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建築杭基礎の設計計算 Ver.9

建築基準に準拠した杭基礎・基礎の設計プログラム

電子納品
電子納品

●新規価格176,000円(税抜160,000円)

●リリース2023年2月

建築基礎、地下車庫の設計体験セミナー
日時 : 2023年4月11日(火) 13:30~16:30
会場 : 東京本社・各会場(TV会議)/オンライン
参加費 : 無料

Ver.9改訂内容

「建築杭基礎の設計計算 Ver.9」では、2022年3月 日本建築学会から発刊された「基礎部材の強度と変形性能」(以下、2022変形性能)に記載される、各杭種の限界曲げモーメント、限界せん断力およびM-φ関係の算定に対応しました。以降に、対応内容の概要および「鉄筋コンクリート基礎構造部材の耐震設計指針(案)・同解説」(2017年日本建築学会) (以下、2017基礎部材指針)との相違についてご紹介します。

荷重レベルに応じた低減係数への対応

2022変形性能においては、荷重レベルに応じて以下の低減係数が考慮されます。
レベル1荷重:β=β1
レベル2荷重:β=β1·β2
β1:基礎部材の応力の限界値(公称値)を算定するための限界値算定式や解析による計算値の信頼性に基づく低減係数で、原則として実験値と限界値算定式あるいは解析による計算値との比較から設定する。
β2:基礎部材の変形性能・軸力保持性能に基づく低減係数で、最大荷重に達した後に変形性能および軸力保持性能が期待できる場合には1.0以下の値、最大荷重に達した後に変形性能を喪失する場合には0.75以下の値、最大荷重に達した後に変形性能を喪失する場合には、0.65以下の値とする。低減係数は、曲げモーメントおよびせん断力の限界値およびM-φ関係においても考慮されます。


表1 低減係数


図2 PHC杭N-M図

応力度~ひずみ関係の算定式

場所打ちコンクリート杭、場所打ち鋼管コンクリート杭のコンクリートの応力度~ひずみ関係のe関数法の算定式が2017基礎部材指針より以下の通り変更されています。
(1)2022変形性能
σσB = 6.75{e-0.812(ε/εm) ー e-1.218(ε/εm)} ただし、ε≦εcu
圧縮強度時ひずみ:εm≦ 0.002 
限界圧縮ひずみ:εcu≦ 0.003
(2)2017基礎部材指針
= 6.75{e-0.812(ε/εB) ー e-1.218(ε/εB)} ただし、ε≦εB
限界圧縮ひずみ:εB≦ 0.003


図2 e関数グラフ(2022)

図3 e関数グラフ(2017)

M-φ関係

M-φ関係においては、Mc<My<Muの関係が成り立つ前提のトリリニアモデルとしていましたが、鉄筋の圧縮降伏が先行する場合や軸力のみで鉄筋が圧縮降伏し、コンクリートの圧壊に至る場合などを想定した補正を行い、状態によっては線形、バイリニアとして扱うように変更しています。また、鋼管杭については、トリリニアとしてモデル化します。
下図は、PHC杭の例でそれぞれ下記の状態の場合のM-φ関係を示します。
(a)コンクリートのひび割れの後にPC鋼材の降伏が発生する場合
(b)PC鋼材が引張降伏せずに、コンクリートのまげひび割れと圧壊が発生する場合
(c)コンクリートの圧壊のみが発生する場合


図4 PHC杭M-φ関係

限界値の算定方法について

各杭種の設計限界値の算定方法も一部変更されています。1例として、PRC杭についてご紹介します。2017基礎部材指針において、損傷限界状態の限界曲げモーメントは、PHC杭と同等の算定式を用いています。2022変形性能においては、断面の曲げ解析によって算定する従来の方法が採用されています。

(Up&Coming '23 春の号掲載)

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