クロアチアでは、先にスタートしていたWRC2に続き、WRC1車両のフロントガラス・バナーステッカーがデビュー。

SS18でまさかの逆転劇。
ヌービルとエヴァンスのアクシデント、諦めなかったオジェが優勝

金曜日のオープニングステージから激しい争いを繰り広げていたが、上位2台のティエリー・ヌービルとエルフィン・エヴァンスが最終日のSS18でコースアウトするという劇的な展開で、セバスチャン・オジェがクロアチア・ラリーの勝利を決めた。

オジェにとって記念すべき通算100回目のポディウム。現地を視察中だった社長の伊藤がSS20 Wolf Power Stage後のポディウムで、勝利したマニュファクチャラーTOYOTA GAZOO Racing WRTへのプレゼンターを務めた。

そして事件はここで起きた!ライブ配信をご覧になっていた方もハラハラ。

トロフィーをもって壇上に上がった伊藤が、ラトバラ代表がいないことに気づきキョロキョロする姿が世界に配信された。すでにチャンピオントロフィーを受け取っていたオジェ選手が、いち早く様子を察知し、行き場を失いかけたトロフィーを受け取り、両手で空に向け掲げてくれた。ここでもベテランオジェ選手の、きめ細かいプロアスリート魂を目の当たりにすることになった。

ニコライ選手に、「日本でみんな楽しみに待っているから、シトロエンになっても藤原とうふ店貼ってよ」とお願い。

勝田貴元選手は前半リズムに乗り切れなかったが、最終日のスーパーサンデーで調子を取り戻し、SS17とSS19の2本でトップタイムを叩き出す速さをみせた。競技後、つぎへの手応えをつかんだのだろうか、清々しい笑顔で写真撮影に応じてくれた。

SS14 Stojdraga-Gornja Vasで観戦。山の道なき道を登り、スタートすぐの沿道にある観戦スポットに。大迫力の至近距離。

勝田選手と伊藤社長

テレビ番組に出演 ! BS J SPORTS 3
WRC世界ラリー選手権2024 第4戦 クロアチアレビュー 4月28日(日)19:00~放送

FORUM8 社長の伊藤が2024年4月28日(日)放送の「WRC世界ラリー選手権2024 R4 クロアチア【レビュー】」に出演しました。クロアチアでの会議や観戦を終え、現地の盛り上がりの余韻に浸ったまま、帰国後すぐ収録に臨みました。

FORUM8がタイトルスポンサーとなり、3回目の開催となるFORUM8 RALLY JAPAN 2024を秋に控え、準備が本格化してきています。番組のインタビューで、日本、海外WRCのサポートの目的、期待すること、今年の開催に向けた想いを語りました。

「日本ラウンドの復活以降、初回、2回目と進化を遂げ、益々壮大になってきました。スタジアムでのスーパーSSや企業ブースでは多くの方々に楽しんでいただきました。今年もさらにメタバースなどの自社技術を活用したコンテンツを用意する計画です。」 「また、ラリーだけでなくイタリアのミラノサローネをはじめ海外の展示会に積極的に出展しており、自社開発しているインフラの設計ソフト、VR、メタバース技術サービスを、広く海外に紹介していきたいと考えています。」

番組ナビゲーターの栗田佳織さんと番組出演

ラリーの開催に伴い、ラリー選手による安全運転教室が各地で開かれ、安全への関心度が高まります。モータースポーツを通じ全世界に向け、運転知識、安全意識を高めていくきっかけになってほしい。今年も、安全への対策を怠らず、無事に、昨年以上の盛り上がりに期待しています。

サウジアラビア10年契約ラリー参戦決定!

