実際、うつ病になるまでにいろいろな身体症状が出現します。一番多いのは睡眠のパターンが変わってくることです。夜なかなか眠れなかったり(入眠困難)、途中で何度も起きたり(中途覚醒)します。睡眠時間が短くなり、朝早く目を覚まします(早朝覚醒)。また悪夢も見るようになり、朝が起きれない、身体が鉛のように重い感じがします。逆にいつまでも起きれない、ずっと寝ている過眠状態になることもあります。食欲もなくなり。無理して食べている、味を感じない、砂をかんでいる感じがしたりします。過食になることもあります。甘味や炭水化物ばかり食べるようになります。自分がうつ病であると気が付かないで、このような身体症状を訴え、内科を受診する人もすくなくありません。
「コロナうつ」という言葉は新型コロナウイルス感染拡大によるストレス反応としてのうつ状態に対して用いられています。このうつ状態が長期化することで、うつ病という精神障害に発展します。セルフケアで「うつ」を減らす、長引かせないことができれば「コロナうつ」を避けることができるといえます。
「コロナうつ」にならないためのセルフケア
1 携帯電話やテレビから離れる時間を作る
多すぎる情報は脳の興奮につながり、より不安が増します。正しい情報を選択して、一定の時間内で情報を収集しましょう。
2 コロナ以前の生活パターンで過ごす
免疫力を低下させないための抗炎症食や日本食を取り入れた健康的な食事や、適度の運動、良い睡眠を心がけます。規則正しい食事の時間や睡眠時間を決めるのも大切です。
3 コミュニケーションを多く持つ
孤独感、孤立感は心の苦しみとなり、「うつ病」へと陥っていきます。一人暮らしで、テレワーク、毎日ほとんど仕事以外に他人との会話もなく過ごしていませんか。他人との会話の中で、自分の気持ちに気付いて、その気持ちを表現することが少しずつできれば、「こころ」が軽くなっていきます。できる範囲で他の人とのつながりを維持することが大切です。電話やオンラインなどもうまく取り入れて家族や友人と会話するなど、「孤立状態」に陥ることを防いで下さい。
4 仕事のオンとオフを切り替える
仕事と私生活のメリハリがなくならないようにします。また仕事はスケジュールを設定し、優先順位をきめて行うようにしましょう。「仕事モード」から「オフモード」への切り替えの時間を設定してください。できれば働く空間とプライベートは分けておくことが必要です。オフモードには自分の好きなこと、楽しいことを始めてください。
こころの健康維持のセルフチェックを図2にあげています。1週間振り返ってみてチェックするのもよいでしょう。チェックがなるべく多くなるように自分の時間を持つよう心がけ、「コロナうつ」にならないようにしましょう。
- テレワークにおけるセルフケアチェックリスト
毎週末にチェックしてください。
この1週間でできたことにチェック入れてください。
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- 食事を3食、バランスのよい食事を心がけている
- 甘いものや間食はひかえている
- 寝る時間帯はほぼ決まった時間になっている
- 睡眠時間は6時間以上とれている
- 30分ぐらいの散歩はできている
- ストレッチなど自宅で身体を動かしている
- 家族や友人とのコミュニケーションはとれている
- 1日の中で、笑うこと、歌うこと、声を出すことができている
- 趣味など自分の好きな時間を持てている
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チェックの項目が多ければ多いほど健康的に過ごすことができています!
図2 |
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