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  プログラム概要

コンクリートの維持管理支援ツール(ひび割れ調査編)
「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針-2009-」(公益社団法人 日本コンクリート工学会)で提示されている考え方に基づいて、ひび割れ調査結果からのひび割れの原因推定と補修・補強の要否の判定、推定されたひび割れの原因に応じた補修工法の選定を行うものです。

コンクリートの維持管理支援ツール(設計編)
「【2002年制定】コンクリート標準示方書[施工編](以下、施工編)」(社団法人 土木学会)、「【2012年制定】コンクリート標準示方書[設計編](以下、設計編)」(社団法人 土木学会)および「コンクリートライブラリー112 エポキシ樹脂塗装鉄筋を用いる鉄筋コンクリートの設計施工指針[改訂版](土木学会 平成15年11月10日 改訂版・第1刷)(以下エポキシ鉄筋設計施工指針)」に基づいて、コンクリート構造物の耐久性照査とコンクリートの配合設計に必要なコンクリートの性能照査を行うものです。

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コンクリートの維持管理支援ツール(ひび割れ調査編)

  プログラムの機能と特長

ひび割れ原因の推定
ひび割れの調査で得られた下記の項目に関するデータを入力することにより共通原因を検索し、ひび割れの原因を推定します。
  1. 原因のおおよその判別
  2. パターンの分類
  3. 変形の種類による分類
  4. その他の分類(任意)
  • 上記の項目に対する選択理由が入力されている場合には、出力に反映されます。
  • 共通原因が複数検索された場合に、除外する共通原因を選択し、除外理由を書き込むことができます。
    除外理由は出力に反映されます。

ひび割れ(損傷度)の評価
ひび割れが部材(構造物)の要求性能に与える影響の程度を示す客観的な結果として、部材(構造物)の性能へのひび割れの影響度を「大」「中」「小」のいずれかにより表現(評価)することとします。ひび割れの原因の推定結果を踏まえて下記の評価をいずれか行います。

補修・補強の要否判定
構造物に要求される下記の性能のうち、「機能性能」と「耐久性能」に対してひび割れ幅に基づいて補修の要否判定を行います。また、対象部材が構造部材の場合には「構造計算の必要性」の有無を判定します。

▼「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針-2003-」 解説表-4.1
用語 土木分野 建築
分野
意図するところの具体的内容
1. 構造安全性能 安全性能 安全性 終局強度(耐力)、剛性、じん性
(変形性能、耐震性能に関係するもの)
2. 第三者への影響度に関する性能 第三者への影響度に
関する性能
安全性 かぶりコンクリート、タイルのはく落等による
第三者への影響度
3. 機能性能 使用性に関する性能
(ただし美観・景観を含む)
使用性 防水性(漏水性)、気密性など、
美観・景観も含む
4. 耐久性能 耐久性能 耐久性 構造物の性能を使用(併用)期間内に
維持する性能
5. 修復性 修復性 維持管理や性能低下時の修復の容易性

補修工法の選定
評価の結果、補修の目的、ひび割れの状況・状態、鉄筋の腐食の有無により適した補修工法を選定します。また、アルカリ骨材反応、中性化、塩害、凍害、化学的侵食など劣化に起因する場合には要求性能に応じて補修工法を選定します。
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  適用範囲

コンクリート構造物(土木構造物、建築構造物)に適用できます。 「ひび割れ原因の推定」、「補修・補強の要否判定」、「補修工法の選定」はすべて【コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針-2009-」(社団法人 日本コンクリート工学協会)】によっており、これ以外の考え方に基づく「原因の推定」、「要否判定」、「工法の選定」はできません。 また、「安全性能」、「使用性能」に関する照査を行う機能は有していませんので、「補強の要否判定」において「構造計算を行う前提条件」に該当する場合には、別途「安全性能」、「使用性能」に関する照査が必要です。したがって、「補強が不要」の場合を判定することはできますが、「補強が必要」であるとの断言できない場合があります。
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  適用基準及び参考文献

