• 電波タイムズダイジェスト Vol.28
    2021.07~2021.09

    このコーナーでは電波タイムズ紙で掲載されたニュースより、U&C読者の皆様に関連の深い画像・映像、情報通信、建設土木、自動車など各分野の注目トピックをピックアップしてご紹介いたします。

    ■海保庁/初の測量機「あおばずく」本格始動/航空レーザー精度検証等終え運用へ

    海上保安庁初の海洋調査を主任務とする、航空測量機「愛称:あおばずく」が本格始動する。第二管区海上保安本部仙台航空基地所属の測量機「あおばずく」は、航空レーザー測深機で水深を測る航空機。特に船での調査が難しい浅い海域を広範囲にわたり効率的に測深を行い、航空レーザー測深機による海底地形調査及び精密低潮線調査の任務にあたる。測量船では調査することができない水深が浅い海域でも、安全に効率良く調査することができる。東日本大震災における被害状況の把握にも活用された。航空機とAOVの調査成果を組み合わせることで、従来よりも高精度に低潮線位置が決定でき、新たな低潮高地の発見など、領海やEEZ等の拡大につながることが期待できるとした。海上保安庁では、火山活動によって拡大した西之島の領海及びEEZを画定するために、低潮線及び水深の調査を目的とした航空レーザー測量を実施している。この調査データを解析した結果、平成29年発行の海図記載の低潮線より、沖合に拡大していたため、令和元年発行時点でわが国の領海とEEZを合わせた面積が約50平方km拡大することが判明し、わが国の海洋権益確保に貢献した。当時、既存の航空機に航空レーザー測深機を臨時設置し調査を実施した。 (2021.07.09/5面)



    ■OKI/無線・電池駆動「省電力構造物モニタリングシステム」の長期安定動作を検証

    OKIは、前田建設工業をはじめとする5社が設立した愛知道路コンセッション(愛知県半田市)が運営する愛知県内の有料道路において、無線・電池駆動の「省電力構造物モニタリングシステム」を用いた橋梁支承部の健全性評価の実証実験を2018年8月から2021年1月までの2年半にわたり実施した。その結果、従来の健全性評価で必要だった現地における電源工事や配線工事を行うことなく、遠隔からの橋梁の正常性確認が長期にわたり実施できることを確認したと発表した。OKIは、本実証実験において電池駆動の無線加速度センサー、無線変位計、無線カメラセンサーおよびゼロエナジーゲートウェイ(ZE―GW)を活用した「省電力構造物モニタリングシステム」を橋梁の近くに設置し、桁の固有振動やたわみおよび主桁の伸縮をモニタリングした。ZE―GWは太陽電池と2次電池を組み合せて効率的に充放電する仕組みを備えており、電源工事が不要だ。その他にも、省電力な計測データ収集を実現するため、無線加速度センサー側で計測データを分析処理することで、不要なデータ送信を削減している。また、本実証実験では、主桁の伸縮量の分析を、無線カメラセンサーで撮影した画像からも実施し、無線変位計で分析したデータと比較して、2mm以下の誤差で分析できることを確認した。OKIは本実証実験を活かし、インフラ構造物の老朽化対応が求められるさまざまな現場に省電力なモニタリングシステムを提供していく。(2021.07.14/2面)



    ■日産自動車、ドコモ/オンデマンド配車サービスを実証/自動運転車両を用いて

    日産自動車(横浜市、内田誠社長)とNTTドコモは、横浜みなとみらいおよび中華街エリアにて、自動運転車両(自動運転SAEレベル2相当)を用いたオンデマンド配車サービスの実証実験を9月21日から開始すると発表した。少子高齢化に伴う公共交通のドライバー不足など、地域社会が抱える交通サービスの課題解決に向けて、自動運転サービスの実証実験を共同で実施する。本実証実験は、自動運転車両を用いた交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」とAI(人工知能)を活用したオンデマンド交通システム「AI運行バス」を組み合わせて行う。「Easy Ride」は、誰もがどこからでも好きな場所へ自由に移動できる新しい交通サービスの実現をめざし、2017年度から計2回の実証実験を実施してきた。「AI運行バス」は、ドコモが提供する「高度なAIによる配車制御で、乗りたいときに、乗りたい場所で、誰でも簡単に乗車予約ができる(オンデマンド)サービス」。進化した日産の自動運転車両とドコモの「AI運行バス」を組み合わせることで、将来の完全自動運転による交通サービスをイメージさせる最新技術やサービスを実際にモニターに体験してもらい、その実用性を検証することを目的としている。本実証実験は、「自動運転ロボット利活用サービス」として、神奈川県の「さがみロボット産業特区」における重点プロジェクトにも位置づけられている。(2021. 07.28/2面)



    ■国交省/屋内ナビサービスの利便性を体感/屋内地図や測位技術活用の位置情報

    国土交通省は、「高精度測位社会のプロジェクト」の一環として、屋内地図や屋内測位技術を活用した位置情報サービスへのニーズ等を把握する事業を開始した。ターミナル駅などの大規模な屋内・地下空間での移動を迷うことなく安全で円滑に誘導するサービスを一般の人たちに無料で提供し、サービスのニーズや評価をアンケートで行う事業を7月21日から開始したもので、9月30日まで実施する。同省では「是非この機会に屋内サービスをご利用ください」(政策統括官付)と積極的な利用を呼びかけている。利用できるサービスは、大規模で構造が複雑なため迷いやすいターミナル駅や空港、複数の大規模商業施設が地下歩道でつながる地域などを対象エリアとしており、また、ナビサービスの機能もバリアフリールート検索、多言語対応、店舗やトイレ情報検索、音声対応、AR対応など目的に応じて安全で最適なルート案内機能が搭載されている。利用できるサービスは、JR東日本クロスステーション及びJR東日本コンサルタンツの東京ステーションナビ、日本橋室町エリアマネジメントの日本橋室町地区におけるインクルーシブ・ナビ、テレコムスクエアPinnAR、ジョルダンの新宿えきナビ2021Summer(利用実態調査向けアプリ)、日本空港ビルデングのHANEDA MAP、川崎重工業のiPNT-K MAPの6サービス。(2021. 08.06/4面)


     
    ■協力・記事提供:株式会社電波タイムス社  HP:http://www.dempa-times.co.jp/
    (Up&Coming '21 秋の号掲載)
     

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