雨水流出解析・氾濫解析ソフトウェア
初版リリース:2007.05.01/最新Ver.リリース:2017.10.30
都市化された流域では、上下水道、遊水池などの存在が水の循環をより複雑なものにしています。
近年、都市河川をとりまく環境が急激に進むなかで、従来の『河川砂防技術基準(案)』の記述だけでは必ずしも適切に対処できない点が多くみられるようになってきています。
都市河川では、その流出機構に下水道施設が大きく寄与するため、下水道その他の排水施設や雨水貯留浸透施設の評価が可能なモデルを用いることが原則とされています。
土木学会「水理公式集、平成11年版」や「流出解析モデル利活用マニュアル、2006年3月、(財)下水道新技術推進機構」では、この要件を満たす氾濫解析に使用可能な流出解析モデルとして『xpswmm』が挙げられています。
都市河川においては、洪水氾濫にともなう被害ポテンシャルが高く、降雨状況やの破堤についてシナリオを与えて流出解析から水位計算、氾濫解析によるシミュレーションの需要は高まっています。
xpswmm(Stormwater&Wastewater Managemement Model)は、1969~1971年にアメリカ環境保護庁(U.S.Environment
Protection Agency)の指導・援助により、コンサルタント会社Metcalf and Eddy社、フロリダ大学(University
of Florida)、Water Resource Engineers社(現Camp,Dresser and McKee,Inc.)の3機関によって開発されたコードに起源を持つシステムであり、都市域の水量・水質解析モデルとして、アメリカ・カナダ等を中心に、世界各国で広く利用されている実績豊富なモデルです。
本システムは複数の計算モジュールから構成されますが、大きく、降雨損失モデル、地表面流出解析モデル、管内水理解析モデル、氾濫解析モデル、汚濁負荷解析モデルから構築されます。
特長
機能(流出解析:水文モード)
水文モードでは、流域分割後の各部分流域に対し、浸透域・不浸透域、窪地貯留、蒸発散を考慮した有効降雨に対する表面流出解析を行います。
●降雨解析
一定時間間隔、任意時間間隔等の任意の時系列データの作成、実績降雨の計画降雨への引伸し等のあらゆる降雨波形の設定が可能です。
●降雨損失解析
土地利用毎の初期損失として、窪地貯留、Horton式またはGreen-Ampt式による浸透能での地下への浸透、蒸発散による降雨の損失を考慮し、降雨量から地表面に流出する有効降雨量を算出します。
▲有効降雨の扱い
●表面流出解析:
有効降雨が地表面を流れる経過を算出します。
非線形貯留法では、地表面流の水は広い範囲にわたった薄い層であると仮定し、連続方程式と表面流のManning方程式とから解法します。
機能(水理解析:水理モード)
ループ管等の複雑な管渠解析が可能であり、任意地点における水量、水質を時系列的に解析することができます。水理モードでの単独計算も可能であり、水文モードと連結させて、表面流出解析から求まるハイドログラフを雨水ます、マンホール等から管きょ・排水路への流入量とした連動した解析も可能です。
●水理解析
水理解析では、完全サンブナン方程式に基づくDynamic wave法を標準としますが、KinematicWave法やEPA-SWMM法による解析も可能です。
サンブナン方程式の全項を考慮しているため、Dynamic wave法による一次元不定流解析モデルでは、逆流や背水、ループをなすネットワーク流れ等のあらゆる一次元水理現象を解析可能です。
●開水路水理(河川流、水路解析)
開水路流れの解析に際しては、一次元不定流モデルにより解析します。
●管内水理(下水道管路網)
圧力管状態の解析に際しては、プライスマンスロットにより一次元不定流モデルにより解析します。
汚濁解析:汚濁モード
下記のモデルにより汚濁負荷解析に対応です。
追加モジュール
氾濫解析では、「下水道から溢水」→「溢水した水による地表面氾濫」→「氾濫流の下水道への戻り」といった氾濫発生から終息までの一連の水理現象に関して、地下の管内水理解析と地表面の氾濫解析とで相互の解析情報をやりとりして逐次計算することにより、地下の下水道流れと地表面の氾濫流を連動させて連続的に解析します。
●氾濫解析モジュール:xpswmm GPU & Multidomain オプション
