Q1−1−1. |
単位幅当りで計算する方法をお教えてほしい。土留め工の設計を行うにあたって単位幅当りで計算をしたいのですが、どのように入力すればよいのか? |
A1−1−1. |
確かに、本プログラムで、単位幅当たりの計算を行おうと考えて[初期入力]画面を見ますと、単位幅当たりの土留め壁本体のみの設計計算には不要と思われる平面形状情報や切ばり配置情報などの入力があり、困惑されるかもしれません。
これらの本体計算には直接関係ない(支保工の設計や作図を行わない場合)項目についても、適当に入力して頂かなければなりません。
そこで、単位幅当たりの計算に不要と思われる入力項目を抜粋し、大まかな値について提案させていただきます。
・平面形状:「直線」とします。これによって、設計可能な壁体は1壁(1枚)という事になり、作図時の平面図も直線系になります。
・Le:施工延長です。実際の施工延長を入力するもの結構ですが、最も危険と考えられる任意の区間延長という事で、初期値の15.0m程度でよいのではないかと考えられます。
・B:掘削幅です。実際の施工掘削幅で結構です。設計方法として慣用法のみをお考えであれば、この情報が設計に直接影響するものではありません。ただし、切ばり(支保工)の設計まで行うものであれば、きちんと計画されている掘削幅を入力してください。これが不明な場合は、初期値の20.0m程度でもよいのではないか考えられます。
以下の項目は、B=20.0mのままを前提にして説明させて頂きます。
・支保工位置を入力する壁:「左右壁」とします。
・切ばり左右方向の本数:特に支保工の設計までは想定していないのであれば、初期値の2本で結構です。
・切ばり左右方向の両端開始幅:上記の場合は初期値のままで結構です。これによって、5.0m間隔の切ばり配置になります。
・切ばり前後方向の本数:特に支保工の設計までは想定していないのであれば、初期値の3本で結構です。
・切ばり前後方向の両端開始幅:上記の場合は初期値のままで結構です。これによって、5.0m間隔の切ばり配置になります。
・火打ち:上記の場合は初期値のままで結構です。
・中間杭:上記の場合は初期値のままで結構です。
以上が、支保工の設計や作図を行わない場合には、直接、土留め壁の設計に関係ない入力項目とその入力値の提案です。提案と申しましても、お気づきの通り、殆どが初期値のままです。当方なりに、ご不便をおかけしないように配慮した初期値を用意しているつもりである点はご理解ください。
[初期入力]で「詳細設定」ボタンを押しますと、詳細データが内部的生成されます。[形状]や[考え方]の各処理ボタンの内容をご確認の上、土留め壁の設計を行ってください。
なお、土留め壁の設計計算そのものは、平面形状が矩形であろうが直線であろうが、単位幅あたり(親杭の場合は親杭1本当たり)の計算処理になります。 |
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Q1−1−2. |
鋼管矢板の仮締め切りの検討を行っているが、断面変化はできないのか? |
A1−1−2. |
断面変化の照査は、弾塑性法で土留め壁の設計を行う場合にのみ可能です(「土留め工の設計(弾塑性法対応)」または「土留め工の設計(フル機能版)」でなければなりません)。慣用法では断面変化の照査はできません。また、壁体種類が「親杭横矢板」の場合は断面変化の照査はできません。
断面変化の照査を行う手順は以下の通りです。
(1)[初期入力|弾塑性法適用基準]を選択します(壁体種類は「親杭横矢板」以外としてください)。
(2)[考え方|照査項目]の「□弾塑性解析時に壁体の断面変化を行う」をONにします。
(3)[計算確認]または[壁長変更(再計算)]ボタンで計算を実行し、[形状決定]画面とします。
(4)[形状決定]画面の左側下方に「壁長の決定値の入力」欄があります。各壁体種類によって入力する情報が異なりますが、「壁長」は各断面変化区間長とお読み替えください。入力された壁長のトータルを全長といたします。最大10区間の断面変化を考慮する事ができます。
なお、慣用法による土留め壁の設計並びに図面作成に関しましては、上記Cの断面変化に関する情報は全て無視され、[部材|壁体]で入力した断面が壁長全長に採用されたものとして扱います。 |
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Q1−1−3. |
親杭横矢板の場合、壁面に水圧を作用させることは可能か。 |
A1−1−3. |
壁面に水圧を作用させる事は可能です。
[初期入力]にて壁体種類を「親杭横矢板」とし、「□水位(掘削前)」をONにした状態で詳細設定ボタンを実行しますと、本プログラムでは、親杭の場合は止水効果が期待できないものと判断し、[検討ケースデータ]における背面側水位を強制的に掘削底面まで下げてしまいます。その状況から、親杭横矢板の場合には壁面に水圧を作用させる事はできないのではないかという疑問になっているものと思います。
背面側水位を作用させるためには、プログラムの内部処理にて、強制的に掘削底面まで下げて設定されている背面側水位を、お考えの水位に変更すればよいと考えられます。
具体的には、[検討ケース]の各検討ケースデータの入力画面にて、背面側水位G.L.を掘削底面位置から上方(お考えの水位)に修正して頂ければ結構です。 |