Rally1の結果は3つのチームがポディウムをわけ、1位 オジェ&ランデ組(Toyota Gazoo Racing WRT)、2位 ヌービル&ウィダグ組(Hyundai Shell Mobis WRT)3位フルモー&コリア組(M-Sport Ford WRT)となった。
パワーステージが終わってすぐに行われるポディウムで、伊藤社長が、TGR(TOYOTA GAZOO Racing)にマニファクチャラーと、オリバー&エリオット組に、Forum8 WRC2 Most Stage Wins Award のトロフィーを手渡した。
ユヴァスキュラ(Jyväskylä)は、中央フィンランドの湖水地方に位置する。
ラリーフィンランドの特徴は超高速グラベル(未舗装路)とジャンプ。かつて1000湖ラリー(1000 Lake Rally 1951~1996)と呼ばれていたRally Finlandは、今年で73回目の開催を迎えた。毎年数十万人の観客が訪れ、WRCのなかで最も人気がある伝説的なラリーのひとつだ。
スピードが早すぎて危険という理由で、2018年以降コースから外れていた伝説のオウニンポウヤ(Ouninpohja)が7年ぶりに復活。黄色い家のそばで大ジャンプする、名物『イエローハウス・ジャンプ』に注目が集まった。
トップドライバーなら誰もが勝ちたいと願うフィンランドラリー
カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(TGR)は、最終日のSS19(Sahloinen-Moksi)で、50秒近いリードを保ち母国での優勝を目前にながら、クラッシュした。ステージの終盤にある高速の左カーブに入ったときに、不意に現れた岩に衝突し、軌道修正する暇もなくラインから外れリタイア。順位が繰り上がる形でオジェ&ランデ組(TGR)が勝利した。
チャンピオンのタイトルを狙う、ティエリー・ヌービルは、同じステージSS19の序盤でエルフィン・エヴァンスがクラッシュしたことで、タイトルへの望みをつないだ。
ヌービルは「どういう状況なのか、チャンピオンシップにどう影響するのか、何ポイント獲得できるのか、パワーステージに向けてどうするのかを分析しなければならない。常に考え、分析し、目標にする」と語っている。
1日目SS1 Harju、3日目のSS13 Ouninpohja、 最終日
Wolf Power StageのLaajavuoriを観戦
左コーナーからの下り坂。上からクルマが落ちてくるような迫力に、おもわず体がのけぞった。
大きなスクリーンで結果をみながら、次を待つ。
RALLY 1,2車両のフロントガラスにFORUM8ロゴがつき、アーチやコース沿いにもバナーが立った。観戦場所に備えられている、大画面のライブ映像に、ロゴが映ると大興奮。
遮るものがなく、車両と同じ地面の高さから、長い直線が見渡せる。左から右へ目視2秒。一瞬。
フィンランド出身の選手が来ると、ひときわ歓声が大きくなる。冬はスキー、夏はサイクリング、ダウンヒル、ディスクゴルフなどが楽しめるアクティビティスポット。ユヴァスキュラの街から自転車で20分ほどの距離。どおりで、街中からレンタル電動キックボードが消えていた訳だ!
ポディウムのプレゼンターにヘイキ・コバライネン選手が登場
ラリージャパンではWRC2に出場、2023年の全日本ラリー選手権JN-1クラスで2連覇を達成するヘイキ・コバライネン選手は、フィンランド出身の元F1ドライバー。2007年にルノーからF1デビューし、マクラーレンに移籍後、2008年にハンガリーGPで初優勝を果たした。F1引退後、ラリーやGTレースでの成功を収め、モータースポーツ界で多才なキャリアを築いている。母国での人気は絶大で、モータースポーツ選手に対する深い敬意が感じられた。
伊藤社長がコ・ドライバーデビュー???
ドライバーはラリーフィンランドのタイトルスポンサーで、フィンランド最大のカーリース会社Secto AutomotiveのCEOマティアス・ヘンコラ氏。伊藤社長がコ・ドライバーに扮し!SS1のコースを快走。同乗するポルシェには、Yuji Itoのネームステッカーが貼ってありました。これは嬉しい! ぜひラリージャパンにも来てくださいね!
