「強く、気高く、美しく!「女性が活躍する映画」8選!」

「#Me Too」運動が広まり、女性の性差別撤廃や地位向上が世界中に浸透した現代ですが、この運動は映画業界から端を発したことをご存知でしょうか?

2017年、アカデミー賞の請負人とも称されたハーヴェイ・ワインスタインの女性暴行が発覚し逮捕へ。その後女性が主役の映画が急増し、映画は時代を写す鏡となりました。

しかし、MeToo以前から女性の力を信じ、見事な作品に仕上げた先人の映画たちも存在します。今回は「一致団結する女性たち」、「個の力が輝く女性」、のジャンルに分け、「女性が活躍する映画」8選をご紹介します。


一致団結する女性たち

   

『お熱いのがお好き』

※この画像はパブリックドメインです。

たくましい女性楽団に俺たち、もうタジタジ?
「お熱いのがお好き」

仕事がなくなった男の二人組バンドが、女装して全員女性の楽団に潜り込み、苦楽を共にするコメディ映画の名作です。
禁酒法で厳しい世の中に置かれながらも楽しく力強く生きる女性楽団の姿に圧倒されます。また、一般にはあまり知られていないですが、マリリン・モンローのコメディエンヌとしての魅力もたっぷり詰まっています!

「お熱いのがお好き」 1959年製作、アメリカ映画 上映時間:121分
監督:ビリー・ワイルダー 出演:マリリン・モンロー、ジャック・レモンほか
見所:CMでも使われるマリリン・モンローの名曲はここから生まれた!
これまでもこれからも、いつだって心は一つ
「サニー 永遠の仲間たち」

42歳の主婦がひょんなことから高校時代の親友にばったり遭遇。当時の仲間を集めて、もう一度あの時の輝きを取り戻そうと一致団結する物語です。

シンディ・ローパーなど80’sの名曲と共に、今も昔も変わらない女性の友情が描かれます。最近会わなくなった、会えなくなった友達に連絡を取りたくなる、愛おしい気持ちなる映画です。日本では既にリメイクが、ハリウッドでもリメイクが決定しています。

「サニー 永遠の仲間たち」 2011年製作、韓国映画 上映時間:124分
監督:カン・ヒョンチョル 出演:シム・ウンギョンほか
見所:今では当然となった80’sの洋楽を用いる演出をいち早く導入し、物語に繋げた点でも興味深い

笑い過ぎにご注意を
「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」

欧米の結婚式では一般的なブライズメイド(花嫁の付添人)たちが、最初は喧々諤々としながらも、一致団結して素晴らしい結婚式をプランニングしていくコメディ映画です。花嫁との信頼関係を競い合い、自分が一番だと争う姿は熱く、そして愉快です笑。また、アメリカの結婚式の大変さを考えさせられる作品でもあります。

監督のポール・フェイグとメリッサ・マッカーシーは今作以外にも「SPY」や「デンジャラス・バディ」、「ゴーストバスターズ(2016)」などでタッグを組んでおり、どの作品もおススメです。

「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」 2011年製作、アメリカ映画 上映時間:125分
監督:ポール・フェイグ 出演:クリステン・ウィグ、メリッサ・マッカーシーほか
見所:日本じゃありえない!?欧米独特の結婚式事情を知る社会派作品の一面も

はみ出し者が、アカペラでユニゾン!
「ピッチ・パーフェクト」

大学の弱小アカペラサークルが一致団結して全米一を目指す物語。最後、完璧に揃った彼女たちの歌声、歌詞のメッセージに大感動間違いなし。個々の歌声も性格もバラバラな女子たちですが、その結束力が歌で見事に表現されています(事前に「ブレックファスト・クラブ」を見ておくと良いです)。アメリカでは社会現象を巻き起こした作品で、続編ではオバマ元大統領がカメオ出演するほどの話題性でした。

「ピッチ・パーフェクト」 2012年製作、アメリカ映画 上映時間:112分
監督:ジェイソン・ムーア 出演:アナ・ケンドリック、レベル・ウィルソンほか
見所:はみ出し者だった女の「個」が「集団」となった時の歌声のパワーをとくと見ろ!

