災害に負けない社会の構築に貢献したいという強い思いから、国土強靭化に資する取り組みを顕彰する目的で2014年に創設しました。構造解析から地盤、水工、防災に至る分野を対象とし、国土強靭化に繋がる具体的な事例と成果を一堂に集め、情報提供および技術研鑽の貴重な場として開催しています。

受賞結果

審査員の方々による厳正な審査の結果、グランプリ、準グランプリ及び3つの審査員特別賞が決定いたしました。
2020年11月20日、品川インターシティホールとオンラインに於いて、表彰式を行いました。

表彰式の様子(2020年11月20日 品川インターシティホールとオンラインにて開催)

  • グランプリ(最優秀賞)

    株式会社日本水工コンサルタント

    既設水槽構造の2次元および3次元モデルによる耐震検討結果比較
    -モデル化の違いによる解析・照査方法の妥当性を確認-

    使用プログラム:Engineer's Studio®

    水槽構造物の設計においては、実際の形状に対し、任意位置で輪切りにした2次元断面モデルとして検討を行う場合が多いが、その形状が複雑な場合や躯体寸法条件等から、そのモデル化が妥当なのか疑問視される場合がある。本検討においても当初は従来通りの2次元断面モデルで検討を行ったが、その後、提案型として実物通りに板要素を用いた3次元モデルを作成し、解析・照査することで照査結果にどのような傾向があるか比較を行い、モデル化の妥当性について確認した。
  • 準グランプリ(優秀賞)

    内外エンジニアリング株式会社

    観測地震動による耐震性能照査手法の検証
    -実際の観測地震動を用いた頭首工の耐震性能照査結果と被害状況の比較検証-

    使用プログラム:Engineer's Studio®

    近年耐震検討及び耐震化対策の需要が高まる中で、数多くの施設の中から耐震対策の要否や優先順位を決定するためには、まず各施設の耐震性能不足の程度を把握することが必要となる。その際、より実態に即して評価することが、耐震対策の効率的な実施やコスト縮減につながると考える。様々な工種で耐震設計の手法が確立されているが、頭首工の被災による検証実績は少ない。本報では、実際の観測地震動を用いて頭首工の耐震性能照査を行い、照査結果の損傷状態が実際の被災状況と整合するかを比較検証した事例を報告する。
  • 審査員特別賞
    CAD for Construction Award(吉川 弘道 氏)

    株式会社サンポー

    逆T式橋台CIMモデルによる鉄筋の干渉チェック
    -CIMモデル詳細度400での対応事例-

    使用プログラム:Allplan

    近年、耐震設計が進みRC構造物の鉄筋量が増大しているなか、土木構造物の設計・施工時は2次元図面が主として使われている。そのため、配筋を組み立てる際に予期せぬ箇所での干渉や、コンクリート打設時に粗骨材が通過しないなどの問題が起きる事もある。こうしたことから、設計時において、橋梁下部工を施工する際の複雑な配筋箇所における鉄筋干渉の把握、また干渉箇所に対する鉄筋組み立て時の対処方法を検討するための基礎資料作成を目的に、2次元図面を元に3次元のCIMモデルを作成した。
  • 審査員特別賞
    Urban Flood Prevention Award(守田 優 氏)

    建設情報コンサルタンツ株式会社

    都市河川における浸⽔氾濫解析
    -⾬⽔流出による浸⽔氾濫解析の現況評価と対策⼯の検討-

    使用プログラム:xpswmm

    近年では、数十年に一度とされてきた降雨強度を上回る気象が度々発現し、各地で洪水被害が多発している。本解析では、確率年1/30の降雨強度式を用いて都市部における雨水流出氾濫解析を実施した。
    更に現況での解析結果より、複数の対策を講じたケースを検討し、その効果を評価した。なお解析は、1D(河川)/2D(平面)にて実施した。
  • 審査員特別賞
    Urban Development Project Award(若井 明彦 氏)

    株式会社ジオフォーメーション

    JR近接施工影響解析(近接の盛土)
    -盛土施工にともなう地盤変形解析と対策工検討-

    使用プログラム:Geo Engineer's Studio

    有明粘土・シルトの厚く堆積する(約18m)地盤で、駅舎ホームに隣接する周辺地盤を1.3m切土して盤を下げることとなった。地盤変形解析を行い、JRの軌道位置での変位量を求め、許容範囲(6mm以内)であるか、検討した。無対策で切土した場合はNGであるため、対策工として大別して4ケースを設定した。case1 土留め工、case2 地盤改良、case3 地中連壁、case4 鋼管矢板の4種類について変形抑制効果を確認した。その結果、case4 鋼管矢板が変形抑制にすぐれ、経済的であると判断された。
  • ノミネート賞

