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今回は次世代の再生可能エネルギーの実証研究を採り上げたが、“2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標”が掲げられ、風力発電の期待は増すばかりである。この洋上風力発電を物語は、そのまま若者(≒次世代)へのメッセージでもあり、高校生/大学生諸君が、何かワクワク感/高揚感を感じて貰えればこれに勝るものはない。未来はすぐにやってくる。 【資料・画像提供:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)】 |
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土木構造物には曲線構造や曲面構造が多く用いられているが、ここではコンクリート材料の特性を生かした構造物として、4つの事例を紹介したい。同じものは二度と建設されないであろう一品製品は、時代を感じさせないコンテンポラリーな曲線美を体現している。 ☆☆☆ [Photo1] PC5径間連続逆ランガーアーチ橋(徳島自動車道 池田へそっ湖大橋:平成12年(2000年))
☆☆☆ [Photo2] プレキャストPC半球シェル(つくば科学万博 国連平和館:昭和60年(1985年))
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明治45年(1912年)に建設された、JR山陰本線余部鉄橋(あまるべてっきょう 兵庫県香美町)は、当時、東洋随一の鋼トレッスル橋(Steel Trestle Bridge)として多くの人々に利用されていた[Photo1][Photo2]。戦後、地元の要望のもと餘部駅が開設されたが、日本海沿岸の厳しい気象条件を受け、遅延/運休が頻発していた。また、昭和61年(1986年)に列車転落事故が発生し、平成期に入り余部鉄橋対策協議会が発足した。
100年にわたり当地の厳しい風雪に耐えてきた橋梁も「安全輸送の確保」「現実的な維持管理」の観点から、コンクリート橋への架け替えが決定され、2007年から工事が開始し、平成22年(2010年)に現在の新橋が完成した。新余部橋梁は最先端の橋梁技術を駆使し、PCエクストラドーズド橋(PC Extradosed Bridge)として再生したのだ[Photo3]。
餘部駅には旧橋の一部を利用した展望施設“空の駅”や公園施設も併設され、貴重な旧橋の鋼部材の一部が現地に保存/展示されている[Photo4]。当地の新しい鉄道観光施設の誕生である。また、旧余部橋梁(余部鉄橋)は、土木学会選奨土木遺産として登録されていることも付記したい。 さて、旧橋誕生から100年を経て代替わりしたJR山陰本線余部橋梁は、明治/大正/昭和/平成/令和の5代に渡る鉄道橋のクロニクル(年代譜)を体現している。鋼製の旧橋(鋼部材は米国製とのこと)もコンクリート製の新橋も本物を間近で見ることができ、次世代に伝えたい橋梁工学の博物館でもある。 *** 参考サイト |
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北海道上士幌町(かみしほろちょう)のダム湖糠平湖(ぬかびらこ)を横断する全長130mのタウシュベツ川橋梁は、多くの見学客や写真家を魅了する究極のインフラツーリズムスポットである。タウシュベツ川橋梁は旧日本国有鉄道士幌線の一部で、(現地説明板によれば)昭和12年(1937年)に建設され、戦後、昭和30年(1955年)に路線の敷き変えにより廃線になり、そのまま存置されている。 発電に湖水を使用する糠平湖は、電力需要に応じて水位が変動する。年によって異なるが、晩秋に満水となり姿を隠し、冬季に水位を下げ春先にその11連アーチを露にする。毎年見え隠れするため“幻の橋”の異名をとり、四季折々の自然環境に千変万化する姿形は感動的でもある([Photo1]から[Photo5]までの写真をご覧あれ!)。
☆追伸: |
フォーラムエイトはfacebook、Twitter、Instagram等の各種SNSで最新の情報をお届けしています。この度、吉川弘道氏執筆による『土木が好きになる27の物語』の連載がFacebookページでスタートいたしました。ここではfacobookで公開されたエピソードを順次ご紹介していきます。
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(Up&Coming '21 春の号掲載) |
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