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  Q&A (製品評価や導入の際に役立つQ&Aです)

1.入力関連

Q1−1. M-φ関係の値を修正することが考えられるケース はどうしたらよいか
A1−1. 断面の補強を行った場合、プログラムの内部計算機能(鉄筋のみ配置されたコンクリート断面のM-φ)で得られる通常のM-φをそのまま使用する計算でよければ修正する必要はありません。通常のM-φ以外としては、鋼板補強したときのM-φとか、炭素繊維補強したときのM-φとか、を別途算出しておき、必要な部材箇所のM-φをデータ変更して、解析を行うケースが考えられます。
M-φの値は、全部材について、画面上で直接修正することも可能ですし、CSVファイル出力→エクセルシート上で編集するなども可能です。
 
Q1−2. 杭基礎構造は適用可能か
A1−2. 杭基礎構造については、次のように適用可能としています。杭基礎構造の場合、底版と杭頭が結合する位置に格点を設け、支点条件として「固定支点/ピン支点/バネ支点」を設定し、フレーム解析を実行します。解析結果より、各杭頭位置の支点反力が得られますので、これを各杭の杭頭反力値として出力します。設計者側では、この各杭の杭頭反力値を用いて、別途杭基礎プログラムを使用して杭の設計が可能です。(現在バージョンでは、杭基礎プログラムとの連動機能はありません。)
 
Q1−3. 適用している地震時土圧式、動水圧式は何か
A1−3. レベル1地震時土圧式は修正物部・岡部式、レベル2地震時は近似式または修正物部・岡部式のいずれかを選択、となります。
動水圧式は、Westergaardの動水圧式となります。
 
Q1−4. 考え方−降伏変位算定用補正係数について
A1−4. この設定値は、書籍等に示されるものではなく、弊社が用意した降伏変位δyに対する調整目的のための入力値となります。
構造物の降伏変位δyをどう算定するかについてですが、揚排水機場のような骨組構造物においては、骨組みの一か所が断面降伏した時点をもって降伏と定めて良いのかどうかという疑問が伴います。一般には、まず、いずれかの隅角部近辺に断面降伏が生じて塑性ヒンジ状態となり、荷重増大と共にこのような箇所が連鎖的に他の隅角部にも広がり、同時に水平変位も増大していきます。
全体挙動としての震度−水平変位曲線をみたとき、多くの場合、骨組みの一か所が降伏しただけではいわゆる変位急増状態にはなっておらず、さらに荷重載荷が進んで複数箇所に断面降伏が生じていく過程で、変位急増状態がみられます。構造物の降伏変位δyというのは、この変位急増している箇所の変位を採用するのが理想となりますが、現状プログラムではこの降伏変位δyをプログラム内部で適切に求める機能がありません。
そこで、弾性変位から求められる水平変位δe(グラフ上での傾き)をベースとして、この傾きをどれくらい倒した方向に変位急増があるのか仮定するときの補正係数を考えました。δeを0.1〜1.0で除してδyが存在するであろう方向に傾きを低減して近づけるイメージとなります。降伏変位δy=水平変位δe/αy(0.1〜1.0)としています。
αyの初期値は0.9としていますが、上記のδeの補正を行いたくない場合はαy=1.0として下さい。
 
Q1−5. 断面照査は、許容応力度法、限界状態設計法のどちらか
A1−5. 耐震性能1の場合は許容応力度法による断面照査、 耐震性能2・3の場合は限界状態設計法による断面照査となります。
 
Q1−6. 配筋データ画面の使用配筋1段目、2段目、とはどこか
A1−6. 水平部材のスラブ部材は上端側から1段目(頂版、中版、底版でも上端側から1段目、2段目、・・・)と考えて下さい。
鉛直部材の壁部材は左端側から1段目(左側壁、中壁)、右側壁のみ右端側から1段目と考えて下さい。
次に、この1段目からn段目の入力欄に、どの鉄筋No.を当てはめるのかを指定して下さい。画面右側の表で定義している鉄筋データNoを入力します。上縁かぶり、下縁かぶりの位置についてはこの画面右側の表で入力します。上縁かぶり、下縁かぶりの定義については、画面ヘルプボタンの説明を参考にして下さい。
 