雨水排除施設内水理(自由水面流れ・圧力流れ)の一次元不定流解析と連動した地表面をメッシュ分割して氾濫状態を二次元不定流モデルにより解析します。メッシュ内に分布するマンホール部で管きょと接続することにより、管きょの流下能力以上の雨水がマンホールから溢水し、地表面の勾配にしたがって流下・拡散するとした解析になります。
●リアルタイムコントロールモジュール(RTC)
各種センサーからの水位や流量等の観測データに基づき水門、堰、ポンプ等の操作を動的に制御させたシミュレーションが可能であり、既存施設の活用方法や運用方法の立案、ポンプ施設等の最適運転ルールの提案等が可能です。
●マルチドメインモジュール:xpswmm GPU & Multidomain オプション
氾濫流域に複数の領域(マルチドメイン)を定義し、それぞれの領域に異なるメッシュサイズを定義することが可能です。また、メッシュ範囲を任意に回転することで実際の地形(道路や流線)に合うように調整が可能です。
▲マルチ2Dドメインによるモデリングでの解析結果
プレ機能
使いやすいグラフィカルユーザーインターフェースでマウス、メニューコマンドとツールアイコンを使用しながら、ネットワークを画面上で対話的に作成・変更できます。
●XPテーブル
入出力に関する全ての変数に対して、任意の表形式での入出力ができます。
●CADコネクター
CADファイルの背景図としてのインポートに加え、CADレイヤー毎にxpswmmのモデル属性に自動でコンバートします。
●LandXMLファイルインポート
土木関連、土地測量及び運輸関連等での技術データ交換標準フォーマットLandXMLに対応し、3次元VRソフト(UC-win/Road)や他社CADソフトで作成した下水道管網や地表面TINファイルをインポートできます。
●GISデータのインポート/エクスポート
GISデータ(ESRI Shape・Mapinfo)をモデル属性としてインポートできます。
また、本システムで作成した地形やネットワークをGISデータ(ESRI Shape・Mapinfo)としてエクスポートできます。
▲GISデータのインポート/エクスポート
●12d Modelとのデータ連携
別売の測量システム12Dとデータ互換が可能であり、地形(TINファイル)やネットワークをデータ連携できます。
●シナリオマネージャー
1つのモデルに対して、複数の水文量の設定や異なる排水施設の設置等、複数シナリオに対する同時解析により施設効果を評価できます。
●二次元解析モデリング
1つのモデルに対して、複数の水文量の設定や異なる排水施設の設置等、複数シナリオに対する同時解析により施設効果を評価できます。
ポスト機能
様々なバリエーションのアニメーション表示により自身の解析結果の解釈、第三者への事業内容・事業効果のプレゼンテーション、ハザードマップの作成が行えます。
●アニメーション出力
水理解析では、任意地点における水量を時系列的に縦横断アニメーションや平面アニメーション表示します。
氾濫解析では、最大浸水域、浸水深、浸水時間の動的なアニメーション表示や3次元表示します。
ブリッジリンク機能
ブリッジリンク機能により、ポリゴンや通常と異なる形状のカルバートを含む橋梁部を効率的にモデル化可能。橋梁パラメータおよび流路開口部データを設定し、流出解析に考慮可能。(ブリッジリンクは複数リンクを使用せずに、橋梁部をモデル化。)
避難経路の検討機能
任意の避難経路が浸水するまでの時間を解析できます。これを活用して効果的な救助隊の行動計画や避難設備の配置検討が可能となります。避難経路の設定は、2Dモデル上を折線状にクリックして経路設定を行います。
▲避難経路-レイヤーメニュー
UC-win/Roadとの連携
xpswmmによる氾濫解析結果をUC-win/Roadにより、VRで表現できます。
UC-win/Road for Tsunami
リアルタイム・バーチャルリアリティUC-win/Roadによる津波表現機能。
xpswmm連携による津波生成、ビジュアルオプションによる津波位置、範囲、高さの設定が可能。
xpswmm津波解析例
適用範囲/検討事例
雨水対策では整備水準の向上に伴い、事業規模が大きくなる傾向があり、既存施設の流下能力や貯留能力を適正に評価し、既存施設を有効活用した効率的な施設計画を立案の立案が求められてきています。また、事業の推進に際して、適切な説明責任を果たすことが重要であり、事業内容や事業効果を分かり易く説明する手段が必要となります。
