Vol.20
株式会社TEAM IWAKIRI PRODUCTS
URLhttp://teamiwakiriproducts.jp
所在地東京都港区
TEAM IWAKIRI PRODUCTS 傅君瑜さん(デザイナー)、稲生淳子さん(代表取締役)、高野元気さん(設計部)
株式会社TEAM IWAKIRI PRODUCTSは、2014年に一級建築士事務所 TEAM IWAKIRI JAPANのインテリア・家具デザイン部門より独立。イタリア・ローマを拠点とする関連会社とともに、現地の家具・照明・建材・ディスプレイ・オブジェメーカーなどとダイレクトにコンタクトを持つデザイン・制作会社です。企業CIデザイン、オフィス、イベントブース、住宅インテリアなど、顧客の要望に合わせた夢の形やイメージを作り上げることにこだわり、そのためのツールとしてShade3Dを活用しています。
フォーラムエイトの社員寮「TAKANAWAハウス」(東京都港区高輪)、大阪支社ショールームのインテリアデザイン、品川本社オフィスエントランス什器に加えて、2022年より弊社が出展しているミラノサローネ SUPERDESIGN SHOWの出展ブースも、同社がデザイン・製作を行っています。
空間デザイン、プロダクトデザインから家具の調達・コーディネートまで
ミラノサローネのブースデザインでもShade3Dを活用
一級建築士事務所TEAM IWAKIRI JAPANの内装デザインセクションを独立させて立ち上げられたTEAM IWAKIRI PRODUCTSでは、ローマの関連会社TEAM IWAKIRI INTERNATIONALも含めたこれらの三拠点で連携し、意匠中心の設計を広く扱ってきました。
同社では、インテリアのデザインから、プロダクトデザイン、インテリアコーディネート、イベント・ブースデザイン、グラフィックデザイン、また、これらに合わせた家具の調達など、デザインに関わる全般に従事。イタリア・カッペリーニ社およびテクノ社の正規総合代理店としても活動しています。加えて2020年からは内装工事の業務にも対応し、最近では工事だけでなく、空間ザインと併せて家具そのものの制作も日本で行っています。
ショールームやイベントブースのデザインにShade3Dを活用
現在、MASERATI、レクサス、TOYOTAなどの自動車メーカーのショールームをはじめとして、オフィス、レストラン、ショップディスプレイといった数多くの空間デザインを手掛けているTEAM IWAKIRI PRODUCTSは、フォーラムエイトのミラノサローネ SUPERDESIGN SHOW2022出展ブースのデザインに際して、Shade3Dを導入。ミラノサローネの倉庫のように巨大な空間のなかでプライベートな展示空間を見せるという場合、光の雰囲気などをリアルに再現するのは難しいが、そういう時にShade3Dで設定しながら見せることで、現実に近いイメージで確認しながらデザインを進めることができたといいます。
「ブースのデザイン出しなどの場合、イベント会場をダイナミックに見せるためにも、3Dの絵を先行させてお客様に確認してもらうことが多いのですが、一般的なCGソフトではボリュームを立ち上げた後にレンダリングをかけなくてはらないところ、Shade3Dではプレビューであっても実際の光に対してどのようなシェイプが見えるかが同時に確認できるので、非常に重宝しています」(代表取締役 稲生淳子氏)
また、車両メーカーのショールーム、オフィスの応接室、マンション共用部のエントランスホール、住宅インテリアなどのデザインの場面では、パースをメインとして図面と一緒にレポートとして提出するだけでなく、顧客が選んだ什器・家具が実際に設置されたらどのような空間が出来上がるかを具体的に確認してもらうという業務の進め方が多く、Shade3Dで作成したリアリティのある3D空間イメージを活用しているといいます。
「軽いボリュームのモデリングとプレビュー程度でドラフトを作るということが作業工程的に素早くでき、がっつりとしたレンダリングなどはそれと並行して他のスタッフが進めるなど、作業のレベル分けを行ってレポート作成に活用しており、作業効率が大幅にアップしています」。
F8VPSによるメタバース活用も視野に
稲生氏は、日本とイタリアを行き来してのデザイン関連業務を行う中で、今後、Shade3Dで作成した空間をメタバースで活用することを考えているといいます。「現在、イタリアに商品を買い付けに行って、日本で輸入家具やノベルティ小物の販売なども行っているのですが、その逆に、日本の商品をイタリアのボローニャで販売したいと思っています。メタバース空間で、日本のプロダクトや文化を世界中の様々な人が見て、ゲーム感覚で気軽に色々試してみて、親しんでもらうための入り口にする。その次のステップとして、実際にイタリア現地の世界遺産の中で、日本のものが販売できたらいいなと思っています」。
執筆:池野隆
(Up&Coming '24 新年号掲載)