レジェンドと相席
SS1 Harjuでの観戦前に、ホスピタリティのケータリングで軽めの夕食をとりスタートを待つ。あいにくの小雨で観客がテント側に集まったため席がなく、相席をお願いした。ご夫婦は、ヘルシンキから来たということ。ラリーをよく観るらしいことがわかった。ここまでならよくある出会いと思うところだが、少し違った。私たちに見せてくれたスマホの写真は、サービスパークに展示されているボード。ラリー・フィンランドでは、毎年ラリーで功績を挙げた人が数名選ばれ殿堂入りを果たす。どうやらそのひとり、キュオスティ・ハマライネンさんご本人とその奥様のようだ。19回の世界ラリー選手権に出場し、1977年の1000湖ラリーで総合優勝。1973年から1987年の間にフィンランドラリー選手権で13回の優勝を果たしたレジェンド。70年代は常に多くのトップドライバーが選手権に出場し、熾烈な競争があった時代。そこで勝ち続けていた方だった。なんとも贅沢なひと時。それにしても、なぜラリー選手はどこでもだれでも、こんなに朗らかなんだろう。
2024年は、Jean-Claude Andruet(フランス)、Guy Fréquelin(フランス)、Kyösti Hämäläinen(フィンランド)の3名が殿堂入りした。
帰国日の新聞チェック
北欧諸国とフィンランド最大の新聞社『ヘルシンギン・サノマット(HELSINGIN SANOMAT) 』、タブロイド紙の『ILTALEHTI』、『ILTA=SANOMAT』は、いずれもロバンペラの記事が中心。『ILTALEHTI』には、夢を打ち砕いた石を拾った親子の記事が…。
(執筆:エンピツ舎 武井 佳代)
2024.6/27-30
ラリーポーランド
6月27日(木)から30日(日)にポーランド・ミコライキ周辺で行われたWRC世界ラリー選手権 第7戦ラリーポーランドは、19ステージ中、6つのSSで勝利を収めたサミ・パヤリ(フィンランド)/エンニ・マルコネン(フィンランド)が受賞した。また、WRC2クラス優勝を果たし、前戦ラリーイタリア・サルディニアに続いて2連勝となった。ラリーを終えたパヤリは、「とっても嬉しいです。(高速グラベルラリーの)今回は、もちろん簡単ではなく、最初からずっと全開でした。今は勝ててホッとしていますし、感慨深いです」と語っている。成長著しいパヤリは、地元開催となる8月の第9戦ラリーフィンランドにおいてTGR・GRヤリスRally1車両で出場する。
2024.7.18-21
ラリーラトビア
7月18日(木)から21日(日)にラトビア南部の沿岸都市リエパヤ周辺で行われたWRC世界ラリー選手権 第8戦ラリーラトビアは、20ステージ中12のSSで勝利を収めたオリバー・ソルベルグ(スウェーデン)/エリオット・エドモンドソン(英国)が今季3度目の受賞を果たした。また、WRC2クラス優勝した同クルーは、ドライバー/コ・ドライバー選手権ランキングで共に首位につけている。ラリーを終えたソルベルグは、「また勝つことができてファンタスティックな気分です。いくつかタフなラリーを経ていたのですが、またスピードに乗ることができて嬉しいです。クルマは最高でしたし、またこの賞をいただけて光栄です」と語っている。
2024.7.18-21
ラリーフィンランド
8月1日(木)から4日(日)にフィンランド・ユヴァスキュラを中心に行われたWRC世界ラリー選手権 第9戦ラリーフィンランドでは、20ステージ中8のSSで勝利を収めたオリバー・ソルベルグ(スウェーデン)/エリオット・エドモンドソン(英国)が、前戦ラリーラトビアに続き今季4度目のトロフィーを手にした。オリバー・ソルベルグは、ハイジャンプの多い超高速グラベルラリーとして知られるラリーフィンランドでシュコダファビアRS Rally2 を操り、地元出身でTOYOTA GAZOO RACINGのチームプリンシパルであるヤリマティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン組らの猛追を振り切り、WRC2 クラス優勝を果たした。表彰台でフォーラムエイト社長の伊藤からトロフィーを受け取ったソルベルグは、「最高の気分です。これほど多くのファン、これほど多くの観客が集まってくれたのは、本当に素晴らしいことだと思います。また、このアワードを再び獲得できたことも本当にうれしいです。ここまで良いシーズンを送ってきたので、これからもプッシュし続け、タイトルを目指して挑み続けます」と語った。
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(Up&Coming '24 秋の号掲載)
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