WRC、中東ラウンドが復活! サウジアラビアと10年間の契約を締結

WRCプロモーターは、2024年第6戦ラリー・イタリア・サルデーニャでサウジアラビアと10年間の契約締結を公式に発表。2025年からサウジアラビアがWRC FIA世界ラリー選手権のカレンダーに加わることが確定した。2011年のヨルダン・ラリー以来、WRCが中東に戻るのは初めてとなる。

この発表に出席した、サウジアラビア自動車・モーターサイクル連盟およびサウジアラビア・モータースポーツ会社の会長であるハリド・ビン・スルタン・アル・アブドラ・アル・ファイサル王子は、WRCをサウジアラビアに迎えることを喜び、「2025年にFIA世界ラリー選手権を初めて開催できることを大変嬉しく思う。世界的なレースシリーズがサウジアラビアにやってくることで、サウジアラビアがこの地域の主要なモータースポーツハブへと変貌を遂げつつあることが証明されている」

「2025年からは、Formula 1、Formula E、エクストリームE、ダカール・ラリー、そしてWRCサウジアラビアを開催する。これは非常に素晴らしい成果。モータースポーツのラインナップを拡大し、WRCのような重要なモータースポーツシリーズを王国で開催することで、すべてのサウジアラビア人の生活を改善することを目指す『Vision 2030』の目標を追い続ける」と述べられた。

サウジアラビアは、ダカール・ラリー、F1、サッカー、ゴルフなど、多くの国際スポーツイベントを開催してきた実績がある。都市景観や、火山岩から砂漠地帯など、多様な地形は、世界中のラリーファンに新鮮で刺激的な体験が約束され、ドライバーやクルーにとっては、これまでにない新たな挑戦が待ち受ける。

*カレンダー入りはFIA世界モータースポーツ評議会の承認を経て確定する


ラリージャパンの予習『満喫日帰りツアー』

5月18日(土)~19日(日)
地方戦、豊田しもやまラリー(愛知県豊田市)

下山は愛知県豊田市の南東部、中心地から車で40分ほど、名古屋や豊橋からも1時間ほどの場所。三河湖や三河地区をうるおす羽布(はぶ)ダムが有名である。土曜日「ラリードライバー勝田範彦選手と巡るWRC三河湖SS:満喫日帰りツアー」に参加した。範彦選手からラリーの基礎知識の講義を受けた後、サービスパークを一周。

この後、バスに乗り込み、実際のWRCのコースを範彦選手がペースノートを読み上げながら移動するという、ラリーファン垂涎のアトラクション⁉︎が始まった。ラリー競技にとってのペースノートは、その精度と準備が勝敗を分けると言っても過言ではないという。我々はバスである。スピードは比べ物にならないほど遅いのだろうけれど、迫力の疑似体験となった。

次は、ラリージャパンでも有名なスポットである熊野神社。少し手前で下車しSSのコースを歩く。橋のふもとにある、人々の穢れを持ち去ってもらう祭事の藁人形の説明と同じテンションで、道の段差、土手に微かに残る、車両が乗り上げた跡の解説をする下山の実行委員ガイドさん。ラリー愛が伝わる。

なにをおいても地元の理解と協力あってのラリーである。打ち解けてきた参加者同士でラリーの話をしながら郷土料理をいただく夕食。偏愛が過ぎるツアーのおかげで、今年のFORUM8 Rally Japanは昨年よりもっと近い感覚で楽しめそうだ。

ラリージャパン思い出の跡

熊野神社前のT字路に向かうストレート

みんなの聖地巡礼

6月7日(金)-9日(日)

全日本ラリー選手権第5戦モントレー(群馬県)

海外のラリー選手も話題にするアニメ「頭文字D」の舞台としても知られている碓氷峠。この旧道を走るSSが新設され、「碓氷最速」を目指す熱戦が繰り広げられた。土木ファンとして一度は訪れたい橋、「碓氷第三アーチ」、通称「めがね橋」。

この橋は、群馬と長野をつなぐ交通の難所を越えるために、技術の粋を集めて建設されたかつての鉄道施設である。橋梁の麓に、一日中、橋を見上げて過ごせるギャラリーステージが設置された。鉄道関係では、珍しい車両に乗り込んで運転手気分も味わえる横川駅そばの「碓氷峠鉄道文化むら」。選手権の会期に合わせてラリーカーが展示されており、訪れた来館者が次々写真を撮っていた。

競技前の碓氷第三アーチとラリージャパン仕様車

碓氷峠鉄道文化むら

グルメでいうと「頭文字D」の中で池谷センパイが真子ちゃんと待ち合わせをした峠の釜飯屋さん。限定パッケージなど心くすぐる演出で染まっていた。看板下の駐車スペースでは、知名度を生かしたイベントも行われる。ちょうど安中市の職員のかたが次回のイベントの下見をされていた。ラリー選手をゲストにお年寄りや子どもたちに交通安全の啓蒙活動を行うという。