    株式会社山栄設計事務所

    浄化センター水処理施設3次元FEM梁モデル
    -梁要素による円筒形タンクのモデル化と断面照査-

    使用プログラム:
    Engineer's Studio®

    円筒形タンクのレベル2地震時における耐震照査を行った。震度法により地震力を算出し、限界状態設計法でRC断面の照査を行った。
    タンクの底版および側壁を梁要素(Mφ要素)を用いてモデル化した。底版および側壁には集中地盤バネを設定した。
    その結果、レベル2においても曲げ終局、せん断終局に関して、安全性が確認された。
  • ノミネート賞

    株式会社荒谷建設コンサルタント

    既設の免震支承を活用した連続桁橋の耐震対策
    -免震支承が設置されている既設連続桁橋に対する耐震対策の追加検討-

    使用プログラム:
    Engineer's Studio®

    本橋梁は、平成6年道路橋示方書に準拠して設計された、ポストテンション方式6径間連結T桁橋である。設計年度が比較的新しいことから、支承には鉛プラグ入りゴム支承すなわち免震支承が設置されているが、現行基準による耐震性能照査においては、照査を満足しない結果となっている。そこで今回は、既存の免震支承を有効活用しながら、照査を満足するための追加対策の検討を行うものとする。
  • ノミネート賞

    株式会社エポック設計

    トンネル動的地盤解析
    -坑口部の地震応答解析と覆工部の耐震照査-

    使用プログラム:
    動的有効応力解析 UWLC

    トンネル坑口部は、トンネルの出入り部にあたり、土被りが薄くなり、かつ山腹斜面からのすべり力も作用しやすいため、構造的に弱点となりやすい。本件は、地盤の地震応答解析を実施し、覆工部の断面照査を行った。地盤の地震応答解析は、土の非線形性を考慮したROモデルを用いた。土のひずみ依存性については、土木研究所の砂質土の標準的なモデルにならい、パラメータの同定解析を実施した。入力地震動は、道路橋示方書耐震設計で定められているレベル2地震動タイプ1の3波、タイプ2の3波について解析実行した。覆工部は、アーチ部、側壁部、インバート部に3分されるが、それぞれの断面を鉄筋コンクリート断面としてES sectionでモデル化し、曲率照査およびせん断耐力照査を行った。

過去の受賞作品

例年、構造解析(土木・建築)・地盤工学・水工学・防災など、多様な分野における作品が発表されています。合理的な独自の技術提案が集積し、更なる裾野の広がりに期待が高まっています。

  • 第6回 グランプリ(最優秀賞)

    秋田県立大学 システム科学技術学部

    鉄骨構造物の簡易計測技術の開発
    使用プログラム:Engineer's Studio®
    大震災を経験している国々において、建築設計基準では震度6強以上の巨大地震が発生した場合には、建築物を倒壊させずに建物全体を塑性化させて地震エネルギーを吸収させる方法で完全崩壊を防ぎ、人命の尊重が優先されるように設計が求められている。また、他の先進国においても、接合部位だけを集中して長期にわたる健全性を精密な計測技術によってモニタリングを実施している報告は、見当たらないのが現状である。大震災後においても,鉄骨構造物の健全性を評価するために、自律型極限センサを用いた長期的かつ安価で簡便な計測を実施可能にするモニタリングシステムの構築が求められている。本報告では、新センサの出力から変位量や荷重の予測を可能にする解析技術について検証した結果を述べる。
  • 第6回 準グランプリ(優秀賞)

