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 サポートトピックス・Shade3D

仮想現実の質感品質を高める法線マップ

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近年では、メタバースやVR、ARなどが身近に存在し、スマートフォンやタブレッドなどのデバイスで仮想環境を体感する機会が増えてきました。

それら仮想環境で表現されるコンテンツは、3DCGなどのソフトウェアで作成されShade3Dでも多くのユーザーに利用されています。

モデリングするコンテンツは、3DCGなどで互換性の高いポリゴンメッシュで作成されており、頂点や稜線、面など必要最小限の情報量(ローポリゴン)で構築され、ディテールや質感はテクスチャなどのテクスチャで表現されています。特に重要性の高いのが、形状表面の凹凸を表現する方法でShade3Dでもバンプマップ(Bump Map)や法線マップ(Normal Map)が用意されており用途に合わせて設定する必要があります。

今回は、メタバースやVRで利用する法線マップやバンプマッピングの違いを解説します

法線・バンプマップとは

Shade3Dの表面材質で利用する法線マップは、形状表面の法線の向きを変化させることで凹凸を表現するもので、バンプマップは白黒画像で凸凹を表現するマッピング手法です。

バンプマッピングはグレースケールによる「表面の高さの変化」を用いて凹凸を表現することに対して、法線マッピングは、法線方向が記録された3色のRGB(赤、緑、青)画像を用いてモデル表面の法線を変化させ精度の高い表現を行うことができます。

法線マップでは、法線方向が左右軸を赤、上下軸を緑、垂直深度を青で表し、バンプマップでは画像の黒部分を凹ませて表現されます。


図1 左から通常画像、バンプ画像、法線画像

他のソフトウェアと互換性を高めた材質表現

バンプマップは処理のコストの都合から、通常、メタバースなどの用途では使われません。

対して法線マップは、他のソフトウェアとの互換性も高くUVマッピングを組み合わせることでglTFやFBXなどのファイル形式で出力しても効果を維持させることができます。

また、法線マップを利用することで、形状表面に傷や溝などの凹凸を簡単に表現することができ、情報量の多い余分なポリゴンメッシュを削減し余分なデータ量を抑えことができます。

これにより、他のソフトウェアやビューワ等へスムーズなデータの受け渡しを行うことができるのが特徴です。


図2 UV展開と法線マップ

法線マップを簡単に用意する

法線マップは画像編集ソフトで作成するのは難しいですが、バンプマップ(グレースケール)画像を利用することで、Shade3Dで簡単に作成することができます。

表面材質や統合パレットの情報タブに表示された画像を(Windows)右クリック/(macOS)キーボードのControlキーを押しながらクリックし、表示されたメニューより「法線マップに変換」を選択します

「画像編集」ウィンドウより任意の適用率を指定して適用することで、法線マップへと変換することができます。

「法線マップに変換」はバンプマップ画像から変換することが前提となりますが、Shade3Dでは簡単に画像を用意することができ、作成した過去のシーンファイルも気軽にメタバースへ流用することができます。


図3 法線マップに変換メニュー 図4 法線マップ変換変換後

最後に

Shade3Dに関する様々なテクニックや情報を「Shade3Dナレッジベース」にて公開しています。操作や表現に迷ったら、是非ご活用ください。


(Up&Coming '24 盛夏号掲載)

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