2018年映画ベスト5

2018年は約150本の新作映画を映画館で鑑賞!是非ともこの記事で最新のトレンドを掴んでください!特別にベスト5を超えた「クイーン枠」もあります!!

5位

「ミッションインポッシブル フォールアウト」

56歳にしてハリウッドの現役「アクション」スターであるトム・クルーズによる人気シリーズ。話題になったヘリの螺旋飛行は、スタントマンではなくトム自身が 2000時間以上のトレーニングを積み操縦。理由は「スタントマンが危ないから」だそう。パリで高層ビルの「屋上と屋上の間」を飛ぶアクション中に骨折し、撮影中断。3年にも及ぶ撮影を粘り強く続け、公開が実現した執念の一作です。主演俳優が骨折するほど過激な撮影は、通常は契約上不可能。しかし、トム自身がプロデューサーのため、何も制約がない状態なのです。もうトムを止める者は誰もいないっ!

4位

「パディントン2」

そんな凄まじいトムを抑え4位になったのは、可愛いクマちゃんが主役の児童文学ベースの映画。南米からイギリスに何故か移住できた、何故か英語を喋れるクマのパディントンが、苦戦しながらイギリスの紳士を目指す冒険活劇です。まるで絵本を開いたようなシンメトリー構図、統一された赤やピンクの美しさも必見。最後はパディントンを通して家族の大切さを教えてくれる、 もっと評価されるべき作品!

3位

「フロリダ・プロジェクト真夏の魔法」

「プロジェクト」は低所得者向けの住宅地域を表す言葉。今作は、プロジェクトにすら住めない母娘の過酷な生活を描いて い ます。母娘が住むモーテルは淡いピンク色で名前は「マジック・キャッスル」、近くにディズニーワールドがあり、空は常に快晴。過酷な生活とは正反対の演出。これは「対位法」と呼ばれる演出法で、キャラの心象風景とはあえて対照的な風景を見せることで、テーマをより強調させる効果があります。悲しい心理情景と淡く明るい風景との対位。普通よりも何倍も感動・衝撃を受ける映画でした。

2位

「ウインド・リバー」

猛暑だった昨年の夏、一本のひんやりした作品が公開されました。ネイティブアメリカンが多く住むアメリカ・ワイオミング州の豪雪地域で起きる一つの事件を起点として、社会問題とエンターテイメントが見事に融合した作品です。しかし、2位にした理由はそれだけではありません。2018年、150本もの新作を見てきた中で、最も心を揺さぶられたからです。そのシーンを見たとき、飲んでいたアルミ缶を握りつぶし、上映後に売店へダッシュ。気付けばパンフレットを買っていました。

1位

「犬ヶ島」

テキサス州出身の監督ウェス・アンダーソンが、日本への愛を込めて作ったストップモーション・アニメです。全てのシーンで左右対称(シンメトリー)な構図。水平移動、鉛直移動しかしない、非常に制約されたカメラワーク。妙な撮り方なのに、あまりの映像の美しさに思考を奪われ、気付けば目には大量の涙が…。この世に完璧な人などいない。誰しも足りないものがあり、制約されています。しかし、その制約を受け入れ追求していくことで、その人しか出せない才能が光り輝く時があります。それが、この映画に凝縮されていました。

「犬ヶ島」
ブルーレイ発売中 ¥1,905+税
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
(C)2019 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.
All Rights Reserved.

クイーン枠:「ボヘミアン・ラプソディ」

クイーンの伝記映画として日本でも話題になった本作。もちろん役者による演技であり、実際のクイーンは映画にいません。映画館で見る以上、実際のクイーンのライブに参加しているわけでもありません。そういう意味では、映画はニセモノの塊で出来ています。

でも、現実に近づけることはできるのです。現実では不可能なことを映画で再現する。仮想であっても現実に近づけるように見せることが、映画の存在意義だと感じることが出来ました。自宅で見ても、意味がありません。映画館で見てこそ、この映画は生きる。クイーンのライブがアライブするのです! 今作で流れるクイーンの曲はヒット曲ばかりですが、今作でフレディの人生を知ると180度曲のイメージが変わります。この価値観の転換こそ、映画が起こせるマジックなのです!

「ボヘミアン・ラプソディ」
2枚組ブルーレイ&DVD 発売中
¥4,700+税
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
(C)2019 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.
All Rights Reserved.