個の力が輝く女性

『泥棒成金』

※この画像はパブリックドメインです。

 
淑女の振る舞いに、主人公も観客も目を奪われる
「泥棒成金」

サスペンスの神様と称されるヒッチコックの監督作、彼の作品の多くは「巻き込まれ型サスペンス」ですが、今回は主人公が美女二人に巻き込まれてしまいます。特にグレース・ケリー演じるアメリカ令嬢は「淑女」と称するに相応しい容姿と佇まいで、主人公は男性でありながらも、一番記憶に残るのはグレース・ケリーでしょう。

「泥棒成金」 1955年製作、アメリカ映画 上映時間:106分
監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:グレース・ケリー、ブリジット、オベール
見所:今作の翌年にモナコ公紀となったグレース・ケリー。淑女としての振る舞いに脱帽
日本映画史に燦然と輝く最強の女性
「藤純子引退記念映画 関東緋桜一家」

東映の黄金時代、荒々しい男たちに囲まれながら紅一点として存在感を発揮し続けた女優、藤純子(現:富司純子、寺島しのぶの母)の引退作品です。タイトルに「女優名+引退記念映画」が刻まれていることからも、並々ならぬ藤純子への想いが伝わります。

高倉健、菅原文太など東映を代表する俳優や監督をはじめ、全社を挙げて1人の女優のために作品を撮った、この奇跡を感じてください。藤純子の美しい佇まい、そして強さに惚れてください。

「藤純子引退記念映画 関東緋桜一家」 1972年製作、日本映画 上映時間:103分
監督:マキノ雅弘 出演:藤純子(現:富司純子)、高倉健、鶴田浩二、若山富三郎、菅原文太ほか
見所:数多くの引退映画の中でも、ここまで敬意が込められた引退映画は他にない

こんな弁護士、アリですか!?
「キューティブロンド」

大学卒業後は結婚する気でいた美女の主人公が、彼氏に振られて一念発起。美容専門の大学からなんとハーバードのロースクールへと入学し、弁護士になっていく物語です。男社会の法廷界を女性ならではの視点で切り込みます。主人公の明朗快活な思考と振る舞いによって、若干のご都合主義的な展開も気にすることなく、観客の心を幸せにしてくれます。

ちなみに、主演のリース・ウィザースプーンは、今作で使用された曲「A Thousand Miles」を有言実行するかのように、「わたしに会うまでの1600キロ(2014)」に出演し、1600キロ≒A Thousand Mile を踏破しています。

「キューティブロンド」 2001年製作、アメリカ映画 上映時間:96分
監督:ロバート・ルケティック 出演:リース・ウィザースプーン、セルマ・ブレアほか
見所:美しさと意中の男性だけを信じてきた女性が一念発起する、異色の法廷ドラマ!

ICTを駆使して男性社会を生きる女性建設技術者
「これが私の人生設計」

『これが私の人生設計』

iTunes Store、Amazonプライムビデオ、ほかにて絶賛配信中!
© 2014 italian international fi lm s.r.l

子供の頃から成績優秀で、海外でめざましい活躍をした女性建設技術者が故郷のイタリアに戻った瞬間、内定ゼロ・受注ゼロでまさかのカフェバイト…という衝撃的な転落人生から本作は始まります。イタリアの男性優位社会を皮肉りながら、女性が男性社会に立ち向かう姿を描きます。

主人公の女性の武器は持ち前のポジティブ思考と知識・経験に加えて、CADなどの設計支援ソフトはもちろんのこと、ビデオ会議などのICT技術を駆使するところ。会議の場所で発言を許されない女性がアッと驚く方法でビデオ会議を活用し、会議の主導権を取る場面は痛快&爆笑必至!

女性が主演の映画は多くあるものの、建設技術者(設計者)を主人公に置いた映画も珍しいです。明日の仕事の活力に、是非ご活用いただければ幸いです。

「これが私の人生設計」 2014年製作、イタリア映画 上映時間:103分
監督:リッカルド・ミラーニ 出演:パオラ・コルッテレージほか
見所:CADやビデオ会議をフル活用し、男性社会に立ち向かう女性技術者は見ていて爽快!



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(Up&Coming '21 新年号掲載)
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