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  プログラム概要

「水道施設設計指針2000年版 日本水道協会」に定められている配水施設の水圧に関する規定を照査するために、最も一般的な上水道を対象とした配水システムについて管路網の解析を行います。管路網の解析とは、節点を結ぶ管路の集まりとしてモデル化した管網(管路網)を作成し、管の内径、管路長さ、節点における消費量などを入力条件として、節点ごとの全水頭と管路ごとの流量を算出するもので、本システムでは、管網を地区単位で扱い、同時に複数の地区を対象とした解析を行うことができます。
管路網は、ある特定の管で水がよどむことなく、全ての管路に水が流れるように設計しなければなりません。ちなみに、水道施設設計指針では、配水施設の水圧について、下記の規定を設けています。

  1. 配水管から給水管に分岐する箇所での配水管内の最小動水圧は、150kPa(0.15MPa)以上確保する。
  2. 配水管から給水管に分岐する箇所での配水管内の最大静水圧は、740kPa(0.74MPa)を超えないこと。

また、補修や事故が発生した場合でも供給が途絶えることがないように、ある配水地点に対して、複数の経路を計画する必要があります。

  関連情報
新製品紹介 管網の設計 (Up&Coming '07 盛夏の号掲載)
PDF出力例 サンプルデータ
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  プログラムの機能と特長

■処理の流れ
処理の流れは下図のようになります。
まず初めに、(1)基本条件として、計算精度、動水圧、動水頭などの判定基準値を確認した上で、(2)管種テーブルで管種データ(内径、流速係数)の入力を行います。次に、管網モデル(節点、管路データ)の入力を行なうことになります。



■入力機能
  1. 管網図を作図しない方法(表入力によるデータの作成)と管網図を作図する方法(基図を使用したグラフィカルな操作によるデータの作成)により入力データを作成することが可能です。
  2. 管網図を作図する方法の場合は、図面を作成することができます。
  3. 基図は、TIFFまたはJPEG形式の画像ファイルがインポート可能です。

    ※ サンプルデータに使用している「基図」について
       この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)を複製したものである。
       (承認番号 平19総複、第619号)
 


■計算機能
解析方法は節点水頭法です。本計算法では、管網配管だけでなく樹枝状配管にも対応できます。
流量計算はハーゼン・ウィリアムス式を採用していますので精度の高い解析結果を得ることができます。
計算ケースは、平常時と火災時の2ケースを同時に行います。


■解析規模
1地区あたり最大1流入点(固定節点)999流出点とし、同時に20地区を解析することができます。


■データ作成
  1. 表入力方法:
    表入力方法により、管網計算に必要な最小限のデータで管網の設計計算ができます(この場合は、図面作成は行なえません)。
  2. GUI入力方法:
    GUI(グラフィック形式)入力方法では、まず初めに、基図読込みを行ないます。基図は、TIFFファイルのような画像ファイルで、これをインポートとし画面の背景とします。その背景上でマウス操作により、連続折れ線をプロットすることにより、視覚的に管網図の作成を行なうことができます。このように、作成した管路データは、前述の表入力方法で編集することができます。GUIで作成した管網図はCAD機能で図面作成まで行なうことができます。


■結果確認/図面作成
解析結果は、画面表示、計算書作成で確認することができます。画面表示では、判定基準を超過する箇所については、赤表示したり、超過する箇所のみを抽出して、別途、表示できるようにしています。さらに、管網平面図(CAD出力)の作成、3D描画を用意しております。


■図面機能
図面は、以下の項目について作図有無・タイプ・属性(文字サイズ・色)等を設定することが可能です。
  1. 基本条件[給水人口、1人1日最大給水量、1日最大給水量、大口給水量、時間最大比]
  2. 固定節点情報[HWL、LWL、備考]
  3. 節点No.
  4. 節点情報[地盤高、給水人口、備考]
  5. 管路
  6. 管路情報[管種略称、径、延長]
  7. 流れの方向
  8. 管理表[管路管理表、節点管理表]
  9. 基図画像貼付位置(作図有無のみ指定可)


本製品では、出力後の修正負担を軽減するために重なり回避処理(節点情報・管路情報)と避け処理(管路と管路・管路と節点No.)を行っています。


■重なり回避処理

・節点情報
本処理では、あらかじめ決定した作図位置において他の要素と重なる場合、その周辺で重ならない領域を探して作図します。
領域が見つからない場合、あらかじめ決定しておいた作図位置にそのまま作図します。


・管路情報
本処理では、あらかじめ決定した作図位置において他の要素と重なる場合、「管路を挟んだ逆側」や「文字列の2段化」によって重ならない領域を探し作図します。
領域が見つからない場合、管路に対して上側(管路が鉛直の場合は左側)に2段作図します。



■避け処理

・管路と管路
本処理では、管路と管路が交差している場合、円弧を用いて「またぎ作図」を行います。
「先に登録した管路情報(青)」と「後で登録した管路情報(紫)」が交差する場合、「後で登録した管路情報(紫)」に対して「またぎ作図」を行います。


・管路と管路と節点No.
本処理では、管路と節点No.が交差している場合、節点No.を避けて管路を作図します。
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