部分係数の導入
レベル2地震時の設計水平震度の算定方法変更
・構造物特性補正係数Csの考慮を削除
・下限値の削除
・記号の変更
橋軸直角方向 振動単位判定方法の変更
・固有周期特性による判定の削除
・単純桁の場合を1基下部構造とする規定を削除
固有周期に対する設計水平震度の標準値の算定方法については、変更はありません。ただし、固有周期算定におけるモデルは、死荷重の荷重係数1.05を考慮するため、全く同じモデルをH24準拠で計算した場合とH29準拠で計算した場合は、固有周期に差異が生じます。よって、設計水平震度の標準値もこの影響により、同じにならないケースが出てきます。
レベル2地震動の設計水平震度は、構造物特性補正係数と下限値の考慮が削除されたため、殆どのケースでH24準拠の場合とでは、結果が異なります。また、許容塑性率によらず算定することができるようになったため、橋台についてもレベル2地震動の設計水平震度が算定することができるようになります。
橋軸直角方向の設計振動単位の判定において、従来行われてきた固有周期特性による区分および単純桁が連続する場合の区分が削除されました。これにより、橋軸直角方向は、常に複数の下部構造とそれらが支持している上部構造部分からなる設計振動単位として扱われます。
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▲H24道示の橋軸直角方向振動単位 |
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▲H29道示の橋軸直角方向振動単位 |
地震時慣性力
部分係数の導入により、地震時慣性力の算定においては、構造物の重量に対して死荷重(D)、重量×設計水平震度に対して地震の影響(EQ)の荷重係数γqと荷重組合せ係数γpを乗じる必要があります。例えば、変動作用支配状況のD+EQ(レベル1地震動)の組合せ時における地震時慣性力は次のようになります。
重量に乗じる部分係数γp×γq=1.00×1.05
地震の影響に乗じる部分係数γp×γq=1.00×1.00
地震時慣性力=(重量×1.00×1.05)×設計水平震度×1.00×1.00 |
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▲荷重係数画面 |
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永続・変動作用時の解析
永続・変動作用時の解析をサポートします。
※本機能は、特性値による解析を行いますので、荷重係数および荷重組合せ係数は考慮されません。
橋軸方向
上部構造の伸縮による支承の移動量および桁のたわみによる支承の移動量の算定を行います。
上部構造の伸縮について考慮できる荷重は、下記の通りです。
- 温度変化
- コンクリートの乾燥収縮
- コンクリートのクリープ
- プレストレス力
桁のたわみとして、死荷重によるたわみ、活荷重によるたわみを考慮した支承の変位を算定します。項目の選択にて必要な影響のみを考慮して算定することが出来ます。
算定方法は、道路橋示方書T共通編10.1.8支承の移動量に記載される式にて算定する方法と静的骨組み解析による方法に対応します。静的骨組み解析にて移動量を算定する場合は、支承位置に生じる水平力も算定します。
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▲永続・変動作用時の解析の入力画面 |
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橋軸直角方向
静的骨組み解析により、風荷重載荷時における支承の移動量および上部構造部材位置に生じる水平力を算定します。移動量は、設定荷重を一括で載荷する全載荷状態で、水平力は部材単位で荷重を載荷して結果を集計する影響線載荷にて算定します。風荷時の解析は、活荷重無載荷時と活荷重載荷時の2ケースに対応します。
Engineer's Studio®データのエクスポート
Engineer's Studio®データのエクスポートに対応しました。UC-1下部構造製品と連携することで橋脚(※橋台)の非線形解析モデルを含む橋梁全体モデルをエクスポートすることが可能です。
Ver.3では、道路橋示方書V耐震設計編P120を参考に下記の非線形モデルのエクスポートに対応します。
・基本モデル:Takeda(M-φ) ・M-φモデル:バイリニア
・Myの算出方法:My=Mls
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▲Engineer's Studio®画面 |
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