適用基準
  • 「コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針-2009-」(社団法人 日本コンクリート工学協会) 2009年3月
製品準拠指針の使用許諾について
「コンクリートのひび割れ調査、補修、補強指針-2009-」の使用にあたり、著作者である(社)日本コンクリート工学協会から使用許諾を得ています。 なお、本指針の内容を二次使用(再使用)することはできません。ただし、本製品の出力等成果を利用することは認められています。
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コンクリートの維持管理支援ツール(設計編)

  プログラムの機能と特長

地理院地図の導入
国土地理院 地理院地図(電子国土Web)の導入により管理対象構造物の一元管理が可能となります。
画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲管理対象構造物の一元管理
地理院地図(電子国土Web)をプラットフォームとして用い、地図上に配置されたマーカーをクリックすることで、対象構造物の画像および管理概要を確認する事が可能となります。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲写真地図表示モード
画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲対象構造物概要の表示イメージ

コンクリート構造物の耐久性照査
「施工編2章 コンクリート構造物の耐久性照査」、「設計編2章 コンクリート構造物の耐久性照査」および「エポキシ鉄筋設計施工指針4章 構造物の耐久性照査」に基づき、以下の構造物の劣化に対する抵抗性および構造物の水密性に関する照査を行います。
  1. 中性化に関する照査[2002年の施工編、2012年の設計編]
    エポキシ樹脂塗装鉄筋を用いるときは、照査を行いません。
  2. 塩化物イオンの侵入に伴う鋼材の腐食に関する照査[2002年の施工編、2012年の設計編][エポキシ鉄筋設計施工指針]
  3. 凍結融解作用に関する照査[2002年の施工編、2012年の設計編]
  4. 化学的侵食に関する照査[2002年の施工編、2012年の設計編]
    [エポキシ鉄筋設計施工指針]に基づいた照査はサポートされません。
  5. アルカリ骨材反応に関する照査[2002年の施工編]
  6. 水密性の照査[2002年の施工編、2012年の設計編]

コンクリートの性能照査
「2002年の施工編6章 コンクリート配合設計 6.4 コンクリートの性能照査」に基づき、以下の照査を行います。
  1. 耐化学的侵食性の照査
  2. 耐アルカリ骨材反応性の照査

照査パターン
特性値の
設定方法
予測値の設定方法 照査項目
中性化 塩害 凍害 化学的
侵食
アルカリ
骨材
水密性
入力 試験結果から算定 ◎※1 ◎※2
W/Cから算定 × × ×
性能照査を満足するW/Cを算出 × × × × × ×
照査を満足する
値を設定
試験結果から算定 × ×
W/Cから算定 × × ×
W/Cそのもので判定する  × × ×
入力 特性値から算定 × × × × ×
W/Cから算定 入力 × × × × ×
入力 -- × × × × ×
1:試験結果で確認すれば良く、本プログラムではサポートしていない。
2:厳密には特性値ではないが、ここでは特性値に準じる扱いとした。

配合設計
「施工編 6.4.2 強度の照査」に基づいて、セメント(結合材)比と圧縮強度の関係式を定義することにより、セメント量、骨材量を算定します。
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  適用範囲

照査の範囲
本プログラムを使用して、ポルトランドセメント、混合セメントを使用したコンクリートの耐久性照査および性能照査ならびにエポキシ樹脂塗装鉄筋を用いる場合の「塩化物イオンの侵入に伴う鋼材腐食に関する照査」を行うことが可能です。ただし、以下の耐久性照査および性能照査は行うことができません。

照査が不可能な耐久性
  • 耐火性
照査が不可能なコンクリートの性能
  • 強度の照査
  • 耐火性の照査
  • 断熱温度上昇特性の照査
  • 乾燥収縮特性の照査
  • 凝結特性の照査

係数等の取り扱い
本プログラムでは「施工編」で規定されている安全係数および提示されている回帰式や推定式の係数は初期値として与えられていますが、これらの安全係数や式の係数を設計者の責任の下に変更できるようにしています。独自の実験等で得られた結果に基づいて係数の値を変更することが可能です。ただし、式形を自由に与えることはできません。
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