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  Q&A (製品評価や導入の際に役立つQ&Aです)

 1.機能・概要
Q1−1. 八戸波の地震波を用いた解析は可能か?
A1−1. 水平加速度のデータであれば、八戸波を含め任意の地震波を用いることができます。
加速度の最大値を調整したい場合は、載荷ステージの設定で地震波のファイルを読み込む画面があるので、そのなかに入力波形の調整をするメニューがあります。
地震波の入手の方法としては、防災科学技術研究所のK−Netを利用するのが一般的です。
 
Q1−2. 基盤入力波形と地表出力波形の比較分析ができるか?
A1−2. 基盤入力波形と地表出力波形の比較分析ができます。データをエクセルファイルの形式などに出力して比較することが可能です。
 
Q1−3. タワーのむちふり現象による水平力のmax、基礎杭の応力max、また地表面の加速度maxを抽出することは可能か?
A1−3. タワーの水平力maxを抽出するには、タワーを梁部材でモデル化し、下端部の断面力を時刻歴で見れば最大値を検出できます。基礎杭の場合も同様です。時刻歴図をまず表示し、画面上にカーソルを置いたままマウス右クリックをします。メニューが表示されグラフの編集機能があるので、データをエクセル形式等で出力します。データから最大値を検出し、その時刻の断面力図で確認するのが良いと思います。なお、NMQ(せん断力)が必ずしも同一時刻で最大値の発生するとは限らないので、それぞれに時刻歴図を描いたほうが良いと考えられます。
地表面の加速度についても、上記の断面力と同様の取り扱いをします。任意の節点に着目し、時刻歴図を描画したらデータをエクスポートし、最大値(絶対値)を検出します。
 
Q1−4. 加速度波形をテキストファイルとして出力することは可能か?
A1−4. 時刻歴波形を表示させたのち、グラフ上で右クリックをすると編集メニューが表示され、ダウンロードを選び、テキストファイルを選択してダウンロードできます。
 
Q1−5. 自重解析は可能か?
A1−5. 自重解析の機能を内蔵しています。本プログラムでは、初期応力解析(=自重解析に該当)と、動的解析の2段階の処理を個別、または、連続で処理できます。
 
Q1−6. 液状化の発生の場合、完全に液状化した後の挙動(動的な挙動や残留変形など)は表現可能か?
A1−6. 完全液状化後の挙動を表現することは可能です。また、UWLCでは地盤の透水現象を考慮しておりますので、地震動終了後の過剰間隙水圧の消散(圧密現象)を考慮することが可能です。
 
Q1−7. 慣性力を与えたいが、プッシュオーバー解析のような荷重の与え方(支点に与える強制水平力)はできるか?
A1−7. お問合せの内容に関係するUWLCの機能について、以下に回答致します。
  • プッシュオーバー解析(漸増載荷解析法)は、地盤や構造物の非線形性を考慮した解析モデルに対して、地震荷重を静的に漸増載荷して荷重と変位の関係を得る解析方法をいいます。
  • 初期応力解析(静的解析)では、支点(節点)に静的に水平力を与えることが可能ですが、漸増する荷重を表現することはできません。
  • 動的解析では、節点集中質量要素を定義し、動的荷重として漸増する加速度を入力すれば、構造物の慣性力を考慮することができます。
 
Q1−8. 液状化発生の有無も考慮して、残留変位の評価が可能か?
A1−8. 可能です。
 
Q1−9. メッシュ分割で、(自動メッシュ分割ではなく、)規則的なメッシュを生成することができるか?
また、分割数が相違する部分は、自動的に三角形要素を導入し調整する処理が行えるか?
A1−9. お問合せのような処理は、問題なく行うことができます。
 