xpswmmでの、時間的・空間的な分布をもつ降雨を与えての土地利用を考慮した分布型モデルによる流出解析機能、または不定流解析による精度の高い施設能力の定量化、更に豊富なアニメーション表示機能等の利便性から、主に、雨水対策事業、下水合流改善業務、浸水対策業務等の幅広い用途で国内外で活用されています。
【流出解析】
任意地点の水位及び雨水流出量を時系列に把握することができるため、流域全体の流出・浸水状況を評価し、現況河道、既設管きょの流下能力問題箇所や浸水原因の特定等の用途に利用頂けます。
河川と下水道を統合的に解析できるため、放流先河川の影響を考慮した浸水対策施設およびポンプ運転の調整方法や、河川と下水道の連携した水害対策の状態および一体的な改善効果の検討にご利用頂けます。
【氾濫解析(内水、外水)】
下水道等の既存排水施設を表現でき、管きょ内と地表面との双方向で一体的に水理解析することが可能であるため、氾濫流が拡散的に伝搬する区域、マンホールからの溢水が伝搬し他のマンホールから管きょに再流入する区域等のシミュレートでき、効果的・効率的な浸水対策の立案、事業効果を解析するツールとしてご利用頂けます。
【浸水予想図、ハザードマップの作成】
平成17年の水防法一部改正により、的確な判断・行動を実現するための防災情報の充実を図るため、浸水想定区域の指定・公表を行う河川が、洪水予報河川だけでなく、水位周知河川にまで拡大されました。それに伴い、浸水想定区域を含む市町村長は、洪水ハザードマップを用いて洪水予報等の伝達方法や非難場所、その他洪水時の円滑かつ迅速な避難確保を図るために、必要な事項について、住民に周知することが義務付けられ、事実上洪水ハザードマップの作成・公表が義務化されました。この改正をあわせ、浸水想定区域及びハザードマップ調査費用の予算補助制度が設けられており(平成21年まで)、それぞれ作成・公表が進められています。今後更に需要が増加するハザードマップの作成に際してご利用頂けます。
【合流式下水道改善】
合流式下水道は水質保全上及び公衆衛生上の問題から、平成16年度の下水道法施行令の改正において10年間で改善することが義務付けられました。合流式下水道の現状把握、改善対策案の立案、改善対策の評価・検証、または河川との連携対策の創案に際する検討に利用できます。
【施設設計】
従来の合理式を用いた設計手法から、効果的な設計手法への転換として、降雨の時間的・空間的分布を再現した浸水シミェレーションを用いることが推奨されつつあります。このようは背景から、排水施設設計、下水道基幹施設等の事業効果のシミュレートによる事前評価や対策前後の効果の定量化にご利用頂けます。また、下水施設のみならず、農業用水路、工業用水路等の排水施設に対しても流下能力の評価に適用できます。
【施設運用計画】
ポンプ場、分水堰、貯留施設等の水理構造物を設定できるため、雨水整備目標の向上に対応した各種浸水対策施設効果を確認できます。更に、複数のポンプや堰、ゲート施設等のリアルタイムコントロール(RTC)による操作設定することによって、施設運用計画の策定、効率的な下水道システム運転手法の効果を定量的に確認できます。
【汚濁負荷解析】
雨水水質の影響過程をシミュレートして、汚濁負荷物を生成点から収集点まで追跡することができ、汚染や沈殿問題に対して適用できます。汚濁負荷流出状況の現況把握や、改善対策後の汚濁負荷量削減効果等の汚濁負荷解析に適用できます。水質問題に関しては、最適管理手法(BMP)を適用できます。
xpswmmパッケージソフトウェアの販売に加え、新サービスとして「xpswmm解析支援サービス」を開始しました。
本解析支援サービスでは、好評頂いている弊社の他の解析支援サービスと同様、ソフト導入時における初期モデルの作成までを基本とし、必要に応じてキャリブレーションまでの技術支援までのサポートも提供致します。
xpswmm Web見積サービス https://www2.forum8.co.jp/xpswmm/
開発元:XP Solutions Pty Ltd URL : http://www.xpsolutions.com/
本社 : オーストラリア、キャンベラ市
支社 : 米国、オレゴン、ポートランド市 (XP Solutions Inc)
社長 : Geoff Thompson
設立 : 1974年