2.常時または地震時の計算関連

Q2−1. 部材の非線形特性について
A2−1. 部材の非線形特性は、ファイバーモデル、または、M-φモデルのいずれかを選択可能です。(Ver2より)
非線形解析の手法は、荷重増分によるプッシュオーバー解析を行っています。
 
Q2−2. 底版の杭全体を一括して、杭基礎として設計する方法について
A2−2. 揚排水機場プログラムでは、各杭頭部の反力が得られます。これらの反力を使用して杭群全体の合力を手計算で算出する必要があります。
次に、この合力を使用して「杭基礎の設計」側で「作用力を指定してレベル2地震時照査を行う」等を行って下さい。
(なお、揚排水機場の底版は橋脚や橋台などのフーチングとは剛性が違い、剛体基礎扱いとは見なせないと考えられる場合は、各杭1本ごとに杭頭作用力を使用して設計を行う方が良いと考えます。)

底版全体の杭群反力は、次のように求めてください。
(1)水平反力
  H=Σ(RXi) i=1,設計方向の杭本数n
  ここに、RXi:計算結果−杭頭反力−水平反力(RX)の値。
  この反力値は設計方向に直交方向の杭1本当たりなので、設計方向に直行方向の杭本数を掛けて底版全体の反力として下さい。
  反力の向きは、プラス値=全体座標系の+X方向、マイナス値=全体座標系の-X方向 です。
(2)鉛直反力
  V=Σ(RYi) i=1、設計方向の杭本数n
  ここに、RYi:計算結果−杭頭反力−鉛直反力(RY)の値。
  この反力値は設計方向に直交方向の杭1本当たりなので、設計方向に直行方向の杭本数を掛けて底版全体の反力として下さい。
  反力の向きは、プラス値=全体座標系の+Y方向、マイナス値=全体座標系の-Y方向 です。
(3)回転反力
  M=−Σ(RXi*Yi)+Σ(RYi*Xi)+Σ(RMi) i=1、設計方向の杭本数n
  ここに、RXi:計算結果−杭頭反力−水平反力(RX)の値。
  Yi :底版下面中心から杭iの杭頭までの鉛直距離(+Y方向にプラス値、-Y方向にマイナス値)
  RYi:計算結果−杭頭反力−鉛直反力(RY)の値。
  Xi :底版下面中心から杭iの杭頭までの水平距離(+X方向にプラス値、-X方向にマイナス値)
  RMi:計算結果−杭頭反力−回転反力(RM)の値。
  この反力値は設計方向に直交方向の杭1本当たりなので、設計方向に直行方向の杭本数を掛けて底版全体の反力として下さい。
  反力の向きは、プラス値=反時計回り、マイナス値=時計回り です。
 
Q2−3. 残留変位に対する照査は可能か
A2−3. 現状バージョンでは、「河川構造物の耐震性能照査指針(H24)」4.5.1の解説文の記載に基づき、残留変位が発生しないよう構造物に生じる応力度が降伏応力度以下であることを照査すること、に代えております。
プログラムでは非線形解析の最終ステップにおいて、すべての部材モーメント(Md)が初降伏モーメント(My)以下であることを確認できるよう、断面照査位置でのMd、Myを出力しています。
 
Q2−4. 許容応力度法と限界状態設計法による照査を任意に切り替えることは可能か
A2−4. 「河川構造物の耐震性能照査指針(H24)」の記載にしたがい次のようになります。
常時の設計については、許容応力度法になります。
レベル1地震時、レベル2地震時の設計については、耐震性能1〜3の設定条件にしたがっての設計法となります。
耐震性能1の場合は、線形解析・許容応力度照査となります。
耐震性能2または3の場合は、非線形解析・部材の耐力照査となります。
 
Q2−5. 構造計算は、壁式ラーメンですか、柱梁式ラーメンですか
A2−5. 現状バージョンは壁式ラーメンでの設計になります。機場本体部における水路直角方向の版部材で囲まれるラーメン構造を想定しております。
柱梁式ラーメンでの取り扱いは将来の検討課題とさせて頂きます。
 

 >> サポートページ 揚排水機場の設計計算 Q&A集

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