    有限会社エフテック

    山地河川における洪水氾濫解析
    使用プログラム:xpswmm
    現在、全国で河川ごとの水害ハザードマップの見直し・作成が進められているが、現行のハザードマップ作成手引の内容は築堤構造の大河川を対象とした規定が多く、流域が小さい、山地河川に適用すると洪水氾濫現象の再現に適しているとは言いがたい点がある。また、水害ハザードマップでは、想定した破堤箇所ごとの浸水区域を重ね合わせて、「浸水の可能性のある最大範囲」における「発生可能性のある最大浸水深」をオーバーラップして表すようになっており、洪水氾濫の実現象の再現データとはなっていない。しかし、急峻な堀込河道における氾濫では、浸水範囲よりも氾濫水の動的な挙動を明示する方が、より現実的な情報となると考え、実現象の再現性を主軸とした解析を実施した。
過去受賞作品PickUp

各賞・賞品

  • グランプリ(最優秀賞)

    トロフィー、賞状、賞品(高性能ノートPC、ポータブルSSDなど)、Amazonギフトカード

  • 準グランプリ(優秀賞)

    賞状、賞品(高性能ノートPC、モバイルノートPCなど)、Amazonギフトカード

  • 審査員特別賞

    賞状、賞品(アクションカメラなど)、Amazonギフトカード

  • ノミネート賞

    表彰盾、図書カード

        

※賞品の詳細は決定次第掲載いたします。

概要

開催スケジュール
作品応募締め切り

2020年10月16日(金)

ノミネート作品審査会

2020年10月23日(金)
フォーラムエイト東京本社

受賞作品本審査会

2020年11月17日(火)
フォーラムエイト東京本社

各賞発表と表彰式

2020年11月20日(金)
品川インターシティホール

FORUM8デザインフェスティバル2020
第7回ナショナル・レジリエンス・デザインアワード 各賞発表と表彰式

審査員
  • 審査委員長吉川 弘道 氏

    東京都市大学 名誉教授

    早稲田大学理工学部卒業、技術士(建設部門)、工学博士。専門は耐震設計、地震リスク、鉄筋コンクリート。土木学会論文賞、土木学会吉田賞他受賞。著書に『都市の地震防災』など7冊を上梓。

  • 守田 優 氏

    芝浦工業大学 副学長/工学部土木工学科都市環境工学研究室 教授

    芝浦工業大学工学部土木工学科教授。専門は都市水文学、地下水水文学、洪水リスクマネジメント。著書に『地下水は語る-見えない資源の危機』(岩波新書)。

  • 若井 明彦 氏

    群馬大学大学院 理工学府 教授

    群馬大学大学院環境創生理工学科教授。専門は地盤防災、地盤と構造物との相互作用等。コンピュータによる現象予測、極端気象時/巨大地震時のメカニズム解明と減災対策等の研究に取り組む。

   
募集内容・応募方法
応募基準・提出物条件

設計/解析に限らず、減災への提言、合理的な設計法提案、BCP、リスクマネジメントなど、直接的・間接的に国土強靭化に資する内容であるものとします。

必須要件
1.作品タイトル・サブタイトル:20~40字程度
2.作品概要:150~200字程度
3.ポスター:A1横(画像等を用い目的/内容が簡潔に表現されているもの)
>>ポスターテンプレート(Word、111KB)
4.報告書(目的、手法、結果、考察など):全体で2ページ以上10ページ以内
>>報告書仕様(Word、63KB)
5.入力データ(結果ファイル)
6.使用製品名

任意要件
1.アニメーション、動画
2.PPTなどのスライド

言語
日本語または英語

各賞
■グランプリ(最優秀賞) ■準グランプリ(優秀賞) ■審査員賞 ■ノミネート賞
※重複しての受賞はありません
作品応募締め切り

2020年10月16日(金)
※本選へのノミネート作品は2020年10月23日(金)に決定

提出物送付先

〒108-6021 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟21F
(株)フォーラムエイト システム営業グループ
第7回ナショナル・レジリエンス・デザインアワード受付係 宛

応募作品の著作権等

受賞作品の著作権は、応募者に帰属するものとします。

提出されたデータの配布は行いませんが、フォーラムエイトは、著作者が制作したデータ、作品および成果物について、出力画像・動画等の編集・加工を行い、対外発表、研究発表、営業活動、広報活動として、HP、広報誌、書籍、雑誌、新聞等媒体における掲載・紹介など、二次使用許諾権利を持つものとします。あらかじめご了承ください。

応募に関する
お問い合わせ先

TEL:03-6894-1888 FAX:03-6894-3888
E-mail:forum8@forum8.co.jp

過去コンテスト表彰式の様子(第6回ナショナル・レジリエンス・デザインアワード/2019年11月)