨量が減少してもろくなり、折れやすくなるのです。
この骨代謝には様々なホルモンが影響するので、加齢によるホルモンの低下は骨粗鬆症に影響しますが、若い世代でも座ったままの仕事を持つ人や、体を動かす時間が少ない人は、重力に寄る負荷(重さ)が骨や筋肉にかかる頻度が少なく、若年から老化が始まっている可能性もあります。
人類は、重力の中で頭を真上に維持して活動し、脳力を最大に活かせるように創られているので、体を移動する時や何かを持ち上げたり下ろす時に、足腰に掛かる重さが私たちの骨を強くする役割を担っているのです。
骨に重さと振動を与えて衝撃を与えるためにも運動は欠かせません。骨は垂直方向からの負荷をかけたり、圧迫や振動の刺激を受けると強くなり、逆に負荷をかけないと弱くなるという性質があるからです。
1日30分ぐらいの散歩や5分の軽い縄跳びなど、あるいは貧乏ゆすりや体を縦に揺らすだけでも骨代謝に必要な十分な負荷がかかります。
ウォーキングで足が着地する時には適度な衝撃が頭部に伝わり、脳機能の維持・調整につながるという。 「体や骨に衝撃が加わる運動を習慣として続けることが大切です」と、研究者も発表しています。
かかと落としが骨密度を上げるのに効果的なのは巷に広がっている健康法です。「かかと落とし」は、骨密度を高める最も簡単かつ効果的な運動です。 やり方は簡単で、姿勢を整えてから、かかとを上げてつま先立ちになり、力を抜いてかかとからストンと地面に降ります。このとき、体重によってかかとにほどよい刺激が加わることが重要ですが、同時に足裏からふくらはぎの筋肉が良く収縮して、末梢に流れた血液や体液が心臓に戻りやすくなる事も健康力にプラスになります。
詳しくは上記YouTube動画で紹介していますのでぜひご覧ください。
骨を強くするには、運動の習慣と共にカルシウムとビタミンDの摂取が必要です。 また日中の日差しを浴びると、カルシウムの吸収率を高めるビタミンDが皮膚でつくられ骨を丈夫にします。 骨は強度を保つために、性ホルモンの働きによって骨代謝を繰り返しますが、性ホルモンが減少する50歳前後、特に女性は閉経後、急激に骨量が低下します。
運動や振動で骨が刺激されると、骨を作る細胞が新しくできるだけでなく、「オステオカルシン」というホルモンの分泌も促されます。
ランニングなどの強度の高い運動には、骨にカルシウムを沈着させる効果があるため、骨粗鬆症の予防には特に有効です。 私たちが身体の筋肉を収縮させて力を発揮する時、骨にはわずかながら「たわみ」が生じます。 たわむとそこに圧力が加わり、その圧力によって電気が生じます。このピエゾ電流と呼ばれる電気がカルシウムを引き寄せ、骨に沈着させる働きをします。さらに微量の電子(エネルギー)が発生するので、エネルギーの高い、若々しい姿勢や体の動きを維持する効果が期待できます。
毎週水曜日の17時から開催されている「ピルビスワークストレッチ」は、床や椅子を使用したままで、歩く事なく、全身の骨と関節に隈無く圧迫刺激が伝えられる骨のアンチエイジングエクササイズです。
楽しいエクササイズのバリエーションが多いピルビスワークを皆さまもぜひ体験してください!
骨を強くして、生涯歩ける強い体を目指しましょう!
(Up&Coming '23 秋の号掲載)
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