震度法、保有耐力法による計算、部材の設計をサポートし、詳細設計レベルで様々な基礎形式・工法の検討が行えます。地層・作用力データを共有し、3面図表示によるデータ確認、図をまじえた結果表示、[基準値]機能をサポート。各基礎工の設計調書、異種基礎の比較表の出力が可能。杭基礎では、鋼管ソイルセメント杭を含む13種の杭種に対応。各種工法をサポートし、補強設計(増し杭)にも対応。
機能 | Lite | Standard | Advanced | |
---|---|---|---|---|
計算 | 液状化の判定 | ○ | ○ | ○ |
直接基礎 | ○ | ○ | ○ | |
杭基礎 | ○ | ○ | ○ | |
ケーソン基礎 | - | ○ | ○ | |
鋼管矢板基礎 | - | ○ | ○ | |
地中連続壁基礎 | - | ○ | ○ | |
CAD | 杭基礎 | ○ | ○ | ○ |
直接基礎 | - | - | ○ | |
その他 | ESエクスポート(杭基礎) | - | - | ○ |
▲ 製品構成別対応機能
関連情報
»バックナンバー杭基礎
杭基礎
直接基礎
直接基礎
鋼管矢板基礎
鋼管矢板基礎
地中連続壁基礎
地中連続壁基礎
ケーソン基礎
ケーソン基礎
図面作成:杭基礎(Lite以上)
図面作成:杭基礎(Lite以上)
図面作成:直接基礎(Advanced)
図面作成:直接基礎(Advanced)
・道路橋示方書・同解説 I 共通編/III コンクリート橋編/IV 下部構造編、V 耐震設計編 H24年3月 日本道路協会
・設計要領 第2集 1章 計画、4章 基礎構造、5章 下部構造 H18年4月 東・中・西日本高速道路株式会社
・杭基礎設計便覧 H27年3月、H19年1月、H4年10月 日本道路協会
・鋼管矢板基礎設計施工便覧 H9年12月 日本道路協会
・道路橋の耐震設計に関する資料 H9年3月 日本道路協会
・道路橋の耐震設計に関する資料 -PCラーメン橋・RCアーチ橋・PC斜π橋・地中連続壁基礎・深礎基礎等の設計計算例- H10年1月 日本道路協会
・既設道路橋基礎の補強に関する参考資料 H12年2月 日本道路協会
・鋼管矢板基礎 -その設計と施工- H11年10月 鋼管杭協会
・杭基礎の計算法とその解説 1987年1月 土質工学会
・杭・ケーソン・鋼管矢板および地中連続壁基礎の設計計算例 2000年2月 山海堂 岡原美知夫他
・土木研究所資料第1175号 矢板式基礎の設計法 (その1) S52年2月、(その2) S52年6月、(その3) S52年3月 建設省土木研究所
・わかりやすいケーソン基礎の計画と設計 H10年11月 総合土木研究所
・鋼管杭基礎の設計と施工 道路橋示方書(H14年3月版) 改訂対策 H14年4月 鋼管杭協会
・STマイクロパイル工法 設計・施工マニュアル(案) 2000年5月 NIJ研究所
・SPマイクロパイル設計・施工マニュアル(案) H20年11月 エスティーエンジニアリング(株)
・既設基礎の耐震補強技術の開発に関する共同研究報告書(その3)、高耐力マイクロパイル工法(6冊分の2)、
STマイクロパイル工法(6冊分の3)、 ねじ込み式マイクロパイル工法(6冊分の4)設計・施工マニュアル
H14年9月 独立行政法人 土木研究所、(財)先端建設技術センター
・大型地下構造物ケーソン設計マニュアル H13年8月 日本圧気技術研究所
・道路技術基準図書のSI単位系移行に関する参考資料 第1巻-交通工学・橋梁編- H14年11月 日本道路協会
・一般土木工法・技術審査証明報告書 ガンテツパイル(鋼管ソイルセメント杭工法) H12年3月、HYSC杭(鋼管ソイルセメント杭工法) H12年12月 国土開発技術研究センター
※ 2021年4月からの消費税総額表示義務化に伴い、価格表記を「税抜」から「税込」へ移行いたします。
xpswmm ライセンス形態について
xpswmm 新規ライセンスは、以下のライセンス形態での販売となります。
ライセンス形態 | ノード数 | 2Dメッシュ数 | オプション | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
xpviewer | Dry Weather Flows for Sanitary |
RTC | GPU | Multidomain | |||
xpswmm Completed | 無制限 | 無制限 | ○ | ○ | ○ | - | - |
xpswmm GPU & Multidomainオプション | - | - | - | - | - | ○ | ○ |