Q1−10. トンネルや樋門・樋菅などの設置に伴う地盤沈下の検討は可能か?
A1−10. 本製品の初期応力解析機能を使って、地盤沈下の検討を行うことができます。この時、土の構成モデルとして弾性モデルと弾・完全塑性モデル(Mohr-Coulomb/Drucker-Prager)を適用することができます。ただし、施工ステップ解析を行う場合、本製品の解析部には問題ありませんが、現在、プリ・ポスト部に未対応の機能がございます。したがいまして、施工ステップ解析を行う場合には、データ作成および結果の整理を全て自動で行うことができませんのでご注意ください。

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 2.制限事項
Q2−1. 要素番号や節点番号に制限はあるか?
A2−1. 要素番号、節点番号に制限はございません。

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 3.解析理論
Q3−1. 2次元解析において、例えば粘性境界の計算式にあるA(土柱の断面積)の奥行きの長さはどのように考えるのか。
A3−1. UWLCは2次元解析であり平面ひずみ問題を取り扱います。
平面ひずみ問題とは、3次元のモデルに奥行き方向に変形がない条件を仮定して2次元として取り扱うことを意味しており、奥行きの長さは単位長さとなります。SI単位では1mとなります。
したがって粘性境界の土柱について、奥行きは1m、幅は格点間の半分ずつを足した長さとなります。
 
Q3−2. 水位線の入力と、地層線の入力の違いについて教えてほしい。
A3−2. 水位線も地層線の入力と同様に扱われ、上下で別々の地層に分けて地盤データを定義しなければなりません。
動的解析時は、水位線は自由水面とみなされ、過剰間隙水圧が消散する境界面となります。
 
Q3−3. 構造物の断面力と変位は応答変位法によって算出しているのか?
A3−3. 応答変位法により算出した構造物の断面力と変位ではありません。
有限要素法により、各種構造物(壁体、杭体、アンカー材、ボックスなど)を梁要素としてFEMモデル化し、地盤全体と一体にFEM解析(静的解析、動的解析)を行なって得られた梁要素の断面力と変位を示しています。

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 4.入力
Q4−1. 入力波形の間隔Δtに対して、これを1/10に細分割して積分を行い、Δt/10の時間間隔で結果を出力したい。積分時間の時間間隔を任意に設定できるか?
A4−1. [時間間隔の初期値]に入力波形データに対する時間間隔の1/10の値を入力し、[解析実行]-[出力]タブの[時刻歴の時間間隔]にその値を入力します。
各入力値は仕様の範囲内で任意に設定可能です。

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 5.モデル化
Q5−1. ジオテキスタイルのモデル化方法について教えてほしい。
A5−1. UWLCの初期応力解析を用いてモデル化することを前提として、ステージ解析をする必要があるかと考えられます。
地盤とジオテキスタイルを組み合わせる場合に、地盤をソリッド要素、ジオテキスタイルを梁または棒要素とし、所定の地盤の節点間をジオテキスタイルで繋げば、ジオテキスタイルの剛性が加わり、水の移動は途中に地盤要素間で移動することになります。初期応力解析が収束しない場合、別の静的有限要素解析プログラムを用いて、ステージ解析を行い初期応力を求めることもできます。
  ステージ1: 平坦な地盤
  ステージ2: ジオテキスタイルの設置
  ステージ3: 盛土築造
初期応力が求まったのち、strファイルを入れ替えて動的解析に移行します。
なお、ステージ解析には他の静的応力解析プログラムを使用していただくことになりますが、当社の場合はGeoFEAS2Dがこれに相当します。
 
Q5−2. 動的解析を行い,土の時刻歴変形量を調べる場合、どれくらいの幅を考えればよいか。
A5−2. 一般的には、地盤高さの3倍〜5倍程度を考えれば良いのではないでしょうか。
理想的には、数パターン試してみて、解析結果に定常性が見られる時点のモデルであれば、OKと考えられます。
 
Q5−3. 液状化地盤上に乗った構造物(擁壁など)を一体で解くことは可能か?
A5−3. はい、可能です。
例えば、地盤中に杭基礎などを梁要素としてモデル化して入力、あるいは、ケーソン岸壁などをソリッド要素としてモデル化して入力するなど、地盤と構造物を一体で解析することが可能です。
 
