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  プログラム概要

本製品は、河川護岸における自立式矢板の設計計算プログラムです。「災害復旧工事の設計要領」をはじめとした慣用法による矢板壁の検討や、「河川構造物の耐震性能照査指針(H24)」に準拠したレベル2地震時の検討を行うことができます。

  
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  関連情報
新製品紹介
  矢板式河川護岸の設計計算 Ver.2.00.00<2016年 6月 2日リリース>

  1. 「土地改良事業計画設計基準及び運用・解説-水路工-(平成26年3月)農業農村工学会」基準に対応
  2. 前面矢板壁の鋼矢板の低減係数の自動計算に対応
  3. N値観測点の入力と、平均値の自動計算に対応
  4. ライセンス認証をサブスクリプション方式に変更

  プログラムの機能と特長

■「土地改良設計基準「水路工」(H26)」に対応
※軟弱地盤における円弧すべりの検討、液状化時の検討には対応していません。
コンクリート矢板の設計
コンクリート矢板は、従来の鋼矢板に比べ耐久性、景観が優れていると考えられている工法です。コンクリート矢板では、以下2点について照査を行います。
  1. 最大曲げモーメントが、ひび割れモーメントを下回ること
  2. 変位量が許容変位量以下となること
土地改良以外の基準でも、コンクリート矢板を設計できます。

河床安定の照査
(a)ボイリング
ボイリングとは、砂質地盤で矢板の先端から締切内部に水がまわりこんでくる現象です。飽和した砂質地盤では、水路内の水を排水し、内部の土を掘削していく過程で、急激に地盤が破壊される場合があります。このような現象をふせぐために行う検討です。

(b)ヒービング
ヒービングとは、軟弱な粘性地盤において深い根切りや高い盛土を行う際に、周囲の地表面との高低差が荷重となって地盤にすべり破壊が生じ、設計地盤面が膨れ上がる現象です。これについて、設定に応じ照査することができます。

▲ヒービングの照査

フリューリッヒの地盤応力の理論
従来、盛土による換算載荷重の計算は、崩壊角を用いて行っていました。土地改良の基準では、単層盛土の場合にフリューリッヒの地盤応力の理論を適用し、載荷重の換算を行います。


■鋼矢板の低減係数の自動決定に対応
本製品で設計可能な鋼材:鋼矢板について、「鋼矢板・設計から施工まで(2014年)」に準拠した低減係数の自動決定に対応しました。本基準には、U型鋼矢板9種類、ハット型鋼矢板2種類の、腐食代と低減係数の関係をプロットしたグラフが示されています。

本製品ではこれと同等のグラフを使用し、指定された腐食代t1と腐食代の比αより低減係数をグラフから読み取り自動決定します。

▲低減係数算定画面イメージ


■N値観測点の入力に対応
地盤反力係数などの計算に使用するN値は、地層ごとの平均N値を設定する仕様となっていましたが、柱状図に基づくN値観測点の入力と、観測値からの平均N値の自動計算に対応しました。

▲N値観測点の入力画面イメージ


■河川構造物の耐震性能照査指針(平成24年版)に対応
レベル2地震動のタイプI、タイプIIについて、耐震性能2または3を満たすことを検討します。これらの検討では、地震時の影響として以下のものを考慮します。
  1. 構造物の重量に起因する慣性力
  2. 地震時土圧
  3. 液状化の影響
  4. 地震時動水圧

各地震時の設計水平震度の算出は、道路橋示方書に準拠した地層条件からの自動算定が可能です。
また、見かけの震度については、二建の提案式のほか、災害復旧の標準式、荒井・横井の提案式を用いた算出に対応しています。


■矢板壁の弾塑性解析に対応
解析に弊社製品 Engineer's Studio® のソルバーを用いた、断面力、変位の計算に対応しています。
本モデルにおいて、矢板壁に作用する主働側側圧は、要素に対し連続の分布荷重として考慮します。受動土圧については、上下限値を受動土圧、傾きを水平方向地盤反力係数としたバイリニアの地盤バネを設定することで考慮しています。


▲地盤バネ

また、弾塑性法を用いることで、慣用法では計算できない鉛直方向の変位量を得ることができます。これにより、耐震性能2の変位についての照査を行うことが可能となります。


■検討ケース:液状時に対応
液状化の影響を考慮するため、地震時の各ケース、主働側、受働側地層のそれぞれに対して、液状化の判定と、低減係数の自動計算に対応しました。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲形状決定画面

判定結果より、「液状化する」層が含まれている地震動に対して、新たに液状化時が検討ケースとして追加されます。
液状化時の場合、液状化すると判定された層に対しては、地盤バネに低減係数を考慮し、また、土水圧の影響として漸増成分と振動成分を考慮します。「河川構造物の耐震性能照査指針」では、2層系地盤を想定した計算法が記載されていますが、本製品ではこの手法を多層系地盤にまで拡張し、多様な地層条件における作用力の計算を可能としています。


▲多層系地盤における振動成分


■多段盛土に対応
最大5層までの盛土を考慮することができます。
この盛土部分は、換算載荷重として、主働土圧や、漸増成分を計算する際の有効上載圧に考慮されます。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲多段盛土の入力画面


■設計水平震度の計算に対応
地層の物性値より地盤種別を判定し、設計水平震度を自動計算します。


■主働土圧係数の算定に対応
「修正物部・岡部法」を適用した場合の主働土圧係数の自動算定に対応しています。


■Engineer’s Studio®のデータファイル形式(*.es)に対応
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  適用基準及び参考文献

適用基準
  • 河川構造物の耐震性能照査指針(平成24年2月) 国土交通省 水管理・国土保全局治水課
  • 道路橋示方書・同解説V耐震設計編(平成14年3月) 社団法人 日本道路協会
  • 道路橋示方書・同解説V耐震設計編(平成24年3月) 社団法人 日本道路協会
  • 土地改良事業計画設計基準及び運用・解説-設計-「水路工」(平成26年3月) 社団法人 農業農村工学会
参考文献
  • 災害復旧工事の設計要領(平成27年) 社団法人 全国防災協会
  • 建設省河川砂防技術基準(案)同解説・設計編(平成9年10月) 建設省 河川局監修、社団法人 日本河川協会編
  • 港湾の施設の技術上の基準・同解説(平成19年7月) 社団法人 日本港湾協会
  • 漁港・漁場の施設の設計の手引き(2003年版) 社団法人 全国漁港漁場協会
  • 道路土工 仮設構造物工指針(平成11年3月) 社団法人 日本道路協会
  • 鋼矢板 -設計から施工まで- (2014年版) 社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会
  • 道路橋示方書・同解説 X耐震設計編(平成8年3月) 社団法人 日本道路協会
  • 高強度コンクリート矢板設計・施工ハンドブック(2014年7月) 日本コンクリート矢板工業会
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