Support Topics

サポートトピックス・Shade3D

フォトリアルなライティングを表現


大域照明(パストレーシング、フォトンマッピング)を使用したレンダリングでは、exr/hdrといったダイナミックレンジを持つイメージ(HDRI:High Dynamic Range Image)を「背景」ウィンドウに指定することで、背景自身を光源として反映させ、自然光に近いフォトリアルなライティングを表現することができます。

HDRIとは

PNGやJPEGなどの画像形式はRGBの範囲を0.0~1.0に固定されていて、1.0を超える値を保持することはできません。 これに対して、OpenEXR/HDRはRGBの範囲が0.0~1.0に固定されておらず、1.0を超える値を保持できる画像形式となっています。 RGBの範囲が0.0~1.0に制限されていないことを「ダイナミックレンジ」と呼び、こうした値を保持できる画像形式を「HDRI」(High Dynamic Range Image)と呼びます。HDRIを背景のテクスチャとして使用すると、鏡面反射の映り込みに強いハイライトを発生させることや、背景を光源として扱う「IBL(Image Based Lighting)」で照度の高い光源の効果が得ることなど、より写実性の高い表現ができるようになります。

1. ShadeExplorerの「プリセット」-「背景」から「Park_of_pine_1.shdbgr」をダブルクリックして背景ウィンドウに読み込んでください。

「Park_of_pine_1.shdbgr」は背景ウィンドウの設定ファイルです。イメージにはHDR画像が読み込まれ表示されます。

2.背景として使用するhdr/exrファイル自身は、数値的に明るさの単位も持っていません。そのため、レンダリング時には現実よりも暗すぎる、あるいは明るすぎる場合があり、背景の「光源としての明るさ」を調整する必要があります。統合パレットの背景ウィンドウの「光源としての明るさ」より調整してください。

 

3.必要に応じて、統合パレットの無限遠光源の「明るさ」やスポットライトや点光源などの光源の明るさを調整してください。

4. レンダリングメニューより「レンダリング設定」を選択し、「大域照明」の「パストレーシング」からレンダリングを行ってください。IBL表現は、大域照明を使用しないと反映されません。

「ラジオシティ」「フォトンマッピング」では使用できません。

5. IBLの効果が反映してフォトリアルなライティング表現を行うことができます。背景には360度のパノラマ画像を適用されており、3D空間自体に背景が適用されているため、カメラウィンドウからアングルを変更しても、角度に応じた背景が表示されます。

6. 3D空間自体に背景が反映され、表面材質に設定した反射面への映り込みに強いハイライトを発生させることや、照度の高い光源の効果が得られなど、より写実性の高い演出を行うことができます。反射面などの鏡面を強調したい場合に効果的ですので、是非ご活用ください。

(Up&Coming '20 春の号掲載)