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  プログラム概要

建設省河川砂防技術基準(案)同解説−調査編で定義された、レベル1、1a、2、2a、3の平均流速公式、またはクッターによる
平均流速公式を用いて等流の計算を行います。また、限界水位、限界流速、限界勾配の算出も可能です。断面形状は、閉断
面(円形、幌型、馬蹄形など)、開断面(河川断面、任意形状など)ともにサポートしています。
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  プログラムの機能と特長

  • 水位から流量、流量から水位、フルード数、限界水深、限界流速、限界勾配を算出します。
  • 水理特性曲線、流下能力関連のグラフを作成します。
  • 土砂混入率を考慮した等流計算を行います。
  • 余裕高の計算および照査機能(余裕高照査、流速照査、流れの安定性照査、流量比率の照査)が可能です。
  • 等流計算条件の一括入力機能が可能です。
▲等流計算条件一括入力画面 

■基本条件
平均流速公式
平均流速公式を選択します。断面形状に応じて、選択可能な平均流速公式が異なります。

▼断面と平均流速公式の対応
断面形状 レベル1
(マニング式)
クッター式 レベル1a レベル2 レベル2a レベル3
  円 × × × ×
  ボックス × × × ×
  幌形A × × × ×
  幌形B × × × ×
  馬蹄形 × × × ×
  台形
  矩形
  U字溝
  放物線 × × × ×
  L字溝
  河川A
  河川B
  任意形状

U字溝、矩形、ボックス側面の勾配
入力寸法値の追加や入力制限の緩和を行い、以下の断面形状の定義を可能にしました。

▲ 計算対応形状

任意閉断面
この断面は、XY座標を入力して、任意の閉断面を作成します。座標間は直線で結ばれます。自動的に形状を閉じますので、最後に始点と同じ座標を定義する必要はありません。また、形状の内側を自動的に認識しますので、右回り、左回りのどちらの順番でも座標を定義することができます。
CADデータや、CSVデータからインポートするとき、座標が閉じていると判断された場合は任意閉断面としてインポートします。これ以外は任意開断面としてインポートします。
閉断面のため、平均流速公式は、等流用のクッター式と、等流、不等流対応のマニング式(レベル1式)に限定されます。
画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲任意閉断面の簡易結果画面
エネルギー補正係数
フルード数の算出で使用するエネルギー補正係数を指定します。


フルード数算出時の水深
フルード数および限界勾配の算出式において、水深の算出方法を選択します。
  • [流れの面積]÷[水面幅] : 水深h = 流れの面積A/水面幅B として計算します。
  • 井田による合成径深Rc : 水深h = 井田による合成径深Rc として計算します。
建設省河川砂防技術基準(案)同解説 設計編P119の限界水深算出式を参考としたものです。


勾配の表記方法
縦断勾配の値を、分数表記とするか、小数表記とするか選択します。
流下能力の表示では、先頭の測点位置の指定が全測点の断面に有効となります。


水理特性曲線
  • 作成する : チェックを入れた場合、水理特性曲線を作成します。
  • 満流水位(標高)(m) : 満流時の水位を指定します。閉断面の場合は自動設定されるため入力は不要となります。
  • 分割数 : 水理特性曲線の分割数を入力します。
  • 縦断勾配 : 水理特性曲線の縦断勾配を入力します。
重力加速度
重力加速度を入力します。
フルード数算出、レベル3の平均流速公式で使用されます。


収束条件

水位算出 : 流量から水位を求める際の収束条件を指定します。
  • 流量誤差(m3/s):
    仮定した水位における流量と、指定した水位における流量の差が「流量誤差」以下となったとき、収束したと判断します。
  • 最大計算回数:
    収束計算回数が最大計算回数を超えたとき、収束しなかったと判断して計算を中断します。
  • 水位分割数:
    収束計算は水位を細かく分割して、低い側から順次計算します。このときの水位の分割数を指定します。

レベル3公式の平均流速(m/s) : レベル3の平均流速公式の連立方程式を解く収束条件を指定します。
  • 流速誤差(m/s):
    仮定した流速と、連立方程式に代入した結果の流速の誤差が「流速誤差」以下となったとき、収束したと判断します。
  • 最大計算回数:
    収束計算回数が最大計算回数を超えたとき、収束しなかったと判断して計算を中断します。
  • 流速分割数:
    収束計算時の流速の増分を決定します。
    レベル2の平均流速公式で求まる左端区間の流速に対する分割数です。
    解がみつからない場合などは、流速分割数を大きくしてください。
  • 解が複数の場合:
    1つの水位に対する解が複数存在した場合の選択条件を指定します。
    「最大Qを選択」とした場合は、正常終了した解の中から最も流量が大きな解を採用します。


