プログラムの機能と特長
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騒音シミュレーションはプリプロセッサ(入力部)、メインプロセッサ(解析部)、ポストプロセッサ(結果表示部)から構成されています。
●プリプロセッサ
- モデルの配置などの操作に関する作業負担の軽減を配慮し、わずかな操作ステップと容易な解析諸元の設定で複雑な騒音シミュレーションを可能にしました。音源の配置では、任意にモデルを選択し、音源のオン/オフ切替えと音源特性の選択のみで設定が完了します。受音面の配置では個別に配置するモードに加え、複数の受音面を任意の道路に沿わせた形で一括配置するなどの機能を備えています(図2)。また、広域に渡って配置された音源および受音面を検索できる便利な機能も備えています。
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▲図1 音源の設定 |
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▲図2 受音面の一括配置 |
●メインプロセッサ
- 一般的な設定から高度な設定までを網羅した豊富な解析オプションをご用意しました。これにより、さまざまな目的に応じた解析精度での結果を得ることが可能となっています。なお、本メインプロセッサにおける主な解析内容は以下のとおりです。
- 音の放射経路別に回折、反射、透過の数と順序の判別およびそれぞれの減衰
- 音源位置と受音点との直線距離に応じた音圧レベルの減衰
- A特性周波数重みを付与※A特性とは収音装置などで収集したデータを、人間が聞こえるように補正するための係数を指す。
- 受音点別に音圧レベルの周波数合成
- 1つの受音点に複数の経路の音が到達する場合の音圧レベルの合成
- 等価騒音レベル(平成10年環境庁告示第64号)の解析
●ポストプロセッサ
- 豊富な表示オプションにより、さまざまな視点からシミュレーション結果を捉えることが可能となっています。シミュレーション結果の表示において一般的に用いられるコンター図やコンターラインに加え、格子形状または球体形状によって音圧レベルを可視化するなどのユニークな機能も備えています(図3〜6)。
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▲図3 コンタ図表示のイメージ図 |
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▲図4 コンタライン表示のイメージ図 |
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▲図5 格子表示のイメージ図 |
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▲図6 球体表示のイメージ図 |
●特長
- 本機能は以下の特長を持っています。
- UC-win/Roadに配置された地形や建物などを境界条件として利用。
- 音源特性についてきめ細かい設定が可能。例えば、
二路線以上の道路騒音
異種(建設騒音と道路騒音など)音源からの複合騒音
複雑な動きをする音源
音響レベルや周波数が時間的に変化する音源
- 受音点位置は任意平面上で任意間隔で自動生成。
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▲音源位置と伝搬経路の考え方 |
●前処理
- 騒音解析を行う前にUC-win/Road内で音源位置と受音点定義点とのそれぞれに対応するモデルを配置しておきます。
それにより、本機能は以下の処理を行います。
- UC-win/Roadの地形・建物等の表面の位置座標を取得
- UC-win/Roadで指示された音源データから位置座標と音源特性を取得
- UC-win/Roadで指示された任意平面にしたがい、受音点位置座標を生成
●入力(会話型入力)
- ダイアログボックスで以下を入力します。
- パラメータ: 冲、音の放射の経路数など
- 音源位置: 位置座標、特性ID、適用開始時刻、適用終了時刻
- 音源特性: 基本波数、基本波ID
- 基本波: 周波数、初期位相、半振幅
- 受音点: 位置座標、所属平面ID
●入力(UC-win/Roadのデータから取得)
- 以下のデータをUC-win/Roadのデータから自動的に読み取ります。
- 地形の地表面
- 道路土工面および舗装面
- 一般モデル
- ロードモデル
●計算
- 主な計算内容は以下のとおりです。
- 音の放射経路別に回折、反射、透過の数と順序の判別およびそれぞれの減衰
- 音源位置と受音点との直線距離に応じた音圧レベルの減衰
- A特性周波数重み付与
- 受音点別に音圧レベルの周波数合成
- 一受音点に複数の経路の音が到達する場合の音圧レベルの合成
- 等価騒音レベル(平成10年環境庁告示第64号)算出
●出力
- 計算結果として以下を出力します。
- 解析最終時刻での受音点別の音圧レベルと等価騒音レベル(CSV形式ファイル)
- 全時刻での受音点別の音圧レベル(時間−音圧グラフ用)
- 解析最終時刻での任意平面別の音圧レベル(UC-win/Road画面上コンター図用)
●後処理
- 出力データをもとに以下の図表類を表示させることができます。
- 時間−音圧グラフの表示
- UC-win/Road画面上で音圧レベルのコンター図の表示
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▲時間−音圧レベルグラフ |
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