プログラム概要
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日本の地形は急峻で地質も脆弱であることから、頻繁に土砂災害が発生しています。土石流災害の土砂災害に占める割合は少ないものの、犠牲者の占める割合は多く、被害規模が極めて大きいことが伺えます。
土石流災害の防止・軽減策の有効な手段として、ハード対策としては、砂防堰堤の整備が挙げられます。また、ソフト対策としては、危険度が高い区域については、情報伝達や警戒避難体制の整備、地域住民への危険の周知を図るとともに、住宅等の新規立地の抑制、既存住宅の移転など検討も挙げられます。
本製品は、京都大学大学院農学研究科で開発された『土石流シミュレータ(Kanako)』をソルバーとして、弊社にて別途、プリ部およびポスト部を用意し、一連の処理で土石流解析を行うことができる『UC-1 土石流シミュレーション』と、解析用インプットデータの作成および解析結果を可視化するための『UC-win/Road 土石流プラグイン』を統合したシステムです。システムの構成および流れについては、下図のようになります。
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▲土石流シミュレーションシステムの流れ |
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UC-win/Road 土石流シミュレーションプラグイン・オプション Ver.2 改訂内容
<2014年 10月 23日 リリース>
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<関連ページ> 土石流シミュレーションプラグイン Ver.2 (Up&Coming '14 秋の号掲載)
- 河川形状の自動計算に対応
- 土石流に流されるオブジェクトの描画に対応
- 土石流の音の再生機能に対応
- 描画スピードの向上
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UC-1 土石流シミュレーション Ver.1.01.00 改訂内容 <2015年 05月 29日 リリース>
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- 解析結果の印刷に対応
- 2次元領域の格子点数を拡張
- メインウインドウのツリービューを刷新
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UC-win/Road 土石流シミュレーションプラグイン・オプション
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■概要
本プラグインにてUC-win/Roadのモデルから土石流シミュレーション用の1次元および2次元の解析領域(地形)をエクスポートすることが可能です。土石流シミュレーション側ではこの解析領域をインポートし、いくつかの必要な条件を設定することでシミュレーションの実行が可能になります。
更にこのようにして解析した結果を本プラグインでインポートすることにより、土石流の時系列での様子を3DVR空間上で確認することが可能となります。可視化は、土石流による被害の防止、減災対策の検討に有効であることは無論のこと、地域住民に被災状況を理解して頂く上でも強力なツールになると考えられます。
■特長
本製品はUC-win/Roadのプラグインとして動作します。土石流シミュレータ「Kanako」のエンジンを参考に下記の機能を備えております。
河川の自動計算
土石流シミュレータ(Kanako)のモデル作成において土石流が流れ込む河川の入力を行う必要がありますが、UC-win/Roadの地形データから最適な河川形状を自動計算する機能をサポート。これまで行っていたモデル作成がほぼ自動で行えます。
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▲ UC-win/Roadの地形データから河川形状を取得 |
高速描画に対応
高速描画により、雨や車の走行シミュレーションと並行してシミュレーションの実行が可能です。
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▲ 描画の高速化によるシミュレーションの効率化 |
河川形状のキーボード入力
河川形状のキーボード入力が可能です。ペースト機能にも対応しており、資料の情報をペーストすることも可能です。度分秒の入力にも対応しています。
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▲図4 キーボード操作での河川形状の編集が可能 |
音の表現機能の追加
土石流シミュレーションに合わせて音の再生が行えます。形式はwavファイルに対応しております。音を効果的に利用することで、よりリアルなシミュレーションが行えます。
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▲図5 設定画面で選択した音が流れます |
エクスポート機能
UC-win/Roadの地形データを利用し簡単なクリック操作で解析領域の取得が可能です。本来は手作業で行う地形データ入力を自動化し手間と時間を大幅に削減できます。
可視化機能
土石流シミュレータで解析した結果をUC-win/Roadを用いて可視化ができます。土石流の流れや影響範囲を視覚的かつリアルに理解する事が可能となり、強力なプレゼンテーションツールとしてご利用いただけます。
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▲土石流の設定から可視化を行うまでの流れ |
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▲データのエクスポート |
▲データの可視化 |
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▲UC-win/Roadからの解析範囲の取得 |
▲観測点・堰堤の追加 |
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▲描画オプション |
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▲土石流解析結果の可視化(左:コンタも表示、右:土石流の近接表現) |
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UC-1 土石流シミュレーション
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■概要
本製品は、京都大学大学院農学研究科で開発された『土石流シミュレータ(Kanako)』をソルバーとして、弊社にて別途、プリ部およびポスト部を用意し、一連の処理で土石流解析を行うことができるプログラムです。
■特長
土石流の被害予測や砂防堰堤の施設効果を考慮する場合には、土石流の発生・流動域である急勾配地(1次元領域)だけでなく、人家などの保全対象が多く存在して土石流の氾濫・堆積が生じる緩勾配扇状地(2次元領域)での計算が不可欠となります。本シミュレーションのソルバーとして採用する『土石流シミュレータ(Kanako)』は、結合モデルを採用しています。このモデルでは、急勾配領域を1次元モデルで、緩勾配領域を2次元モデルで計算し、領域の境界である谷出口ではそれぞれの領域の計算結果が相互に影響することで、1次元領域から2次元領域までを統合的に計算することが可能となっています。
下図は、『土石流シミュレータ(Kanako)』の解析結果画面ですが、本シミュレーションにおいても解析結果が視覚的に確認できるようなポスト表示を用意しています。
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▲Kanakoによる2次元地形画面(水深表示) |
解析した結果につきましては、以下の項目が視覚的に確認できるようにしています。
- 水面・河床形状
- 流動深
- 堆積厚
- 観測点のハイドログラフ
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▲メイン画面 |
▲1次元領域 |
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▲2次元領域 |
▲流入ハイドログラフ |
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▼流動深の解析結果 |
■適用基準および参考文献
- 和田孝志,里深好文,水山高久:土石流の1次元・2次元シミュレーションモデルの結合,砂防学会誌,Vol.61,No.2,
p.36-40,2008.
- 中谷加奈,里深好文,水山高久:GUIを実装した土石流一次元シミュレータ開発,砂防学会誌,Vol.61,No.2,
p.41-46,2008.
- 中谷加奈,和田孝志,里深好文,水山高久:GUIを実装した汎用土石流シミュレータ開発,第4回土砂災害に関するシンポジウム論文集,p.149-154,2008.
- 里深好文,水山高久:砂防ダムが設置された領域における土石流の流動・堆積に関する数値計算,砂防学会誌,Vol.58,No.1,p.14-19,2005.
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