■粗度係数、境界混合係数

粗度係数
粗度係数の入力は、基本条件で選択した平均流速公式により異なります。
平均流速公式が区間ごとの粗度係数を使用する場合は、区間ごとに粗度係数を入力します。
任意形状では、線分ごとに粗度係数を指定することも可能です。これにより区間内(または単断面内)で複数の粗度係数が定義された場合は、その区間(単断面)の粗度係数は合成粗度係数で計算されます。
任意形状の粗度係数を0.0とした線分は、区間の粗度係数が使用されます。

境界混合係数
平均流速公式レベル3で分割断面境界に作用するせん断力τ'jiを求めるために使用する境界混合係数fを指定します。
入力は、区間の右側の境界混合係数となります。例えば区間1の行で入力した境界混合係数は、区間1と区間2の境界の値となります。


■区間

平均流速公式レベル1a、レベル2、レベル2a、レベル3を指定した場合は区間を定義します。

区間は、「区間1の右側X座標」と、区間2〜区間n-1の「範囲幅」を指定することで定義します。(nは区間数)
区間1は、断面左端から「区間1の右側X座標」まで範囲になります。
区間nは区間n-1の右端から断面右端までの範囲になります。

レベル2aは区間幅のみ定義します。(粗度係数はタブ「粗度係数」で入力します。)
レベル1a、レベル2、レベル3は、区間ごとに粗度係数を指定します。


■樹木群
平均流速公式レベル3のとき指定します。
樹木群は区間の全範囲を占め、側面は鉛直面、上面は水平面で定義されます。
ここでは樹木群の高さと、樹木群側面の樹木群境界混合係数fの値を指定します。
この境界混合係数fは、樹木群境界に作用するせん断力τの算出に使用されます。

樹木群は以下の手順で定義します。
  1. 入力タブ「樹木群」の区間リストで、樹木群を持つ区間にチェックを入れます。
  2. 区間リストからチェックの付いた区間の行を選択すると、右側に樹木群に関する設定内容が表示されます。
  3. 「高さY(m)」で、樹木群上面の標高(Y座標)を指定します。
  4. 「境界混合係数」のタブ「左側面」、「右側面」で、境界混合係数fの値と範囲を指定します。

    水没時と非水没時:
    樹木群が水没したとき(樹木群上面が水位未満のとき)と、水没しないときで使用するfの値を変更することができます。

    範囲高:
    樹木群の高さ方向で境界混合係数を変化させることが可能です。範囲高は樹木群上端を原点として下側に向かう高さです。
    最後の行のf値は範囲を指定する必要はありません。(残りの下側全範囲となります。)
    樹木群側面のf値が1つの場合は指定する必要はありません。(側面の全範囲となります。)


■計算条件
断面の下表の計算計算条件を設定します。
条件設定後は「簡易結果表示」ボタンをクリックすることで、結果または計算に関するエラー情報などを参照することが可能です。

詳細結果はメイン画面の「計算確認」ボタンで表示される結果画面のタブ「各断面の結果」に表示されます。

計算の種類 設定内容 簡易結果で表示される値
限界水位/流速/勾配の算出 名称、流量 限界水位、限界流速、限界勾配
水位から流量の算出 名称、勾配、水位指定、水位 流量
流量から水位の算出 名称、勾配、流量 水位

※水位指定機能
「水位から流量の算出」時に「水位指定」により水位を指定することが可能です。
「水位指定」では、水位を「任意指定」、「8割水深」、「9割水深」、「満流」から選択します。
水位を「任意指定」としたときのみ、「水位」の入力が可能となります。
開断面の満流水位は、断面の高さ範囲で水位の定義が可能な最も高い位置となります。
8割水深、9割り水深は、断面下端を0割水深、満流水位を10割水深として算出した水深となります。


■流下能力
流下能力を計算します。指定した水位、勾配から、各測点の流量のを算出します。
各断面で定義した平均流速公式が使用されます。
詳細結果はメイン画面の「計算確認」ボタンで表示される結果画面のタブ「流下能力」に表示されます。


■断面ガイド図
入力中の断面形状や情報を図で表示します。
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  参考文献

  • 建設省河川砂防技術基準(案)同解説 設計編 山海堂 平成19年7月改訂版 建設省河川局監修
  • 農林水産省農村振興局、土地改良事業計画設計基準 設計「水路工」基準書・技術書 平成26年3月
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