※追加のモジュールは、xpswmm GPU & Multidomainオプションのみとなります。
サブスクリプション 製品価格
価格は税込表示です
製品名 |
本体価格 |
---|---|
xpswmm Completed サブスクリプション | ¥3,531,000(税抜¥3,210,000) |
xpswmm GPU & Multidomain オプションサブスクリプション | ¥1,177,000(税抜¥1,070,000) |
バージョンアップ開発履歴
■バージョンアップ、リビジョンアップ(無償保守)の主な内容を一覧にしています。
旧版改訂、リバイバル版リリース時などの場合にご参考ください。
xpswmm | ||
バージョン | リリース日 | 主なバージョンアップ内容 |
xpswmm2017 | 17/10/30 |
|
動作環境
OS | Windows 10 |
---|---|
CPU | Intel Core i5以上(推奨Intel Core i7,9, Xeon 3Ghz以上) |
必要メモリ(OSも含む) | 16G以上を推奨 |
必要ディスク容量 | 50GB以上 (推奨500GB) |
ディスプレイ(画面解像度) | 1024×768以上(推奨1920×1200) |
入力データ拡張子 | XP |
ファイル出力 | なし。解析部出力ファイルはヘルプ参照。 |
他製品との連動 | <読込> 背景図(TIFF、JPEG、BMP) ノード・リンク・流域(DWG、DXF) ノード・リンク・流域(GISファイル) <保存> Shapeファイル |
製品購入/お問い合わせ窓口
▲3Dビュー(UC-win/Road)
下記のムービーでXP-SWMMの操作例をご覧いただけます。
デモムービーは、aviファイルとなっておりますので、Windows環境で動作します。
バージョン8(英語版)で作成されました。
xpswmmは1969~1971年にアメリカ環境保護庁(U.S.Environment Protection Agency)の指導・援助により、コンサルタント会社Metcalf and Eddy社、フロリダ大学(University of Florida)、Water Resource Engineers社(現Camp,Dresser and McKee,Inc.)の3機関によって開発されたコードに起源を持つ解析ソフトで、下水道の設計、流下能力の改善および管理に最適な対策を計算できる総合的雨水流出解析システムです。自然水路や設計河川などの開渠と下水道などの暗渠の両方を含むネットワークによる雨水流出計算、洪水追跡と水質計算に利用できます。最近では表面流の追跡機能を活用して津波の遡上解析にも活用頂いております。
本システムは複数の計算モジュールから構成されますが、大きく、降雨損失モデル、地表面流出解析モデル、管内水理解析モデル、氾濫解析モデル、汚濁負荷解析モデルから構築されます。xpswmmの基本機能では1D解析による暗渠および開渠による水位の上下動、氾濫解析を行うXP2Dによる表面流解析、およびマンホールや貯水施設から溢水する水の浸水範囲や水深、流量などが計算できるようになっております。
解析モデルはDTM等の数値地図データ等の読込にて容易に地形データを構築し、地表面にはCAD、SHPファイルや航空写真などの背景地形データマッピングしてベースモデルを作成します。そのベースモデルに1D解析で使用する流路(暗渠or開渠(自然河川))をノードという点で設定し、断面を別途割り当ててモデル化します。そのほか氾濫解析の場合は解析するメッシュを割り当てて(通常10mメッシュくらいですが、解析目的に応じ調整致します)地表面の土地利用(住宅地、裸地、水田など)を設定、降雨の設定(降雨量、降雨継続時間)しモデルを作成します。
他のソフトにないユニークな機能として以下のようなものがあります。最大の特徴は2次元の解析結果を3次元のバーチャルリアリティソフトUC-win/Roadに取り込んで3次元の水流の表現が可能な点にあります。
弊社UC-1設計製品などと同様、メール・ファックス・電話(フリーダイヤル/サポート期間中無制限)による技術的なお問い合わせに対応のほか、有償の解析支援サービスによるモデル化のお手伝いおよび解析結果のとりまとめなど実施しております。
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