子どもの頃に本物を見た衝撃から、将来の夢を抱き目指すという話はたくさんある。子どもたちの未来をつくる一助を担うラリー。試合後、初めて設定されたリエゾンコースなのに、おじいちゃんおばあちゃんが、表に出て手を振ってくれていたと選手のコメントがあった。さらに多くのエリアでラリーの輪が広がりますように。

交通安全イベントも行われる駐車場

拓海くんだ!

2023ラリーポルトガル。ニコライ・グリアジン/コンスタンティン・アレクサンドロフの「藤原とうふ店(自家用)」ステッカーを貼ったマシン。2024シーズンはシュコダからシトロエンに乗換えて参戦中。

フォーラムエイトラリージャパン2024チケットは7月中下旬にコース及びチケットの概要を発表する予定です!

世界に1台!ENA CITY オリジナルラリーカー誕生!
フォーラムエイトのロゴが仲間入り!

6月16日(日) 恵那笠置山モーターパーク(岐阜県恵那市)

『恵那モータースポーツ体験会』

ENA CITY オリジナルラリーカーが『恵那モータースポーツ体験会』で初お披露目された。この車両のドライバーは、全日本ダートラチャンピオン、中部ジムカーナ・TGRラリー・D1グランプリ等、多数のカテゴリーに参戦しているエム・ツー・ファクトリー代表の三枝光博氏。全日本ラリーJN2で活躍中の三枝聖弥選手のお父様でもある。アイススケートのような美しい滑りで華麗に登場。同乗体験に参加する子どもたちも、離れた場所から背伸びをして見守った。

恵那市では小学校でラリー教室が継続的に実施されており、ラリー人気が高い。「お父さんはコドラ」と、助手席を促すセリフによどみがないことでもラリー指数の高さがわかる。この車両は、恵那市各所で開かれるさまざまなイベントでも見ることができる。

ENA CITY オリジナルラリーカーには、
エーナちゃんが隠れています。みつけられるかな~

競技運営マーシャルの一般公募を6月7日から開始

ラリージャパン 2024 実行委員会は11 月 21 日(木) - 24 日(日)に、愛知県(豊田市/岡崎市/新城市/設楽町)、岐阜県(恵那市/中津川市)を舞台に開催される「フォーラムエイト・ラリージャパン 2024」を安全かつ円滑に運営するための、競技運営オフィシャルスタッフであるマーシャルを一般公募すると発表した。

従来、マーシャルは、一般公募を行なっていなかったが、今年度から登録制度を設け、公募することになった。期日内に登録された情報を基に選考し、業務を依頼する方には、競技主催者から連絡を行う予定。
ボランティアスタッフは別途募集予定である。

詳しい登録条件、業務内容
ラリージャパン HP マーシャル登録専用フォーム

ラリーで結ぶ世界

ラリーを介して知り合った「ラリ友」は今日も安全安心な社会の実現に向け、研究、活動を続けています

「いばらき×立命館DAY2024」

2024年5月19日(日)立命館大学いばらきキャンパス(OIC)で開かれた「いばらき×立命館DAY2024」に、2組の「ラリ友」が出展するというので会いに行った。立命館大学(OIC)が、広く研究・教育に触れる機会、地域・社会連携を通じた活動として開催している。1日で23,000人が来場するビックイベント。

仕事をしながら研究と論文の執筆にどっぷりと浸っている山田貴子氏は、「人とモビリティの未来を拓く」をテーマとした共同研究の一環として,「子どもの性被害への対策」に着目、この社会課題の解決に挑んでいる。子どもたちにわかりやすく、楽しく学んでもらうため、課題解決型学習で学部生が製品化に関わった「性被害やっつけたるファミかるたSNS編」を使って「かるた大会」が開かれた。一生懸命かるたとにらめっこし、喜怒哀楽を弾けさせていた子どもたちもお土産を手にしてほっこり。保護者にとっても、危険を具体的に知る機会となった。

