Q5−1. |
ジオテキスタイルのモデル化方法について教えてほしい。 |
A5−1. |
UWLCの初期応力解析を用いてモデル化することを前提として、ステージ解析をする必要があるかと考えられます。
地盤とジオテキスタイルを組み合わせる場合に、地盤をソリッド要素、ジオテキスタイルを梁または棒要素とし、所定の地盤の節点間をジオテキスタイルで繋げば、ジオテキスタイルの剛性が加わり、水の移動は途中に地盤要素間で移動することになります。初期応力解析が収束しない場合、別の静的有限要素解析プログラムを用いて、ステージ解析を行い初期応力を求めることもできます。
ステージ1: 平坦な地盤
ステージ2: ジオテキスタイルの設置
ステージ3: 盛土築造
初期応力が求まったのち、strファイルを入れ替えて動的解析に移行します。
なお、ステージ解析には他の静的応力解析プログラムを使用していただくことになりますが、当社の場合はGeoFEAS2Dがこれに相当します。 |
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Q5−2. |
動的解析を行い,土の時刻歴変形量を調べる場合、どれくらいの幅を考えればよいか。 |
A5−2. |
一般的には、地盤高さの3倍〜5倍程度を考えれば良いのではないでしょうか。
理想的には、数パターン試してみて、解析結果に定常性が見られる時点のモデルであれば、OKと考えられます。 |
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Q5−3. |
液状化地盤上に乗った構造物(擁壁など)を一体で解くことは可能か? |
A5−3. |
はい、可能です。
例えば、地盤中に杭基礎などを梁要素としてモデル化して入力、あるいは、ケーソン岸壁などをソリッド要素としてモデル化して入力するなど、地盤と構造物を一体で解析することが可能です。 |
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Q5−4. |
検討対象範囲から側方境界までに必要なモデル長さはどの程度か、目安を教えてほしい。 |
A5−4. |
側方境界条件の影響をなるべく受けないようにするため、長ければ長いほど望ましいことになります。しかし、現実的には、モデルの大きさ、計算時間等の兼ね合いから、どこまでも長くとるわけにはいきません。最低でも、盛土幅程度は横方向に確保してほしいと考えています。
サンプルデータの場合は、盛土幅(法尻幅)50mに対して、両側に50mずつ確保し水平方向に全体で150m、鉛直方向には基盤面までの83mを確保した解析モデルとしています。解析例では、100mとか200m程度確保しているケースも見られます。
解析モデル範囲の決め方について、例えば、堤体の大きさ(あるいは、掘削領域の大きさ)を基準として、水平方向に何倍、鉛直下方に何倍といった明確な基準があれば良いのでしょうけれど、多くの場合は、設計者の判断で決定しているのが現状のようです。何ケースか試行して、影響を受けない程度の解析モデル範囲ということになろうかと思います。 |
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Q5−5. |
多角形基礎(円形に杭基礎配置)を設置したモデル化は可能か? |
A5−5. |
本製品は、地盤部分について奥行き1m当たりのモデルを前提とした解析を行なっています。これと同様に、地中構造物については奥行き1m当たりのモデル化を考慮する必要があります。
本件問合せケースでは、モデル化の一案として、奥行き18mのフーチング基礎と考え、同一箇所に重なっている杭について杭本数分の剛性を奥行き18mで除して1m当たりに換算した杭体剛性を考慮する方法が良いのではと考えます。採用につきましては、設計者の判断にて決定をお願いいたします。 |
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Q5−6. |
橋脚柱断面の回りに緩衝装置(躯体との間にすき間を確保した筒状のもの)を設置して、橋脚柱の揺れが堤防盛土部に直接伝わらないようにしたモデル化が可能か? |
A5−6. |
盛土部に井戸状の穴をあけた地盤モデル、すなわち、2次元モデルではスリット状の部分を設けた地盤モデルを考え、井戸の底面に梁が貫入しているモデルで代用できるなら可能です。井戸の左右の地盤は同一挙動させるためにMPCで結合して下さい。
地表面より突出した梁要素部分は、任意の骨組が入力できます。
橋脚柱の数メートル幅を考慮すれば(場所打ち杭のように細くないことを考えれば)、盛土部には穴が空いていると考えた方が、より忠実なモデルかもしれません。 |
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Q5−7. |
ケーソンと地盤との付着切れが表現可能か?(構造物と地盤との間にバイリニアのせん断バネを入れるなど) |
A5−7. |
せん断バネを入れることは可能です。また、薄い弱層を設けて表現することも考えられます。一般的には、ジョイント要素を定義することが考えられますが、現在のUWLCではジョイント要素を定義することはできません。 |
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Q5−8. |
半無限に続く地盤を境界面で表現する方法がもしあれば教えてほしい。 |
A5−8. |
底面境界には、通常、粘性境界を設定します。UWLCでは、ダンパー要素を利用して粘性境界を設定します。側方境界には、成層地盤の場合にはMPC境界条件を利用した等変位境界、不規則地盤の場合には粘性境界を設定します。 |