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材端ピン結合による不安定エラーを探す方法

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ナビゲーション「節点と要素|フレーム要素|材端条件」でピン結合に設定したモデルを計算すると不安定構造のエラーに遭遇することがあります。

一例として図1のようなモデルを考えます


図1 フレーム要素名(左)と主軸座標系(右)

ピン結合の設置場所は以下のとおりです(図2)。
・壁に垂直な水平部材のj端側yp軸回り(要素1,3)
・壁に平行な水平部材のi端側yp軸回り(要素7,8)


図2 材端条件の設定表
図3 材端ピン結合の可視化

不安定構造の原因は、壁に平行な鉛直部材(要素2)です。その部材が鉛直軸回りにぐるぐると回転してしまうので不安定エラーが生じます。

安定させるためには、要素1または要素3のピン結合を剛結合に変更することが必要です。

従来は、ピン結合の設定を材端条件の表で確認するだけでした(図2)。Ver 11.1.0以降は、図3のように、3次元のモデル図に材端ピン結合の状態が記号で可視化されるので、容易に確認することができます。


表示設定で図3のA部にチェックを入れるとB部でチェックされている成分が可視化されます。具体的には以下のとおりです。
・xp軸回りがピン結合のときはxの背景が青に着色されます。剛結はxの背景が透過されます。
・yp軸回りがピン結合のときはyの背景が緑に着色されます。剛結はyの背景が透過されます。
・zp軸回りがピン結合のときはzの背景が赤に着色されます。剛結はzの背景が透過されます。


図4は鋼逆ローゼ橋の例です。材端ピン結合が多い複雑な構造では可視化による把握が便利になります。


図4 鋼逆ローゼ橋のピン結合箇所

図5の赤枠部分を入力すると、材端ピン結合の図の大きさを調整できます


図5 材端条件の円の大きさ設定

(Up&Coming '24 盛夏号掲載)

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