プログラム概要
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「耐候性大型土のう」は従来の土のうよりも強さ特性および耐候性などに優れる素材で製造された袋材で、本土のうを用いた積層工法は、施工性に優れるために短期間に施工・撤去等を必要とする道路、河川等への仮設構造物や災害復旧工事等に採用されます。
『「耐候性大型土のう積層工法」 設計・施工マニュアル(一般財団法人土木研究センター 平成24年3月)』(以下、マニュアルと記す)に準拠し、耐候性大型土のうを用いた積層工法の設計計算を行うプログラムです。
適用基準 |
「耐候性大型土のう積層工法 設計・施工マニュアル」
(一般財団法人土木研究センター 平成29年10月) |
構造形式 |
・土留め・護岸型(5列-20段までの積み上げに対応)
・締切工型(最下段個数20個-20段までの積み上げに対応) |
照査内容 |
・内的安定(袋体の耐力照査) ・外的安定(滑動、転倒、支持力)
・全体安定(円弧すべり) ・危険水位の算出 ・安全勾配の算出 |
その他 |
・マニュアルに記載されている標準断面図集の各断面図条件のセット機能 |
▲機能および特長
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▲メイン画面 |
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Ver.3.0.0 改訂内容<2019年 12月 23日リリース>
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- 『耐候性大型土のう積層工法 設計・施工マニュアル 平成29年10月』に対応
・基礎端を通る支持力的な安定計算(円弧すべり)の検討対応 ・基礎部の余裕袋体の設置に対応 ・滑動照査において「河床と袋体との摩擦係数」の考慮に対応
- 3Dアノテーション(寸法表示)に対応
- 3Dデータファイルの保存について、DXF・DWG形式を追加
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プログラムの機能と特長
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■構造形式
土留め・護岸型
斜面や盛土に対し、もたれ擁壁のように積み上げ、崩壊や浸食を防ぐことを目的として行う積層工法を「土留め・護岸型」とする。仮設土留め工や仮護岸工があてはまり、5列までの設置に対応しております。
▲3列と5列
締切工型
河川や水中に構造物を作る際に、袋体と袋体の間に遮水シートを挟み込みつつ山のように積み上げ、遮水を目的として行う積層工法を「締切工型」とする。仮締切工があてはまる。
▲締切工型
■照査内容
- 内的安定(袋体の耐力照査)
- 外的安定(滑動、転倒、支持力の照査)
- 全体安定(円弧すべり)
全体安定の計算には弊社製品である「斜面の安定計算」の解析部を採用しており、本プログラムから同製品の入力データを出力し、「斜面の安定計算」側でより詳細な検討を行うことが可能です。
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▲全体安定(円弧すべり) |
▲支持力的な安定性の検討(円弧すべり) |
■主な積層工法
- 仮設土留め工:背面側がのり面や斜面で、前面側が何も無い場所での積層。
- 仮締切工:背面側に何も無く、前面側に水を湛えている場所での積層。
- 仮護岸工:背面側が斜面や盛土となっており、前面側に水を湛えている場所での積層。
- 災害復旧工:本プログラムでは未対応ですが、条件により「土留め・護岸型」と考えられる場合は検討可能と思われます。
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1.仮設土留め工 |
2.仮締切工 |
■基礎部の余裕袋体の設置
構造体の最下段に1袋分の袋体(余裕袋体)を配置することが可能です。この袋体は主に基礎地盤に作用する地盤反力を低減させる目的で配置しますが、マニュアルの記載に従い安定検討には考慮しませんので、主に描画の対応となります。ただし、円弧すべりの検討ではこの袋体を考慮しないと危険側の計算になることも考えられるため、余裕袋体を円弧すべりのモデルに考慮するか否かを選択できます。
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▲基礎部の余裕袋体の設置 |
■滑動照査における「河床と袋体との摩擦係数」の考慮
耐候性大型土のうは仮設土留め構造物や仮護岸工、または仮締切工などに利用されます。滑動に対する安定性の検討に用いる摩擦係数として「仮締切工及び仮護岸工」の場合に「河床と袋体との摩擦係数」の考慮が可能です。
適用
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対象部位
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設計に用いる摩擦係数
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仮設土留め構造物
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袋体と袋体との摩擦係数
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0.5
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土と袋体との
摩擦係数 |
礫質土
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0.6
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砂質土
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0.5
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粘性土
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0.4
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仮締切工及び仮護岸工
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河床と袋体との摩擦係数
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0.4
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滑動に対する安定性検討に用いる摩擦係数
■標準断面図データのセット機能
マニュアルに記載されている標準断面図集の各断面モデルをセットすることができます。
■背面水位の考慮に対応
特に仮護岸工の場合、背面側に水位がある場合がありますが、背面水位を考慮した計算に対応しております。
背面水位は試行くさび法による土圧計算や静水圧の計算はもちろん、全体安定(円弧すべり)の計算にも考慮されます。
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適用基準及び参考文献
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- 「耐候性大型土のう積層工法」設計・施工マニュアル 平成24年3月 財団法人土木研究センター
- 道路土工 擁壁工指針 平成24年7月 社団法人日本道路協会
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