白熱のかるた大会

京都トヨタ自動車「GRガレージ京都伏見」といえば、なんといっても目を惹く紅白カーラッピングのランクル。ラリージャパンや、いくつかの全日本ラリー、ラリーチャレンジなどでスイーパーを務めている。スイーパーとは全ての競技車両がSS(スペシャルステージ)を走行した後、最後にコースを確認するために走る通過確認車両のこと。動けなくなった車両の救出や、リタイヤ届けの回収を行う。警察の安全パレードや、交通安全教室、ラリー教室など ”クルマっていいよね” を知ってもらう、考えてもらう活動を続けている。

会場には、2016年に社員自らの手でレストアし、今も自走できる1962年式トヨペットクラウン1900と、16代目FCEV(燃料電池車)クラウンが並んで展示されていた。懐かしさで目を細め、思い出を語る大人も列をつくった。小雨ふる5月は肌寒かったが、京都トヨタ・京都伏見名物”振る舞いかき氷”を震えながら美味しくいただいた。ラリージャパンを1人でも多く知ってもらうためにFORUM8ステッカーを車両にデコ、 また、グッズの配布にも協力していただいている。

手前16代目FCEV(燃料電池車)クラウン、
奥1962年式トヨペットクラウン1900

FORUM8ステッカー

ラリー丹後


2024.3/28-31

サファリラリー・ケニア

3月28日(木)から31日(日)に行われたWRC世界ラリー選手権第3戦サファリ・ラリー・ケニヤは、オリバー・ソルベルグ(スウェーデン)/エリオット・エドモンドソン(イギリス)組が受賞。前回のラリー・スウェーデンに続く、2回目の連続受賞となった。総合ではグリーンスミス/ヨナスに次ぐ2位。ソルベルグは、「ラリーケニアは 1 年で最もクールなラリーのひとつです。最大の冒険のひとつであり、最も難しいラリーのひとつでもあります」と語っている。

2024.4/18-21

クロアチア・ラリー

4月18日(木)から21日(日)に行われたWRC世界ラリー選手権第4戦クロアチア・ラリーは、20ステージ中11箇所で勝利しWRC2クラス優勝を手に入れたニコライ・グリヤジン(ブルガリア)/コンスタンチン・アレクサンドロフ(公認中立選手)に決定した。現地訪問中のフォーラムエイトの伊藤裕二社長が特製トロフィーを授与した。グリヤジンは、「これは私とコンスタンチンが共に達成した大きな成果です。ふたりで力を合わせ、結果を出すことができて本当に素晴らしい気分です。(2位だった)モンテカルロでの悔しさを晴らすことができたし、チームとして今やっとシーズンが始まったという感じです」とコメントしている。

2024.5/9-12

ラリー・ポルトガル

5月9日(木)から12日(日)に行われたWRC世界ラリー選手権第5戦ボーダフォン・ラリー・ド・ポルトガルはサミ・パヤリ(フィンランド)/エンニ・マルコネン(フィンランド)組が獲得。本年シーズンからGRヤリスRALLY2をドライブしWRC2シリーズに挑んでいる。デイ2序盤から熾烈なトップ争いが展開され、9名のドライバーがステージ勝者リストに並ぶ混戦の中、最多6ステージで勝利を獲得したパヤリ組が「FORUM8 WRC2 Most Stage Wins Award」を受賞。惜しくも最終から二つ目のSS21でメカニカルトラブルによりリタイヤを喫した。WRC2の優勝はヤン・ソランズ/ロドリゴ・サンファン組。

2024.5/30-6/2

ラリー・イタリア・サルディニア

5月30日(木)から6月2日(日)に行われたWRC世界ラリー選手権第6戦ラリー・イタリア・サルディニアは、16ステージ中9SSで勝利を収めたヨハン・ロセル(フランス)/ベンジャミン・ブルー(フランス)組が受賞した。2022年からシトロエンC3ラリー2でWRC2シリーズに挑む。今シーズンは開幕戦モンテカルロでクラス優勝、クロアチアで2位、ポルトガルでも3位に入っている。最終順位はサミ・パヤリに続く2位だが、選手権ランキングは単独トップにつけている。

(Up&Coming '24 盛夏号掲載)




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