慢性便秘の人では、健康な人に比べ腸内細菌の乱れ、明らかに逸脱して腸内細菌の構成が異なった状態(dysbiosis)が報告されています。炎症や感染、食事などの様々な原因でその状態になっていることが考えられています。そのため慢性便秘の治療として、腸内細菌叢の乱れを改善させることが重要だとされています。この目的で、腸内細菌をターゲットとしたプロバイオティクスとプレバイオティクスがあります。プロバイオティクスとは「腸内細菌のバランスを改善することにより、宿主に有益な効果をもたらす生きた微生物」でヨーグルト、乳酸飲料などの食品やサプリメントととして摂取することが可能です。プレバイオティクスは「限られた数の腸内細菌の増殖または活性を選択的に刺激することによって宿主に有益な生理学的な効果をもたらす非消化性物質」で、食物繊維やオリゴ糖など善玉菌のビフィズス菌の増殖促進に働くものです。
食物繊維や乳酸菌、発酵食品を摂りましょう
海藻やキノコ類は1日1回食べる/緑・黄・赤の野菜を毎食入れる/芋類・豆類は1日1品摂るようにしましょう。ただし、便秘と下痢が交互にくる痙攣性便秘の人は、ストレスや自律神経の乱れが原因である可能性が高いので、食物繊維の過剰摂取は、大腸が働きすぎてしまうので避けてください。ヨーグルトなどの乳製品を毎日摂る/納豆、みそ、しょうゆなどの発酵食品を摂る/ぬか漬け、キムチなどの発酵食品を摂るように心がけましょう。水分の摂り方も気にしてください。朝起きた時に一杯の水(飲み物)を飲む /食事中、10時、15時、寝る少し前にコップ1杯の水分をとるようにしましょう。
気を抜いて乱れた生活を送っていると、腸内フローラのバランスは崩れていきます。肉食過多、油脂の取りすぎ、野菜不足、運動不足の生活をしていると悪玉菌が増えます。規則正しい生活、1日3回の食事を心がけ、便秘にならないようこころがけましょう。
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