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  プログラム概要

本製品は、改定された平成29年道路橋示方書に準拠し、部分係数法の設計に対応した製品となります。
鋼管矢板井筒基礎の設計を支援するプログラムで、材料非線形性を考慮した立体骨組解析を行う強力な計算機能を持った製品です。

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  関連情報
新製品紹介
  Ver.2.0.0 改訂内容<2019年 10月 2日リリース>NEW

  1. 永続変動作用の検討ケース数拡張
  2. N値測定点及び地盤柱状図対応
  3. 基礎ばねファイル連携対応
  4. 偶発作用 液状化無視/考慮後ごとの基礎塑性化指定対応

  プログラムの機能と特長

■平成24年道路橋示方書との互換

H29年道路橋示方書においては、荷重の組み合わせや荷重係数・組合せ係数が大きく異なり、H24年道示対応版の製品との互換性は以下のようになります。

  1. 在来工法についてのみ読み込むことができます。連結鋼管矢板工法については、対象外となります。
  2. 頂版等の部材の鉄筋材質については、SD345,SD390,SD 490が対象となります。
  3. 作用の組合せは、常時→D、常時+温度→D+THのように変換されますがレベル2地震時を含む作用力については、組合せている荷重が特定できないためそのままの値を読込みます。読込み後は、荷重係数を考慮した値を再度入力する必要があります。
■平成29年道路橋示方書の対応

平成29年道路橋示方書の対応項目は、次の通りです。

  1. 永続作用/変動作用による作用ケースの入力に対応します。作用ケースでは、常時、地震時の指定から(1)永続(D)〜(11)変動(D+EQ)への指定となります。また、「作用力」及び「レベル2地震時の作用力」の入力については、荷重係数、荷重組合せ係数を考慮した後の作用力を入力します。
  2. 安定の照査において、変位の制限の照査及び限界状態における照査に対応します。また、杭工法における極限支持力度の特性値や最大周面摩擦力度の特性値の変更により押込み力の制限値、引抜き力の制限値が変更になります。
  3. 水平変位の制限値の算出に対応します。水平変位の制限値は、H24年道路橋示方書では、許容水平変位量として5cmを入力していましたが、橋脚として設計した際の水平変位の制限値ddの式が追加されましたので地盤の試験状態から決まる調査・解析係数ξ1を考慮した水平変位の制限値を算出します。
  4. 頂版の照査において、部分係数法による照査に対応します。部材の照査においては、限界状態1,限界状態3における照査を行います。
  5. 鋼管矢板基礎の設計計算のモデルについて、平成24年道路橋示方書から下表の通り大きく変更があります。
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▲立体骨組解析モデル

今回、永続作用/変動作用における照査時の設計計算モデルについては、基礎底面の水平方向せん断地盤抵抗以外は、バイリニアでモデル化した立体骨組み解析を照査に用います。
これは、「3次元鋼管矢板基礎の設計計算」のモデル化方法の詳細モデル(6方向ばね、全バイリニアモデル)の基礎底面の鉛直方向の地盤ばね特性を押込みに対して線形、引抜きに対して抵抗しないモデルとしたものとなります。

平成24年
道路橋示方書・同解説
IV下部構造編
平成29年
道路橋示方書・同解説
IV下部構造編
常時、暴風時及び
レベル1地震時
に対する照査
レベル2
地震時に
対する照査
永続作用
支配状況
及び
変動作用
支配状況
レベル2
地震動を
考慮する
設計状況
B≦30m
かつL/B>1
かつβLe>1
B>30m
又はL/B≦1
又はβLe≦1
設計モデル 弾性床上の
有限長ばり
継手のせん断ずれを
考慮した仮想井筒
ばりによる解析
継手のせん断ずれを
考慮した仮想井筒
ばりによる解析



