最先端表現技術利用推進協会レポート
Vol.42
第7回羽倉賞受賞記念作品発表
表倉賞は、表技協の創設者であり、3D立体映像、ホログラフィ、VRなどの最先端表現技術の研究、普及に多大な功績を残された故羽倉弘之氏の功績を称え、表現技術の質を高めて広い分野への普及に貢献するために、2017年に表技協により創設されました。分野を問わず最先端の表現技術を活用した作品および取り組みを通して社会に貢献した功績を表彰します。2023年11月10日、FORUM8デザインフェスティバル2023 Day3にて第7回羽倉賞表彰式を実施。応募作品の中から、羽倉賞1作品、フォーラムエイトDKFORUM賞1作品、優秀賞2作品、奨励賞3作品の計7作品が選ばれました。
羽倉賞
「リアルタイム REXR (レクサー)
~本人の細やかな表情も実時間で3Dアバターに高精細に再現~」
情報通信研究機構 (NICT) 先進的リアリティ技術総合研究室 Michal Joachimczak, Juan Liu, 安藤 広志
Webカメラ1台の2D映像だけからAIで本人のフォトリアルな3Dアバターを構築し、細やかな表情・動作もリアルタイムで3D化しアバターに高精細に再現可能なREXR(レクサー)技術を開発し、遠隔の3Dアバターと会話ができるライブデモを実施しました。
推薦:超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム
フォーラムエイトDKFORUM賞
「空海が見つけた見附島Ⅱ」
空海が見つけた見附島実行委員会・金沢工業大学 松林研究室
能登半島最先端の街、珠洲市の地方創生を目的に2020年の第一回に引き続き第二回として開催。テーマは、「アナログとデジタルの融合」とし空海伝説を背景に伝統芸能とプロジェクションアート、並びにドローンショーのシンクロイベントを日本で初めて実施。
推薦:最先端表現技術利用推進協会
優秀賞
「Inkjet 4D Print:CGのモデルを現実世界で「折る」」
東京大学/Nature Architects株式会社/エレファンテック株式会社/宮城大学
本作品は、与えられた3Dメッシュから折紙のパターンを計算し、パターンを印刷したフィルムを加熱することで複雑な立体形状を自動で折るものです。これにより、CGの立体モデルを短時間・省材料・省スペースな2次元の折紙で実体化できるようになりました。
推薦:情報処理学会
優秀賞
「インダイレクトビジョンによる潜在的映像の可視化技術」
千葉大学 久保尋之
応募者はインダイレクトビジョンと名付けた可視化技術の一環として同期式の光学計測システムを構築し、シーンの間接光成分を効率的に観測するシステムを考案し、皮下の血管や果実内部の構造など、直接目に見えない映像を非破壊で可視化することを可能とした。
推薦:情報処理学会
奨励賞
「日本初の裸眼3Dディスプレイ研究開発スタートアップの起業」
株式会社RealImage
高画質で大画面化可能な裸眼3Dディスプレイを開発し,日本初の裸眼3Dディスプレイベンチャーとして起業した。32型裸眼3Dディスプレイ等を商品ラインアップとして揃える一方、大きさや用途などの様々な要望に対応できるような技術供給体制を整えた。
推薦:CG-ARTS協会
奨励賞
「筋電気刺激による身体同期を利用したアンサンブル演奏システム」
理化学研究所 革新知能統合研究センター 音楽情報知能チーム
本取り組みは,音楽的な理解に基づき作編曲された楽曲を筋電気刺激(EMS)に変換し、ステージ上のダンサーやミュージシャンなどの複数のパフォーマーの身体の動きを手指や足に装着したデバイスによって同期・制御し、アンサンブル演奏を達成するものである。
推薦:情報処理学会
奨励賞
「Floagent:見えないセンサーによる空中像インタラクティブシステム」
電気通信大学 小泉研究室
体験者から視認不可能なセンサーにより実現される、空中像キャラクターと触れ合うことのできる仕組みです。センサーを見えなくすることで装置や機械のような無機質な要素を隠消し、魔法のように浮かぶ映像の魅力を強調するデザインを提案しています。
推薦:情報処理学会
(Up&Coming '24 新年号掲載)
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