Q5−4. 検討対象範囲から側方境界までに必要なモデル長さはどの程度か、目安を教えてほしい。
A5−4. 側方境界条件の影響をなるべく受けないようにするため、長ければ長いほど望ましいことになります。しかし、現実的には、モデルの大きさ、計算時間等の兼ね合いから、どこまでも長くとるわけにはいきません。最低でも、盛土幅程度は横方向に確保してほしいと考えています。
サンプルデータの場合は、盛土幅(法尻幅)50mに対して、両側に50mずつ確保し水平方向に全体で150m、鉛直方向には基盤面までの83mを確保した解析モデルとしています。解析例では、100mとか200m程度確保しているケースも見られます。
解析モデル範囲の決め方について、例えば、堤体の大きさ(あるいは、掘削領域の大きさ)を基準として、水平方向に何倍、鉛直下方に何倍といった明確な基準があれば良いのでしょうけれど、多くの場合は、設計者の判断で決定しているのが現状のようです。何ケースか試行して、影響を受けない程度の解析モデル範囲ということになろうかと思います。
 
Q5−5. 多角形基礎(円形に杭基礎配置)を設置したモデル化は可能か?
A5−5. 本製品は、地盤部分について奥行き1m当たりのモデルを前提とした解析を行なっています。これと同様に、地中構造物については奥行き1m当たりのモデル化を考慮する必要があります。
本件問合せケースでは、モデル化の一案として、奥行き18mのフーチング基礎と考え、同一箇所に重なっている杭について杭本数分の剛性を奥行き18mで除して1m当たりに換算した杭体剛性を考慮する方法が良いのではと考えます。採用につきましては、設計者の判断にて決定をお願いいたします。
 
Q5−6. 橋脚柱断面の回りに緩衝装置(躯体との間にすき間を確保した筒状のもの)を設置して、橋脚柱の揺れが堤防盛土部に直接伝わらないようにしたモデル化が可能か?
A5−6. 盛土部に井戸状の穴をあけた地盤モデル、すなわち、2次元モデルではスリット状の部分を設けた地盤モデルを考え、井戸の底面に梁が貫入しているモデルで代用できるなら可能です。井戸の左右の地盤は同一挙動させるためにMPCで結合して下さい。
地表面より突出した梁要素部分は、任意の骨組が入力できます。
橋脚柱の数メートル幅を考慮すれば(場所打ち杭のように細くないことを考えれば)、盛土部には穴が空いていると考えた方が、より忠実なモデルかもしれません。
 
Q5−7. ケーソンと地盤との付着切れが表現可能か?(構造物と地盤との間にバイリニアのせん断バネを入れるなど)
A5−7. せん断バネを入れることは可能です。また、薄い弱層を設けて表現することも考えられます。一般的には、ジョイント要素を定義することが考えられますが、現在のUWLCではジョイント要素を定義することはできません。
 
Q5−8. 半無限に続く地盤を境界面で表現する方法がもしあれば教えてほしい。
A5−8. 底面境界には、通常、粘性境界を設定します。UWLCでは、ダンパー要素を利用して粘性境界を設定します。側方境界には、成層地盤の場合にはMPC境界条件を利用した等変位境界、不規則地盤の場合には粘性境界を設定します。

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 6.連動
Q6−1. 施工Stepを考慮したGEOFEAS2Dの解析結果を,UWLCの初期応力として利用することはできるか?
A6−1. GeoFEAS2Dの出力ファイル(拡張子 ott)にひずみ・応力が書き込まれます。そのファイルからUWLCの初期応力を保存するファイル(拡張子 str)に書き写せばステージ解析をした応力を基に初期応力が設定できます。なお、ファイル名としては、共通にする必要があります。

 >> サポートページ 地盤の動的有効応力解析(UWLC) Q&A集


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