面白い映画の見分け方 (映画賞編)

「久しぶりに映画館に行ったはいいけど、何を見ればいいか分からない。」と悩んだことありませんか? 興行収入の高い映画を見てもハズレ、予告編を見て「間違いない!」と思ってもハズレ…悔しい思いをしたそこのアナタ、諦めないで!面白い映画には必ず法則があります! どんな映画を見ても同一料金。どうせ見るなら面白い映画を!今回は有名な映画賞を紐解きます。「○○賞を獲った!」とよくニュースになりますが、賞の実態を知ることで、何倍も映画が面白くなります。

ハリウッドのお疲れさん会「アカデミー賞」

アカデミー賞は、ロサンゼルスにある映画芸術科学アカデミーが認定した6000人以上のアカデミー会員によって投票されます。「アカデミー」と聞くといかにもお偉い賞のようですが、実はハリウッドの映画関係者ばかりで構成され、仕事仲間の中から賞を決める、身内感の強い「お疲れさん会」なんです。ただ、世界中が注目しているだけです笑。会員のその内訳は俳優が多く、アカデミー賞を獲るにはハリウッドの俳優に好かれる必要があります。

そのため、映画の出来・不出来に関係なく受賞することもあり、メリル・ストリープが何度も受賞する一方、20年経ってようやく苦節の初受賞を果たした俳優もいます。また、アカデミー賞の受賞は原則「英語が主言語である」ことも特徴。わざわざ「外国語映画賞」と区別を付けるのがその証拠でしょう。

これ押さえれば間違いなし!「ゴールデングローブ賞」

アカデミー賞の前哨戦とも言われていますが、審査方法は全く異なります。審査委員はハリウッド外国人映画記者協会に属している90名の記者によって審査されます。アカデミー賞では「映画を作る」専門であるのに対して、本賞は「映画を観る」専門の人が決める賞だと言えます。そのため、一般の観客目線で作品が選ばれる傾向にあります。アカデミー賞と似ているように見えますが、例えば2017年の作品賞ではアカデミー賞が「ムーンライト」、ゴールデングローブ賞が「ラ・ラ・ランド」を選んでいるあたり、いかに性格の違いがあるか、わかるでしょう。普段映画を見ない方にとってはゴールデングローブ賞が一番おススメです!

映画玄人向け? アートを感じる「カンヌ映画祭」

ハリウッドに限らず様々な国の著名な映画関係者が審査員を務め、アカデミー賞と比べて極めてグローバルで多様性のある賞です。ちなみに、2013年ではスピルバーグ監督、日本の河瀨直美監督が審査委員長となっています! 決定される賞については大きく分けて二つあり、「コンペティション」部門と「ある視点」部門となっていて、前者の方にパルムドール(最高賞)や監督・俳優の各賞が贈られます。コンペティション部門の最大の特徴は、「新規性があるか」に審査の比重が置かれている事であり、大爆発!大恋愛!そして勝利! のような「ハリウッド・エンディング」では賞が取れない。「今まで見たことがない映画が観たい!」と渇望する映画玄人向けにはおススメの賞です!

カンヌ映画祭

賞の種類

作品賞(パルムドール、グランプリ、ある視点部門、審査員賞)主演男優・女優、監督、音響、編集…etc.

審査方法

各国からあらゆる作品が集まり、審査委員長主導で作品を決定審査委員(長)は著名な映画人で構成

受賞作品の特徴

映画の「新規性」や「独創性」を重んじて選ばれるが、実際のところ審査委員長の趣向が最も尊重される傾向にある。

アカデミー賞

賞の種類

作品賞主演男優・女優、監督、脚本、編集、美術、撮影、アニメ、外国語、ドキュメンタリー、...etc.

審査方法

アカデミー会員(ハリウッドを中心とした映画関係者)による投票、一般人は投票不可

受賞作品の特徴

基本的に英語で作られた作品のみが選ばれる。投票する会員の特性上、映画・演劇をテーマにした作品が選ばれやすい

ゴールデングローブ賞

賞の種類

作品賞(ミュージカル・コメディ部門、ドラマ部門)主演男優・女優、監督、脚本、編集、美術、撮影 ..etc.

審査方法

ハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)の会員の投票により決定。映画評論家やマスコミが多いため、一般観客目線の作品が選ばれやすい。

受賞作品の特徴

基本的に英語で作られた作品のみが選ばれる。アカデミー賞の前月に決定するため前哨戦とも言われている。

「パラサイト 半地下の家族」:2020 年、カンヌでパルムドール、アカデミーで作品賞、ゴールデングローブで外国語映画賞を獲得した
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※2018年の記事を元に作成しています

(Up&Coming '20 春の号掲載)