鋼管矢板 線形 バイリニア型 線形 線形
継手のせん断抵抗 合成効率及び
モーメント分配率
による評価
バイリニア型 バイリニア型





基礎前面の
水平方向
地盤抵抗
ひずみ依存性を
考慮した線形
バイリニア型 バイリニア型
基礎外周面の
水平方向
せん断地盤抵抗
前面地盤の
水平抵抗に含める
バイリニア型 バイリニア型
基礎外周面及び
内周面の鉛直方向
せん断地盤抵抗
鋼管矢板の
支持力に含める
バイリニア型 バイリニア型
基礎底面の
鉛直方向
地盤抵抗
線形 バイリニア型 線形 バイリニア型
基礎底面の
水平方向
せん断地盤抵抗
線形 線形
■制限事項について

平成29年道路橋示方書対応に伴い、「3次元鋼管矢板基礎の設計計算」で指定可能であった連結鋼管矢板工法、コンクリート打設,プレボーリング,旧道示設計モデル(3方向ばね、ひずみ依存性考慮)は、基準にない形式のため適用外としています。また、基準にて明確にされていない、「仮締切りの計算」及び「頂版と矢板の接合部の照査」については、明確になり次第、製品へ反映していきます。

■永続変動作用の検討ケース数拡張
永続変動作用の各方向のケース数を拡張しました。
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▲永続/変動作用の安定計算
■N値測定点及び地盤柱状図対応
地層データ入力画面にN値測定点及び地盤柱状図の機能を追加します。ボーリングデータのN値測定点をそのまま入力する事で、設計に用いる平均N値を算出する事が可能になります。
平均N値は図2(右)のような各層ごとにN値分布の面積を層厚で除して求めています。また、地盤柱状図では設計上の土質データ(砂質土,粘性土,砂れき)以外にも、以下のの組合せで、様々な柱状図を作成する事が出来ます。(図3)

第1分類:礫, 礫質土,砂,砂質土,シルト,粘性土,有機質土,火山灰質粘性土,高有機質土,砂礫,中砂,細砂,粘土,泥岩,固結粘土,固結シルト
第2分類:砂質,シルト質,粘土質,有機質,火山灰質,玉石混り,礫混り,砂混り,シルト混り,粘土混り,有機質土混り,火山灰混り,貝殻混り,凝灰質
第3分類:硬岩,中軟岩,軟岩,風化岩,玉石,浮石(軽石),シラス,スコリア,火山灰,ローム,黒ボク,マサ,表土,埋土,廃棄物,盛土

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▲N値測定点及び平均N値の算出
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▲様々な種類の柱状図

■基礎ばねファイル連携
算出された基礎ばね(Ass,Asr,Ars,Arr)に対して、ファイルを介したXML連動により下部工製品(橋脚、橋台)側に基礎ばねとして取り込む機能に対応しています。

■偶発作用 液状化無視/考慮ごとの基礎塑性化指定
偶発作用(レベル2地震時)において、液状化無視/考慮ごとに基礎の塑性化の取扱いを指定可能です。
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  適用基準及び参考文献

適用基準
  • 『道路橋示方書・同解説 I 共通編』 (平成29年11月) 社団法人日本道路協会
  • 『道路橋示方書・同解説 III コンクリート橋編』 (平成29年11月) 社団法人日本道路協会
  • 『道路橋示方書・同解説 IV 下部構造編』 (平成29年11月) 社団法人日本道路協会
  • 『道路橋示方書・同解説 V 耐震設計編』 (平成29年11月) 社団法人日本道路協会
  • 『鋼管矢板基礎設計施工便覧』 (平成9年12月) 社団法人日本道路協会
参考文献
  • 『道路橋の耐震設計に関する資料』 (平成9年3月) 社団法人日本道路協会
  • 『鋼管矢板基礎-その設計と施工-』 (平成11年10月) 鋼管杭協会
  • 『杭・ケーソン・鋼管矢板および地中連続壁基礎の設計計算例』 (平成12年2月) (株)山海堂、岡原美知夫他
  • 『鋼管矢板基礎の設計と施工 道路橋示方書(平成14年3月版)改訂対応』 (平成14年4月) 鋼管杭協会
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