long COVID (post-acute COVID-19)とは
新型コロナウイルス感染症は回復後も多彩な症状が長く続くことが知られていました(図1)。
WHO(世界保健機関)は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の症状は新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また他の疾患による症状として説明がつかないものである。通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にみられる。後に、症状が少なくとも2カ月間続き、他の診断では説明できない状態」と定義しています。症状は①全身症状:疲労感・倦怠感,関節痛,筋肉痛 ②呼吸器症状:咳,喀痰,息切れ,胸痛 ③精神・神経症状:記憶障害,集中力低下,不眠・睡眠障害,頭痛,抑うつ,筋力低下 ④その他:嗅覚障害,味覚障害,脱毛,動悸,下痢,腹痛など多彩です。これらの症状は、COVID-19の急性期から回復した後に新たに出現する症状と、急性期から持続する症状があります。症状の程度は変わり、症状が消失しても再度出現することもあります。1733人のCOVID-19症例を調べたこれまでで最大の研究では、76%の人が発症後6か月の時点で少なくとも1つの症状が持続していた報告があります(Lancet, 2021)。図2に症状とその経時的な変化を示しています。診断は他の疾患との鑑別が重要となります。またどの科を受診したらよいのか迷っている患者さんも多いため、厚生労働省のホームページ(新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について|厚生労働省(mhlw.go.jp)で紹介しています。
|
図1 |
|
図2 |
|